老人と海 The Old Man and the Sea (1958) 4.79/5 (33)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1952年に発表された、アーネスト・ヘミングウェイ同名短編小説の映画化。
自分をひたすら慕う少年に見守られ運に見放されながらも漁に出る老人の、直向な生き様を描く、監督ジョン・スタージェス、主演スペンサー・トレイシーによるドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・スタージェス
製作:リーランド・ヘイワード
原作:アーネスト・ヘミングウェイ
脚本:ピーター・ヴィアテル

撮影:ジェームズ・ウォン・ハウ
編集:アーサー・P・シュミット
音楽:ディミトリ・ティオムキン

出演
スペンサー・トレイシー:老人/ナレーター
フェリッペ・パゾス:少年
ハリー・ビレーヴァー:マーティン/カフェの主人

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1958年製作 86分
公開
北米:1958年10月7日
日本:1958年10月21日


アカデミー賞 ■

第31回アカデミー賞
・受賞
音楽賞(ドラマ・コメディ)
・ノミネート
主演男優(スペンサー・トレイシー)
撮影賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

キューバ
老人(スペンサー・トレイシー)は、メキシコ湾に小船を浮かべる漁師だった。

しかし、84日間も魚が釣れない日々が続き、初めの40日は、少年(フェリッペ・パゾス)が一緒だったが、老人を見限った彼の両親が別の船に乗りこませた。

少年は老人を慕い、空の船で帰る彼を毎日迎えに行った。

やせた手足や顔のしわが、長年の苦労を物語る老人だったが、海の色と同じ目だけは生き生きとしていた。

少年は老人の役に立ちたくて、漁の餌を用意して食事の世話をした。

いつも立ち寄るカフェの主人マーティン(ハリー・ビレーヴァー)は、食事を取りに来た少年に、老人は限界だとつぶやく。

しかし、老人の強さを知っている少年は、マーティンに心配ないと言い張る。

イスで眠っていた老人は、戻ってきた少年と食事をして、野球の話などを始める。

少年が帰ると、老人は翌日の漁に備えて眠りにつき、決まりきったアフリカの夢を見る。

老人の夢は、暴風雨や女も出てこない、死んだ妻も現れず、様々な土地と、少年と同じくらい好きなライオンが登場する夢だった。

早起きの老人は少年を起こしに行き、船着場で少年は老人を見送り、互いに幸運を祈り海に出て行く。

やがて日が昇り、老人は4本の竿を水中に垂らして様子を見る。

1本の竿に大物が食いついたようだが、獲物はなかなか姿を現さない。

日が暮れて、信じられない強敵を相手に老人は、少年がいればとつぶやいてしまう。

夜になるが、老人は強く引く綱から手が離せず、食事も満足にとれない状態が続き、おまけに素人のように手を傷つけてしまう。

やがて夜が明けようとした頃、船より大きな獲物が姿を現し、老人を興奮させる。

その後、雨が降り始め、老人は、カサブランカで1日以上勝負がつかなかった、腕相撲の力自慢をした時のことを思い起こす。

日が暮れて夜になり、やがて朝を迎え、翌日も小康状態が続く。

再び日没となり、老人はイルカの大群やライオン、そして、クジラが登場する夢を見る。

知らぬ間に世が明け、強い引きで目が覚めた老人の目の前で、巨大なカジキが海面を暴れ周る。

カジキとの格闘は続き、老人は手を血だらけにしながら持ち応えた。

海に出てから三度目の太陽が昇り、老人は、もうろうとしながらも、再び海面に現れたカジキにモリを突き、ついにそれを仕留める。

老人は帆を張り港へと急ぐが、やがてカジキはサメに襲われる。

そのサメを、老人はモリで退治するが、カジキは食いちぎられ、血のに匂いで他のサメが現れるのは避けられなかった。

モリを失ったため、オールとナイフでサメを退治する武器を作った老人は、迫り来るサメの大群を必死に撃退しようとする。

遠出をし過ぎた自分を悔やんだ老人は、再び現れたサメにカジキをほとんど食われてしまい、完全に打ちひしがれてうなだれる。

やがて港に戻った老人は、力を振り絞りマストを担ぎ、5回も休みながらようやく家にたどり着く。

翌朝、強風で漁に出られない少年は、老人の家に向かう。

傷ついた老人の手を見た少年は胸が痛み、泣きながらコーヒーを取りに行く。

途中、カジキを見て驚く人々を見て、既にそれを見ていた少年は、老人を心から誇りに思う。

目が覚めた老人は、少年が入れてくれたコーヒーを飲みながら、”わしは運に見放されたんだ”とつぶやく。

しかし少年は、”運は僕が持って行く”と答え、老人と海に出ることを約束する。

老人は再び眠りにつき、少年はそれを見つめる。

そして、老人の見る夢にはライオンが現われる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

メキシコ湾に小船を浮かべる漁師の老人は、彼を慕う少年に見守られながら毎日を送っていた。
84日間も獲物を得られず、運に見放された老人だったが、少年は老人を信じて励ます。
翌日も同じように漁に出た老人は、一本の竿に手応えを感じ、その獲物に集中する。
その後、姿を現さない相手との根競べが始まり、綱から手を離せない老人は、食事や休息もままならない。
その時、船よりも大きな、巨大カジキが海面に姿を現し老人は驚く。
三日間の小康状態の末、ついに老人はそのカジキを仕留め、港へと船を向かわせる。
しかし、捕らえたカジキを狙いサメの大群が現れ、老人の闘いは再び始まる・・・。
__________

1954年にヘミングウェイが受賞することになるノーベル文学賞は、もちろん長年の執筆活動の功績に対するるものだが、本同名小説によるところが大きいと言われている。

1961年、ライフル自殺をする彼だが、人生に悲観し始めている、彼の心境が語られているような気もする。

原作を読んだ方なら分かるだろうが、この物語が映画になるのだろうかと、誰もが考えただりう。

困難なロケ環境や、淡々と老人の心境を描く地味なストーリーを、中米各地やハワイのロケで、海や自然の美しさを生かし見事に描写している。

西部劇やアクションを得意とする監督ジョン・スタージェスは、孤独な老人の心の動きや、彼を慕う少年との友情を、終始、抑え気味に描いている。

クレジットには登場しないが、ヘンリー・キングフレッド・ジンネマンら、名匠が補助しているのも注目だ。

第31回アカデミー賞では、音楽賞を受賞した。
(ドラマ・コメディ)
・ノミネート
主演男優(スペンサー・トレイシー)
撮影賞(カラー)

アカデミー賞に輝くディミトリ・ティオムキンの、老人の見る夢の心地よさを表現しているような音楽も素晴しい。

もともと老けて見えるので驚きはしないが、実はまだ50代のスペンサー・トレイシーの完璧な演技も心を打つ。
彼が担当するナレーションも味わい深い。

老人を尊敬し、好きでたまらない少年を、フェリッペ・パゾスは健気に演じている。

漁師の子供というより、どうも知的な少年に思える彼は、本作公開の翌年起きる、キューバ革命の活動家で、経済学者のフェリッペ・パゾスの息子である。

ドラマに登場する少年よりも年下の頃に本作を観た自分は、映画とは思えずにドキュメンタリーと勘違いしてしまったことを思い出す。


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