ナチュラル The Natural (1984) 4.16/5 (31)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1952年に発表された、バーナード・マラマッド同名小説を基に製作された作品。
事件に巻き込まれ選手生命を絶たれていた有望野球選手の運命を描く、監督バリー・レヴィンソン、主演ロバート・レッドフォードロバート・デュヴァルグレン・クローズキム・ベイシンガーバーバラ・ハーシー共演のドラマ。


ドラマ(スポーツ)


スタッフ キャスト ■
監督:バリー・レヴィンソン
製作:マーク・ジョンソン
原作:バーナード・マラマッド
脚本:
ロジャー・タウン

フィル・ダッセンベリー
編集:ステュー・リンダー
撮影:カレブ・デシャネル
美術・装置
メル・ボーン

アンジェロ・P・グラハム
ブルース・ウェインターブ
音楽:ランディ・ニューマン

出演
ロバート・レッドフォード:ロイ・ホッブス
ロバート・デュヴァル:マックス・マーシー
グレン・クローズ:アイリス・ゲインズ
キム・ベイシンガー:メモ・パリス
ウィルフォード・ブリムリー:ポップ・フィッシャー
リチャード・ファーンスワース:レッド・ブロウ
ロバート・プロスキー:判事
ダーレン・マクギャビン:ガス・サンズ
バーバラ・ハーシー:ハリエット・バード
ジョー・ドン・ベイカー: 飛ばし屋(大打者)
ジョン・P・フィネガン:サム・シンプソン
マイケル・マドセン: バンプ・ベイリー
ジョージ・ウィルコツ:ボビー・サヴォイ

アメリカ 映画
配給 トライスター・ピクチャーズ
1984年製作 137分
公開
北米:1984年5月11日
日本:1984年8月1日
製作費 $28,000,000
北米興行収入 $47,951,979


アカデミー賞 ■
第57回アカデミー賞
・ノミネート
助演女優(グレン・クローズ)
撮影・美術・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
父に野球の才能を見出された少年は、父の死後、雷が落ちた木から自分でバットを削りだし、”ワンダーボーイ”と名付ける。

1923年。
19歳のロイ・ホッブス(ロバート・レッドフォード)は、幼馴染のアイリス・ゲインズ(グレン・クローズ)に、”シカゴ・カブス”の入団テストを受けることを伝える。

結婚の約束をした二人は、その夜結ばれ、必ず連れに戻ると、アイリスに告げたロイは旅立つ。

生まれて初めて汽車に乗り、メジャーリーグのキャンプに向かうロイは希望に燃える。

車中には、大打者(ジョー・ドン・ベイカー)と、スポーツ記者のマックス・マーシー(ロバート・デュヴァル)が同乗していた。

二人は、フットボール選手やオリンピック選手が次々殺される、不審な事件を気にしていた。

そんな時、ロイの後見人サム・シンプソン(ジョン・P・フィネガン)が、有望な投手を見つけたことを二人に話す。

二人は、ロイとシンプソンを相手にもせず嘲り笑うだけで、その無礼な態度にロイは憤慨する。

同じ頃、謎の女ハリエット・バード(バーバラ・ ハーシー)が、車両に乗り込む。

途中、休息で下車したロイと大打者は、カーニバルの会場で、互いに図抜けた才能を披露していた。

ロイに興味を示したマーシーは、シンプソンから、ロイが大打者を三球三振に取るという賭けを持ちかけられる。

大打者は受けて立つが、結局ロイは、大打者を三球三振に仕留めてしまう。

それを静かに見つめていたハリエットは、ロイに接近する。

マーシーも手のひらを返したようにロイを絶賛し、それを記事にするためシンプソンに近づく。

シカゴに着いたロイは、ホテルでハリエットに呼ばれ、彼女の部屋に向かう。

ハリエットは、球界一の選手になるというロイを銃撃し、その後、自ら窓から身を投げてしまう。

16年後。
連敗続きの下位チーム、ニューヨーク・ナイツに、引退間近にしか見えない選手ロイが現われる。

セミ・プロ経験しかないロイに、監督ポップ・フィッシャー(ウィルフォード・ブリムリー)は全く興味を示さない。

しかし、コーチのレッド・ブロウ(リチャード・ファーンスワース)がフィッシャーを説得し、ロイはチームに加わる。

ロイは背番号が決まりロッカールームに向かい、そこでマーシーに声をかけられるが、彼はロイを覚えていなかった。

そしてロイは、下位チームではあるが、ついにメジャーリーガーとなる。

ホテルに向かったロイは、バンプ・ベイリー(マイケル・マドセン)の恋人メモ・パリス(キム・ベイシンガ)と出くわし軽い挨拶を交わす。

ブロウと食事に出かけたロイは、バンプと同席するメモが気になる存在になる。

その後も、フィッシャーはロイを使う気がなく、ナイツは連敗を重ね、ちぐはぐなプレイは観客の笑いものになり、ロッカールームに神父を招き、神頼みする始末だった。

プレイも出来ず、フィッシャーのやり方に反発するロイは、マイナーリーグ行きを言い渡されるが、彼はそれを拒否する。

フィッシャーは、野球をしに来たと言うロイの意気込みを買い、彼に打撃練習をさせてみる。

ロイは、”ワンダーボーイ”でスタンド入りを連発し、彼が使っているバットをフィッシャーはチェックする。

そして、その日も敗色濃い試合の中で、ミスをしたバンプに代わり、フィッシャーはロイを代打に指名する。

代打を告げられたロイは、”ワンダーボーイ”を手に打席に入り、ピッチャーの放った球を叩く。

そして、ロイの打った打球は張り裂けてしまい、球場は大騒動になる。

試合後、ロイとどこかで会ったように感じたマーシーだったが、ロイはそれを否定する。

その頃、消息を絶ったロイが活躍するマーシーの記事を、アイリスもシカゴで目にしていた。

一夜にして話題の人になったロイは、”ワンダーボーイ”の威力を疑われてしまう。

コミッショナーがその規格を調べ、公式戦の使用を認める会見を開くという、異例の事態にもなる。

ロイと同じ守備位置のバンプは、フィッシャーから交代を考えていることを告げられ奮起するが、フェンスに激突して命を落としてしまう。

それをきっかけにロイにチャンスが与えられ、彼は期待に応え豪打を連発する。

チームもロイの勢いにあやかり、ユニフォームに稲妻のマークを付けて調子を上げていく。

その後、ナイツは連戦連勝を続け、ロイの人気は急上昇し、チームの順位も上位に上がる。

借金を抱えていたフィッシャーは、自分のナイツの持ち株を10%判事(ロバート・プロスキー)に売り、チームが優勝すればそれを取り戻せるが、負ければ解雇と株の没収という、苦しい立場に立たされていることをロイは知る。

そんなある日、ロイは練習の最中、チームメイトに打撃練習のピッチングを頼まれる。

ロイの投げた球はネットに突き刺さり、スタンドでそれを見ていたマーシーは、彼が大打者を打ち取った男だということを思い出す。

判事に呼び出されたロイは、チームを負けに追い込み、自分の物にしようとする判事の魂胆を見抜く。

その直後、ロイの正体に気づいたマーシーが、彼に5000ドルで独占取材を申し入れる。

判事と結託して、チームの乗っ取りを企むギャンブラーのガス・サンズ(ダーレン・マクギャビン)を、マーシーに紹介されたロイはサンズを警戒する。

そしてロイは、サンズと同席していたメモにダンスを申し込み、その後二人は急速に接近する。

メモが不幸をもたらすと警告する、フィッシャーの予測が現実となり、ロイは突然スランプに陥り、彼女との仲が格好のマスコミ・ネタになってしまう。

その後チームも負け越しが続き、その原因がロイにあることは明らかだった。

そんなロイが、シカゴに遠征してくることを知ったアイリスは、球場に足を運ぶ。

相変わらず不調のロイは、球場内で何かを感じながら最後の打席に立つ。

打てそうもないロイを見つめるアイリスは、スタンドで立ち上がり、彼に思いを込める。

それを感じ取ったロイの一振りは、打球をスコアボード横の時計まで運び、それを壊してしまう。

驚くべき打球を放ったロイは、スタンドに駆け寄るが、自分に力を与えてくれたものが何かは分からなかった。

ロッカールームに戻ったロイは、アイリスからの伝言を受け取り、彼女と再会する。

ロイは、彼女との短い会話で昔の純真さを取り戻す。

スタンドの女性が、ナイツを救ったとの記事を見たサンズは、ロイを骨抜きにしたメモを再びけしかける。

しかし、ロイはアイリスとの再会後、打撃の勘を取り戻し、以前にも増した豪打を放ち始める。

その後もアイリスは、ロイが遠征してきた時には可能な限りスタンドに足を運び、ロイは、消息を絶つまでの経緯などを彼女に話す。

アイリスの家に招かれたロイは、結婚していないと言っていた彼女に息子がいて、それを生甲斐にしていることを知らされる。

父親はニューヨークにいるというアイリスの言葉で、ロイは、子供が自分の息子ではないかと思い、何も言わずに彼女を抱きしめる。

その後、ナイツは連勝を続け、リーグ優勝の可能性が出てきた。

サンズ主催のパーティーで、彼から将来を考えろと忠告されたロイは、彼らの思惑に乗ろうとはしなかった。

チームメイトと楽しい時を過ごしていたロイは、古傷が悪化して入院してしまう。

胃の中から銀の弾丸が摘出され、ロイは野球を続けるのが危険だという、医師の診断を受ける。

ロイを操るために、サンズはメモを病院に見舞いに行かせ、試合出場は無理だと説得させるが、ロイは彼女の魂胆を見抜く。

ロイは最後の試合に出場するために、グラウンドで打撃練習をしてみるが、無理がたたり倒れてしまう。

その夜、病院に出向いた判事は、ロイを試合に出場させないように買収し、16年前の銃撃事件をスキャンダルにすると言って脅しをかける。

マーシーも、ロイを見舞いに来たアイリスに、銃撃事件とハリエットの自殺写真を見せて彼女を牽制する。

若かりし日の過ちをアイリスに話し、野球で遣り残したことを悔いるロイだったが、彼女は、人々や少年達に大きな影響を与えたとロイを励ます。

そしてアイリスは、息子と最終戦を見に球場に行くことをロイに告げる。

有り金全てを、最終戦のナイツの負けにかけたサンズと、試合後にフィッシャーを追い出す手はずを整える判事の元にロイが姿を現す。

ロイが病院で判事から渡された賄賂を返すと、サンズと判事は動揺し、その場にいたメモが銃を放つ。

メモから拳銃を取り上げたロイは、その場を立ち去るものの、サンズは、ロイが試合では活躍はできないと開き直る。

ロッカールームに現れたロイに気づき、フィッシャーは最高の打者だと彼を称え、ユニフォームに着替えるよう指示する。

そして試合は始まり、観客の大声援を受けて、ロイはライトの守備位置につく。

復調には程遠いロイは、打席に立つものの精彩がなく、しかも、チームメイトが判事に買収されていることに気づき、それを止めさせようとする。

守備は無難にこなすものの、打撃では振るわないロイを見て、アイリスは、息子がスタンドで見ていると彼に伝言を渡す。

そのメモを見たロイは動揺し、込み上げる思いを抑えながら、2対0でナイツが負けたまま、試合は最終回を迎える。

そして、見方が連打してチャンスを掴み、命を落とすかもしれない体で、最終打席に向かったロイは追い込まれてツーストライクとなる。

次の球は、ホームラン性のファウルになるが、頼みのバット”ワンダーボーイ”が折れてしまう。

ロイは迷わず、彼を慕うバットボーイのボビー・サヴォイ(ジョージ・ウィルコツ)のために作ったバット、”サヴォイ・スペシャル”を持ってくるよう彼に伝える。

そのまま打席に戻ったロイは、わき腹から出血しながら、ピッチャーの放ったボールを、渾身の力で叩く。

そしてロイは、スタンドの照明に突き刺さる、奇跡の大ホームランを放つ。

ロイは、スタンドのアイリスに見守られながら、歓喜する観衆の声援に応え、ダイヤモンドを回り、ナインに迎えられて、勝利のホームを踏む。

球界の全ての記録を打ち破ることに懸けていたロイは、その後、田舎に帰り、アイリスが見つめ中、笑みを浮かべながら、息子とキャッチボールをする。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1923年。
亡き父に野球の才能を見出された、19歳のロイ・ホッブスは、”シカゴ・カブス”の入団テストを受けることを幼馴染のアイリスに伝える。
結婚の約束をした二人は、その夜に結ばれ、必ず連れに戻るとアイリスに告げたロイは旅立つ。
ロイの後見人のシンプソンは、メジャーリーグのキャンプに向かう彼のことを、列車に同乗していたリーグの大打者と、スポーツ記者のマーシーに話す。
途中、休息で下車したロイと大打者は勝負をすることになり、結局、ロイが大打者を三球三振に仕留めてしまう。
それを見ていた、謎の女ハリエットがロイに接近し、マーシーもロイの才能を認めて絶賛する。
シカゴに着いたロイは、ホテルでハリエットに呼ばれて銃撃されてしまい、彼女は窓から身を投げてしまう。
16年後、連敗続きの下位チーム、ニューヨーク・ナイツに、ピークを過ぎた、引退間近にしか見えない選手ロイが現われる・・・。
__________

神がかり的な野球選手の秘められた謎が、緊張感ある物語として描かれ、ドラマチックな盛り上がりと共に静かな感動を呼ぶ作品。
野球をテーマにした作品には傑作が少ない中では、お勧めの作品でもある。

野球の勝敗が殆ど気にならず、奇跡的な展開を上手く使い、またサスペンスの要素も盛り込んだ、監督バリー・レヴィンソンの演出も見応えある。

天性の野球センスを持つ青年が、苦労して成功する単純なストーリーではなく、事件に巻き込まれ一生を棒に振りかけながらもチャンスを待ち、更には権力からの圧力にも屈せず、栄光ではなく、愛する者を手に入れるという、深みのあるストーリーに仕上がっている。

感動のシーンを大いに盛り上げる、ランディ・ニューマンの音楽も心に残る。

第57回アカデミー賞では、グレン・クローズの助演女優他、撮影、美術、作曲賞にノミネートされた。

実年齢(47歳)よりは若くは見えるロバート・レッドフォードが、希望に燃える野球青年から引退寸前の老プレーヤーまでを、物静かでありながら、男としての強さも感じさせる熱演を見せる。

グレン・クローズは、主人公の妻となる日を待ち続ける、逞しくもある聡明な女性を見事に演じている。

脇を固める共演者も、チームの監督ウィルフォード・ブリムリーとコーチのリチャード・ファーンスワース、判事のロバート・プロスキー、彼の策謀に加担するダーレン・マクギャビンキム・ベイシンガー、記者役のロバート・デュヴァル、それぞれが適役を自然な雰囲気で演じている。

謎の女性、そして殺人者バーバラ・ハーシー、フェンスに激突し死亡するマイケル・マドセンなども共演している。
ベーブ・ルースをモデルにした、ジョー・ドン・ベイカーも、出番は少ないが、凄みのある演技で印象に残る。


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