オスカー The Oscar (1966) 3.76/5 (29)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

イヴの総て」(1950)を髣髴させるオープニング、同作が演劇界を描いたのに対し本作はハリウッドの内幕を赤裸々に描く、主演スティーヴン・ボイドトニー・ベネットエルケ・ソマーエリノア・パーカー他共演、監督ラッセル・ラウズによるドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ラッセル・ラウズ
製作:クラレンス・グリーン
製作総指揮:ジョセフ・E・レヴィン
原作:リチャード・セイル
脚本
ハーラン・エリスン

ラッセル・ラウズ
クラレンス・グリーン
撮影:ジョセフ・ルッテンバーグ
編集:チェスター・W・スキッファー
美術・装置
ハル・ペレイラ

アーサー・ロネーガン
ロバート・R・ベントン
ジェームズ・E・ペイン
衣装デザイン:イデス・ヘッド
音楽:パーシー・フェイス

出演
スティーヴン・ボイド:フランク・フェーン
トニー・ベネット:ハイミー・ケリー
エルケ・ソマー:ケイ・バーグダル
エリノア・パーカー:ソフィー・カンターロ
ミルトン・バール:アルフレッド”キャピー”キャプステトラー
ジョセフ・コットン:ケネス・リーガン
ジル・セント・ジョン:ローレル・スコット
アーネスト・ボーグナイン:バーニー・イエール
エディ・アダムス:トリナ・イエール
ウォルター・ブレナン:オリン・C・クエンティン
ピーター・ロフォード:スティーヴ・マークス
ジーン・ヘイル:シェリル・バーカー
ブロデリック・クロフォード:保安官
エド・ベグリー:グロバード
ジェームズ・ダン:テレビ局重役
ボブ・ホープ:本人
マール・オベロン:本人
フランク・シナトラ:本人
ナンシー・シナトラ:本人
ヘッダ・ホッパー:本人
イデス・ヘッド:本人

アメリカ 映画
配給 Embassy Pictures
1966年製作 119分
公開
北米:1966年3月4日
日本:1967年6月


アカデミー賞 ■

第39回アカデミー賞
・ノミネート
美術(カラー)・衣装デザイン賞(カラー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

サンタモニカアカデミー賞授賞式会場。
ボブ・ホープの司会で式は始まるが、今年の主演男優賞にノミネートされたフランク・フェーン(スティーヴン・ボイド)を、同じ会場で、複雑な表情で見つめている男ハイミー・ケリー(トニー・ベネット)がいた。
__________

数年前ハイミーは、フェーンとダンサーのローレル・スコット(ジル・セント・ジョン)と共に、危ない橋を渡りながら貧しい巡業暮らしをしていた。

ある日、彼らは、悪徳保安官(ブロデリック・クロフォード)に、売春の仲介容疑の濡れ衣を着せられ逮捕されてしまう。

ケイの車を売って保釈金を払い、釈放された三人は、再起をかけてヒッチハイクでニューヨークに向かう。

グロバード(エド・ベグリー)のクラブで、ケイはダンサーに雇われる。

あるパーティーで、フェーンはファッション・デザイナーのケイ・バーグダル(エルケ・ソマー)と知り合い、彼女の魅力に惹かれてしまう。

ローレルはフェーンとの幸せな生活を望んだが、女癖の悪い彼と口論になり別れることになる。

部屋を追い出されたフェーンだったが、ハイミーは、辛い過去がそうさせると言って彼を擁護する。

平凡な生活を望んでいるだけのローレルは、罵られながらもフランクをかばうハイミーの胸で泣き崩れる。

ケイの勤め先の雑用係として働いていたフェーンは、ある日、劇場に彼女と舞台衣装を運びに行く。

そこで芝居の稽古を見ていたフェーンは、思わず猿芝居だと叫んでしまう。

演出家に言いがかりをつけられたフェーンは、巡業で身につけた真に迫る芝居を見せつけその場を立ち去る。

それが、新人スカウトのソフィー・カンターロ(エリノア・パーカー)の目に留まり、彼女はフェーンを舞台の道に誘う。

その場でケイが、フェーンの態度を注意したため、彼は憤慨してしまう。

ケイを追い払ったものの、それを後悔するフェーンだったが、それも彼の芝居だと知り、ソフィーはその演技力に驚いてしまう。

フェーンはソフィーの演技指導を受け、やがて彼の演技はオフ・ブロードウェイで評判になる。

その後、私生活でも親密になっていたフェーンを、ソフィーはエージェントのアルフレッド”キャピー”キャプステトラー(ミルトン・バール)に推薦する。

そしてキャピーの協力を得たソフィーは、フェーンにスクリーンテストを受けさせ、映画スタジオのケネス・リーガン(ジョセフ・コットン)に彼を売り込む。

フェーンはリーガンと契約することになり、その後、ハイミーをハリウッドに呼び寄せる。

ハイミーは、結婚したローレルが死んだことをフェーンに告げるが、彼は気にする気配もなかった。

強かなフェーンは、自分を利用しようとした新人女優シェリル・バーカー(ジーン・ヘイル)に恥をかかせ、逆に彼がマスコミで注目されてしまう。

その後、フェーンは徐々に知名度を上げ、スターの仲間入りを果たし、豪勢な暮らしを始める。

ある日、フェーンはスタジオで、デザイナー、イデス・ヘッドの助手になったケイを見かける。

シェリルをエスコートしたクラブに向かったフェーンは、女優でゴシップ・コラムニストでもあるヘッダ・ホッパーと軽く会話を交わす。

その場に現れたケイに気づいたフェーンは、彼女と語ることもなくダンスを踊る。

ケイを連れの男性に渡したフェーンは、その後、彼女の家に向かい自分の船に誘う。

しかし、結局は、ケイに卑劣な男呼ばわりされ、フェーンは彼女を家に送り、ソフィーの元に向かう。

ソフィーは、一旦はフェーンを撥ねつけるが、他の男にない彼の魅力を認め求めてしまう。

フェーンは、ソフィーと愛し合った後に、彼女を容赦なく罵倒して別れることを告げ、その場を去って行く。

その後、キャピーとの約束でレストランに向かったフェーンは、俳優のスティーヴ・マークス(ピーター・ロフォード)に出くわし、彼が落ちぶれてボーイをしていることを知る。

フェーンは、ケイの気を引くために、彼女をデザイナーに昇格させるよう、キャピーを半ば脅迫する。

店の中でスティーヴと話したフェーンは、彼の姿が自分の未来を見ているようで恐怖に駆られる。

数日後、キャピーが契約権利書を持参してフェーンの元に現れるが、彼はリーガンを追い詰め、自分のペースで契約できるよう企む。

デザイナーの件で、ケイはフェーンに感謝して船のことを謝罪し、二人はメキシコに闘牛を見に行くことになる。

闘牛場でフェーンは、私立探偵のバーニー・イエール(アーネスト・ボーグナイン)と妻トリナ(エディ・アダムス)に出会い、彼らの離婚の立会人になる約束をする。

バーニー達の離婚を見届けたフェーンとケイは、その後、彼らとクラブに向かう。

そして、愛を確かめ合ったフェーンとケイは結婚することになり、バーニーとトリナが二人の立会人となる。

結婚はしたものの、ハリウッドに戻ったフェーンの女癖の悪さは相変わらずで、不満を漏らすケイは、彼に災いが起きる予感を感じる。

作品の評価は高いが、人気に陰りの出てきたフェーンとの契約条件をリーガンは受け入れず、恩を仇で返したフェーンを憎んでいたソフィーもそれに同調する。

キャピーの必死の売り込みも実らず、プライドの高いフェーンは駄作への出演も断り続ける。

ついに、生活のためテレビ出演を受けようとしたフェーンは、テレビ局重役(ジェームズ・ダン)やスポンサーのオリン・C・クエンティン(ウォルター・ブレナン)と面会する。

その時、新作の演技が、アカデミー主演賞候補になったという、ハイミーからの連絡がフェーンに入る。

そして、息を吹き返したフェーンは、1本の電話で救われたことをキャピーに伝え、テレビ出演を断ってしまう。

これには、フェーンに全く相手にされていなかったケイも祝福し、彼も素直に喜ぶ。

しかしフェーンは、再び奈落の底に落ちる悪夢を見てしまい、恐怖に怯える。

フェーンはメキシコで会った私立探偵バーニーに、自分の過去を暴露するネタを教え、マスコミを利用しオスカー・レースで同情票を得ようとする。

思い通り、そのネタにマスコミは飛びつくが、フェーンの企みを知ったハイミーは、自分達を含めた全員に危機が及ぶ可能性があることを指摘し彼を非難する。

しかし、フェーンは、どん底の生活から今があるのは自分のお陰だと、ハイミーに悪に徹するようそれを強要する。

その後、フェーンは釈明の記者会見を開き、芝居を打ち、死んだローレルまで利用し、さらに自分に同情が集まるように仕組む。

リーガンは、パーティーに招待したフェーンに対し、映画人にとって気高いオスカーの受賞を、必ず阻止すると言い放つ。

帰宅したフェーンはバーニーに呼び出され、まとまった金を要求されてしまう。

フェーンは、バーニーの元妻トリナを捜そうとするが見つからず、金を借りようとしたキャピーからは見限られてしまう。

窮地に追い込まれたフェーンは取り乱し、ハイミーはそれを見て絶えられなくなってしまう。

そこに、トリナから連絡が入り、フェーンは彼女からバーニーの弱みを聞き出し、逆に彼を陥れる。

しかし、バーニーを殺しかねなかったことや、フェーンの子供を流産して死んだローレルまで利用しようとする彼を、ハイミーは見限ってしまう。

ハイミーは、今回の件がフェーンの自作自演だとケイに知らせ、二人は彼の元を去って行く。

それでもフェーンは、オスカーを必ずとってみせると豪語して息巻く。
__________

アカデミー賞会場では、マール・オベロンが主演男優賞の発表をする。

受賞者は、フランク・シナトラだった。

会場のハイミー、キャピー、リーガン、ソフィーは、勝ち誇ったような表情で拍手を贈り、ケイは哀れなフェーンを見つめる。

そして、自分の受賞を確信し立ち上がっていたフェーンは、放心状態となり、愕然として座席に座り込む。


解説 評価 感想 ■

リチャード・セイルの、同名小説の映画化。

*(簡略ストー リー)

相棒のハイミーと恋人ローレルと共に、貧しい巡業暮らしを続けていたフランク・フェーンは、ニューヨークに向かう。
野心家のフェーンは、ローレルを捨ててハイミーとも別れる。
フェーンは、パーティーで出会ったデザイナーのケイの会社で雑用係として働いていたが、ある日、俳優のスカウトであるソフィーに認められ、演劇の道に進むことになる。
その後フェーンは、オフ・ブロードウェイで演技を磨き、ソフィーとエージェントのキャピーの協力を得て、ついにハリウッドに進出することができる。
強かなフェーンは、あらゆる手段を使い業界のトップにのし上がろうとする。
ハイミーを呼び寄せたフェーンはトップ・スターとなり、豪勢な生活を始め、ケイとも再会して結婚する。
しかし、やがてフェーンの人気も陰り始め、人々は彼の元を離れていく・・・。
__________

銀幕のスターとしての地位を保つため、周囲の人々や友人家族までを利用する人間の醜さや、平素に生きることの尊さを考えさせられる作品。

舞台がハリウッドだけに、アカデミー賞にノミネートされた美術セットや衣装の豪華さ、派手な生活ぶりが随所で見られて興味深い。

第39回アカデミー賞では、美術(カラー)、衣装デザイン賞(カラー)にノミネートされた。

詐欺師まがいの貧しい巡業役者から、ハリウッドのスターに上りつめる、強かな男を演じたスティーヴン・ボイドの熱演は光る。

野望を果たすために、人を手玉に取りながら成り上がっていく男の、恐ろしさと哀れさを見事に表現している。

映画デビューとなる歌手トニー・ベネットも、主人公を見捨てきれず、彼にすがるしかない気弱な正直者を好演している。

クライマックスで主人公を見限る場面では、真迫る演技を見せてくれる。

デザイナーのイデス・ヘッドの助手らしく、ファッション・センスを披露してくれるエルケ・ソマーは、出演女優の中でも群を抜く美しさだった。

また、主人公を取り巻く俳優陣に加え、多数の名優が本人役で出演しているのも、豪華さに華を添えている。

カリスマ・デザイナーのイデス・ヘッドまで度々登場している。

主人公に入れ込む新人スカウトのエリノア・パーカー、主人公のエージェントのミルトン・バール、映画業界の大物ジョセフ・コットン、主人公に捨てられる恋人でダンサーのジル・セント・ジョン、主人公を恐喝する私立探偵のアーネスト・ボーグナイン、その妻役エディ・アダムス、テレビ・スポンサーのウォルター・ブレナン、落ちぶれた元俳優役ピーター・ロフォード、新人女優ジーン・ヘイル、悪徳保安官のブロデリック・クロフォード、クラブ・オーナー役のエド・ベグリー、テレビ局の重役のジェームズ・ダン、そして本人役でボブ・ホープマール・オベロンフランク・シナトラナンシー・シナトラ、本作の公開を待たずに亡くなるコラムニストのヘッダ・ホッパーなどが出演している。


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