質屋 The Pawnbroker (1965) 4/5 (1)


■ 作品情報へ ■
スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
 ★★★★

ナチスの迫害で家族を亡くしていた孤独な男の、消え去ることのない悲しみに苦悩する姿を描く、監督シドニー・ルメットロッド・スタイガージェラルディン・フィッツジェラルド共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■
監督:シドニー・ルメット

製作総指揮:ワーシントン・マイナー
製作
ロジャー・H・ルイス
フィリップ・レインジャー
原作:エドワード・ルイス・ウォーラント
脚本
デヴィッド・フリードキン
モートン・ファイン
撮影:ボリス・カウフマン
編集:ラルフ・ローゼンブラム
音楽:クインシー・ジョーンズ

出演
ソル・ナザーマン:ロッド・スタイガー
マリリン・バーチフィールド:ジェラルディン・フィッツジェラルド
ロドリゲス:ブロック・ピーターズ
ヘズス・オーティス:ハイメ・サンチェス
テッシー:マルケタ・キンブレル
タンジー:レイモンド・セント・ハケス
ヘズスの恋人:セルマ・オリヴァー
スミス:フアノ・ヘルナンデス
ラジオを質入する青年:レニ・サントーニ
街角の男:モーガン・フリーマン

アメリカ 映画
配給
アライド・アーティスト・ピクチャーズ・コーポレーション
アメリカン・インターナショナル・ピクチャーズ
1965年製作 116分
公開
北米:1965年4月20日
日本:1968年8月10日
製作費 $500,000


アカデミー賞 ■
第38回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優賞(ロッド・スタイガー)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ニューヨーク
ドイツユダヤ人のソル・ナザーマン(ロッド・スタイガー)は、ポーランドで大学教授をしていたのだが、ナチスの迫害を受けて妻子を亡くし、今は妻の妹の家族と同居していた。

イースト・ハーレム
質屋を営むナザーマンは、テンションの高い
プエルトリコ人の若者ヘズス・オーティス(ハイメ・サンチェス)を雇っていた。

そのヘズスや、店に現れる客達の話にも全く興味を示さないナザーマンは、多くを語らず、ただ事務的に仕事をこなす。

そんなナザーマンの店に、ソーシャル・ワーカーのマリリン・バーチフィールド(ジェラルディン・フィッツジェラルド)が訪れ、彼に社会福祉への後援の勧誘をする。

ナザーマンは、マリリンに寄付金の小切手を渡し彼女を追い払う。

ヘズスは、将来、自分も質屋を持つ夢があり、ナザーマンに仕事を教わろうとする。

また、ナザーマンは、裏社会を仕切るロドリゲス(ブロック・ピーターズ)と関係を持ち、彼の資金を預かり保管する役目を引き受けていた。

ナザーマンは、街で起きる様々なことが、迫害を思い起こさせるため、そのことで悩み苦しんでもいた。

収容所で亡くなった友人の妻テッシー(マルケタ・キンブレル)の家に通い続けるナザーマンは、唯一人、彼女を心の拠り所にしていた。

そんな時ヘズスは、かつての悪党仲間タンジー(レイモンド・セント・ハケス)達に、店の金庫に大金があることを話してしまう。

数日後、マリリンは、気分を害して帰った先日のことをナザーマンに謝罪し、彼を昼食に誘う。

迷惑そうな返事しか返さなかったナザーマンは、仕方なく彼女に付き合う。

ナザーマンが、収容所にいたことを見抜いていたマリリンは、自分も、結婚した相手を直ぐに亡くし、孤独でいたことを彼に伝える。

それを聞いたナザーマンは、”孤独”という言葉を軽々しく口にするマリリンに説教を始め、彼女を追い払ってしまう。

気分を害したナザーマンは、店に戻っても苛立ち、ヘズスには、世の中は金が全てだと言い切る。

テッシーから、彼女の義父が亡くなったとの連絡が入るものの、ナザーマンは、自分を頼っている彼女にさえも辛く当たってしまう。

その後、ロドリゲスの息が掛かる売春婦でもあるヘズスの恋人(セルマ・オリヴァー)が、ナザーマンの店に現れ、金欲しさに彼の前で服を脱ぐ。

ナザーマンは、収容所で妻がドイツ兵の相手をさせられたことを思い出して動揺し、彼女に金を渡して追い払う。

ロドリゲスが売春組織を仕切っていることを知り、彼を訪ねたナザーマンは、金の取引を拒もうとする。

しかし、自分が店や生活のための資金を出すスポンサーであることと、既にそれから逃れられないことをロドリゲスは伝え、ナザーマンに今後の取引も強要する。

身も心も疲れ果てたナザーマンは、自然とマリリンの元に足を運んでしまう。

ナザーマンは、今日が、自分だけが生き延び、愛する家族が命を奪われた日だと語り、マリリンの気遣いも受けようとせず、その場を去って行く。

帰りの地下鉄で、収容所への移送列車のことを思い出してしまったナザーマンは、店に着いたのも気づかず、ヘズスに声をかけられて仕事に戻る。

ナザーマンはまともな接客が出来ず、様子がおかしいことを確認したヘズスは、タンジーらの元に向かい、強盗の手引きをする。

その頃、ロドリゲスが店に現れ、取引に応じないナザーマンを痛めつけて、彼を脅して引き上げる。

絶望的な日を過ごしていたナザーマンは、馴染み客スミス(フアノ・ヘルナンデス)が質入した蝶の標本を見て、家族のことを思い起こす。

そこにタンジーらが現れ、ナザーマンは金を要求され銃を向けられるが、それを阻止しようとしてヘズスが撃たれてしまう。

瀕死のヘズスは、傷つけるなと忠告してあったと言い残し、ナザーマンの腕の中で息を引き取る。

呆然とするナザーマンは、店を後にして通りに消えていく。


解説 評価 感想 ■
1961年に発表された、エドワード・ルイス・ウォーラントの”The Pawnbroker”を基に製作された作品。

エドワード・ルイス・ウォーラントは、公開を待たずに36歳の若さで亡くなった。

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
イースト・ハーレムで質屋を営む、初老のユダヤ人ソル・ナザーマンは、かつてポーランドで大学教授をしていたのだが、ナチスの迫害で妻子を亡くした過去を持つ孤独な男だった。
ナザーマンの店では、若者ヘズスが修行の日々を送り、将来は自分も質屋になろうという夢を持っていた。
ある日、ソーシャル・ワーカーのマリリンが、社会福祉への後援の勧誘のため、店を訪ねて来る。
人との関わりを嫌うナザーマンは、マリリンに寄付の小切手を渡し彼女を追い払ってしまう。
そんなナザーマンは、裏社会(売春組織)を仕切る、ロドリゲスの資金を保管する役目を引き受けていた。
今年も家族を失った日が近づき、度々その記憶が甦るナザーマンは、悲痛な思いに苦悩する。
一方ヘズスは、自分の店を持つことに意欲を燃やしながら、店の金庫に大金があることを知り、それを、かつての悪党仲間に話してしまう。
悲劇が起きた日を迎えたナザーマンは、自分が売春組織に絡んでいることを知り、妻が
ドイツ兵の相手をさせられたことを思い出し動揺する。
耐え切れなくなったナザーマンは、ロドリゲスの元に向かい、組織との関係を断ち切ろうとするのだが・・・。
__________

消え去ることのない、不幸な過去に苦しむ孤独な男の苦悩を、サブリミナル効果などを使い表現するシドニー・ルメットの演出、主人公の行動や雰囲気とは全く対照的な、クインシー・ジョーンズのダイナミックな音楽、斬新な手法が話題を呼んだ衝撃作。

2008年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第38回アカデミー賞では、主演男優賞(ロッド・スタイガー)にノミネートされた。

ロッド・スタイガーは、第14回ベルリン国際映画祭で男優賞を、シドニー・ルメットは国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞を受賞した。

廃人のように見える、周囲を拒絶する男の苦しみが次第に理解できていくと共に、見る者がその主人公と同化していくような気持ちになるのだが、再び、それを振り払われるように終わるラストも衝撃的で、その主人公を演ずる、実力派ロッド・スタイガーの迫真の演技は秀逸だ。

主人公の心に足を踏み入れそうになるものの、それに至らない姿がもの悲しい、ソーシャル・ワーカーのジェラルディン・フィッツジェラルド、売春組織の元締めブロック・ピーターズ、質屋の修行を積む青年ハイメ・サンチェス、その恋人セルマ・オリヴァー、主人公の友人の妻マルケタ・キンブレル、主人公の金を狙う小悪党レイモンド・セント・ハケス、質入に来る馴染み客のフアノ・ヘルナンデス、ラジオを質入する青年役レニ・サントーニ、そして、街角の青年役でモーガン・フリーマンが端役で登場する。


スポンサードリンク
ウェブ・ムービー・シアター

ウェブ・ムービー・シアター