暴行 The Outrage (1964) 3.63/5 (30)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1922年に発表された、芥川龍之介の”藪の中”を原作に、”羅生門”(1915)を参考にした黒澤明の「羅生門」(1950)のリメイクというよりも、マイケル・ケニン/フェイ夫妻の舞台劇の映画化と言った方が正しい。
怪奇な事件の裁判を見た牧師が人間不信に陥り、真相を知り人間の真実の姿を理解するという、監督マーティン・リット、主演ポール・ニューマンローレンス・ハーベーエドワード・G・ロビンソンクレア・ブルームウィリアム・シャトナー他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:マーティン・リット
製作:A・ロナルド・ルービン
原案
黒澤明
橋本忍
戯曲
マイケル・ケニン
フェイ・ケニン
脚本
マイケル・ケニン
フェイ・ケニン
撮影:ジェームズ・ウォン・ハウ
編集:フランク・サンティーロ

音楽:アレックス・ノース

出演
ポール・ニューマン:ホアン・カラスコ
ローレンス・ハーベー:ウェイクフィールド大佐
エドワード・G・ロビンソン:ペテン師
クレア・ブルーム:ニナ・ウェイクフィールド
ウィリアム・シャトナー:牧師
ハワード・ダ・シルバ:探鉱者
アルバート・サルミ:保安官
ポール・フィックス:先住民霊媒師

アメリカ 映画
配給 MGM
1964年製作 97分
公開
北米:1964年10月7日
日本:1964年12月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ある裁判を見て、人間の愚かさに絶望した牧師(ウィリアム・シャトナー)が、町を出るため駅で汽車を待つ。

その裁判に関わり、殺人事件の死体を発見した探鉱者(ハワード・ダ・シルバ)が、牧師を気遣う。

そこに居合わせたペテン師(エドワード・G・ロビンソン)は、殺人くらいで騒ぐ二人を嘲り笑うが、その内容を聞いてみることにする。
__________

探鉱者が町外れの森に向かうと、異様な雰囲気を感じ、誰かの遺留品を見つける。

男/ウェイクフィールド大佐(ローレンス・ハーベー)の死体を見つけた探鉱者は町に帰り、それを保安官(アルバート・サルミ)に知らせた。
__________

牧師は、被害者ウェイクフィールド大佐と妻ニナ(クレア・ブルーム)に道で出くわして挨拶を交わしていた。
__________

捕まって裁判にかけられた犯人は、メキシコの凶悪犯ホアン・カラスコ(ポール・ニューマン)で、犯罪を犯しては逮捕され、そして脱獄を繰り返していた。

馬車に乗るウェイクフィールド夫妻を、たまたま見かけたカラスコは、先回りをしてアステカの遺物を売り込み、森に連れて行き、隙を見せたウェイクフィールドを縛り上げる。

それに気づいたニナが、ナイフを持ちカラスコに襲い掛かるが、彼は夫の前でニナを犯してしまう。
__________

極悪非道のカラスコを知るペテン師は、それでこそカラスコだと高笑いして話の続きを聞く。
__________

辱めを受けたニナは、せめて夫に名誉の決闘をさせるようカラスコに訴える。

それに応じたカラスコは、ウェイクフィールドの縄を解き、格闘の末、彼を刺し殺したと言うのが彼の証言だった。
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しかし、殺されずに生きていたニナの証言は違っていた。

ニナは、カラスコが二人を置き去りにした後、夫の侮辱の眼差しに耐え切れずに、自らの手で彼を殺したと言うのだ。
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殺されたウェイクフィールドの証言も、先住民の霊媒師(ポール・フィックス)を介して行われる。

カラスコを選び自分を裏切った妻ニナを見て、誇り高きウェイクフィールドは自ら命を絶ったと言う。
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しかし、探鉱者は三人の証言は全て嘘だと叫び始め、事件の目撃者だったことを認めて、その様子を話し始める。

暴行後に一緒に来てくれとすがるカラスコと、決闘をさせようとするニナに、縄を解かれたウェイクフィールドは、男好きの彼女の本性を見抜く。

家柄ばかり気にするウェイクフィールドに、嫌気がさしたニナは噛み付くが、カラスコが中に割って入り、その場を立ち去ろうとする。

ニナは夫を臆病者だと言い、犯され愛してしまったが、見込み違いだったとカラスコにも言い放つ。

腰抜けと小悪党呼ばわりされた二人は、決闘をすることになり、銃撃戦となった彼らは弾が切れて格闘になる。

ナイフを手にしたウェイクフィールドは、石につまづき、自分の胸を突き刺してしまう。
__________

勇者と淑女、そして悪党の戦いどころか、ケチな連中の他愛ない争いだという真実を知ったペテン師は、それが現実というもので、人の真の姿だと牧師に語る。

その時、駅で捨て子を見つけたペテン師は、添えてあった金をくすねる。

それを非難する探鉱者にペテン師は、自分よりも、子供を作った末に捨てる親の方が酷いと言い切る。

そして、探鉱者の嘘を暴こうとするペテン師は、宝石付のナイフの行方を探鉱者に問い質し、彼がそれを売って、金にしたことを見抜ぬいていたことを告げる。

探鉱者は、7人の子供を養うために仕方なくナイフを売ったことを牧師に告げ、捨て子を引き取る承諾を得る。

汽車が到着し、牧師を呼び寄せるペテン師だったが、人間への信頼を取り戻した牧師は、探鉱者と共に駅を去っていく。


解説 評価 感想 ■

映画「羅生門」の舞台である平安時代を、19世紀の西部に置き換えてはいるものの、ストーリーはほぼ忠実に再現されている。

*(簡略ストー リー)

ある裁判を見て、人間の愚かさに絶望した牧師が町を出るために、駅で汽車を待つ。
そこに居合わせた、その裁判に関わり、殺人事件の死体を発見した探鉱者の話を、ペテン師が、殺人くらいで騒ぐ二人を嘲り笑いながら聞いてみることにする。
ウェイクフィールド大佐と妻ニナは、凶悪犯ホアン・カラスコに襲われ、彼女は夫の前で犯される。
辱めを受けたニナは、夫に決闘をさせ、彼はカラスコに刺し殺された・・・、というのがカラスコの証言だった。
しかし、ニナは夫の侮辱の眼差しに耐え切れず彼を殺したと言い、霊媒師は自殺だと、探鉱者は、決闘の末、ウェイクフィールドが誤って自分の胸を刺したと語るのだった・・・。
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一つの事件を、食い違ういくつもの証言とその視点から、全く異なる様に描き、観る者を混乱させていくという展開はマーティン・リットのシャープな演出と共になかなか楽しめる。

メキシコ人凶悪犯役という主演のポール・ニューマンの体当たりの演技も新鮮であり、彼の甘いマスクが見れない貴重な作品でもある。

誇り高き紳士が、石につまづき死んでいく愚かさ・・・終盤コミカルな表情を見せるのが印象的なローレンス・ハーベー、酸いも甘いも噛み分けるという雰囲気で、同業の悪党のことは全てお見通しという、正に職人芸の演技を見せるエドワード・G・ロビンソン、舞台のオリジナル・キャストでもある大佐夫人クレア・ブルーム、人間不信に陥る牧師ウィリアム・シャトナー、貧しさ故に欲を出してしまう探鉱者役のハワード・ダ・シルバ、保安官役のアルバート・サルミ、名バイプレイヤーのポール・フィックスが、先住民の霊媒師で登場する。


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