レイルウェイ The Railway Man (2013) 3.5/5 (2)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

鉄道愛好家である初老の男性が辛い戦争体験に苦しむ姿を描く、主演コリン・ファースニコール・キッドマンジェレミー・アーヴァインステラン・スカルスガルド真田広之他共演、監督ジョナサン・テプリツキーによる実録ドラマ。


ドラマ

ニコール・キッドマン / Nicole Kidman 作品一覧


スタッフ キャスト
監督:ジョナサン・テプリツキー
製作
クリス・ブラウン
ビル・カービシュリー
アンディ・パターソン
原作:エリック・ローマクスThe Railway Man
脚本
フランク・コットレル・ボイス
アンディ・パターソン
撮影:ギャリー・フィリップス
編集:マーティン・コナー
音楽:デヴィッド・ハーシュフェルダー

出演
エリック・ローマクスコリン・ファース
エリック・ローマクス(青年期):ジェレミー・アーヴァイン
パトリシア・ローマクス(旧姓ウォレス):ニコール・キッドマン
フィンレイ:ステラン・スカルスガルド
永瀬隆真田広之
永瀬隆(青年期):石田淡朗
フィンレイ(青年期):サム・リード
日本軍下士官:泉原豊

イギリス/オーストラリア 映画
配給
ライオンズゲート
ワインスタイン・カンパニー
2013年製作 116分
公開
イギリス:2014年1月10日
北米:2014年4月11日
日本:2014年4月19日
製作費 $18,000,000
北米興行収入 $4,435,080
世界 $22,320,890


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
1980年、イングランドベリック・アポン・ツイード、退役軍人クラブ。
時刻表を見ていたエリック・ローマクスコリン・ファース)は、戦友のフィンレイ(ステラン・スカルスガルド)から何をしているのかを尋ねられ、興味深い話だと思うと言って語り始める。
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エディンバラに行くため列車に乗ったローマクスは、カナダ人の看護師パトリシア・ウォレス(ニコール・キッドマン)と相席になる。

気難しそうなローマクスに話しかけたパトリシアは、鉄道愛好家であり以外にも気さくな彼と楽しい時を過ごす。
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乗り換えのため列車を降りた自分が恋に落ちたことを、ローマクスはフィンレイ達に話す。

興味を持ったフィンレから、今後どうするのかを訊かれたローマクスは、席を立ってその場を去る。

エディンバラウェイヴァリー駅
パトリシアがこの地を訪れると聞いていたために時刻表を見ていたローマクスは、列車が到着したために彼女を捜す。

現れたパトリシアに再会し、偶然だと言うローマクスは、到着した列車に乗ることを伝える。

終点だと言われたローマクスは、実は偶然ではないと伝えて、パトリシアを自宅に招く。

ローマクスとパトリシアは自然に愛し合うようになり、結婚する二人をフィンレイら戦友が祝福する。

美しいパトリシアと共に幸せを実感するローマクスだったが、亡霊のように、日本軍の憲兵隊員、永瀬隆石田淡朗)が現れる。

第二次大戦下、マレー半島の日本軍捕虜収容所に連行されたローマクスは、拷問を受けた部屋に入れられそうになり取り乱す・・・。

部屋の床に倒れてうずくまり、泣き叫ぶローマクスを見たパトリシアは驚く。

冷静になったローマクスは、海を見つめながら戦時下を思い出す。
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1942年2月15日、シンガポール
イギリス陸軍の通信兵だったローマクスジェレミー・アーヴァイン)は、上官である少佐から、極東軍司令官パーシバル中将が無条件降伏したことを知らされる。

無線機などを破壊する命令を受けたローマクスは、真空管が役に立つ可能性を考えて、それを外してその場を離れる。

フィンレイ(サム・リード)らと共に捕虜となったローマクスは、列車に乗せられて北に向かう。
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その後も奇行を繰り返すローマクスは、問題を話してほしいと言うパトリシアに、関係ないことには干渉しないようにと伝える。

ローマクスの行動が、戦争体験と関連していることを知ったパトリシアは、債権回収業者が現れたために動揺する。

カッターナイフを持って債権回収業者に襲い掛かったローマクスは、男達に取り押さえられる。

その後もローマクスが何も語らないため、退役軍人クラブを訪ねたパトリシアは、フィンレイと話をする。

ローマクスのことを話し相談したパトリシアは、夫が”シンガポール陥落”以後についてを決して語らないことをフィンレイに伝える。

鉄道愛好家のローマクスが、鉄道の話をしないことも気になるパトリシアは、長く看護師をして苦しむ人を多く見てきたため、原因が分かれば彼を救えると考えていた。

当事者兵士の苦しみは理解できないと言って、干渉するべきではないと忠告するフィンレイだったが、パトリシアは納得しない。

仕方なく話し始めたフィンレイは、終戦で帰国したローマクスアフリカの植民地でダム建造などの仕事に従事し、その後、この場に来ても何も語らず人を避け、国内を回り鉄道に関するものを収集していたことをパトリシアに伝える。
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水も食料も与えられないまま、ある場所で列車から降ろされたローマクスらは、密林を歩き奥地に向い強制労働をさせられることになる。

脱走なども考える仲間達に、マレー半島の北部まで来ているはずなので、イギリスが果たせなかった鉄道建設を、日本軍が兵士の捕虜を使って行おうとしている可能性を指摘する(泰緬鉄道)。

自分達は兵士であり奴隷ではないと言うフィンレイは、現場の者達の役に立つべきだと主張し、ラジを作ることを提案する。

日本兵の目を盗み部品を集め始めたローマクスは、上官の少佐が作業していることに気づき声をかけるものの、彼は何も答えなかった。

クウェー川”(クワイ川)沿いに走る鉄道の地図を書いたローマクスは、それを隠す。

トラックの修理を装い、そのバッテリーを使い、組み立てたラジオをフィンレイと共に作動させたローマクスは、北アフリカ連合軍が優勢に立ち、枢軸軍が撤退し始めたという”BBC”放送を聴く。

その後も情報を得たローマクスは、ドイツ軍が敗退していることを少佐に話し、それが兵士達に伝わり彼らに希望を与える。

しかし、ラジオは日本兵に見つかってしまい、疑われた4人の内の一人が痛めつけられる。

首謀者として名乗り出たローマクスは、フィンレイや仲間達の前で徹底的に痛めつけられる。
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ローマクスがそれを自分に話さない理由が理解できないパトリシアは、彼の苦しみは想像できないと言うフィンレイに、詳しく知りたいことを伝える。
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現れた憲兵隊永瀬は、ローマクスに有罪を告げて、真実を話せば死は免れると言って彼を収容所に連行する。
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2週間、戻らなかったローマクスが、その場で受けたことは決して話さないはずだとフィンレイに言われたパトリシアは、それを彼に聞いてみようとする。

思うようにはいかないパトリシアは、自分もローマクスの力になることができなかったと言うフィンレイから、彼にとって最も”危険”な資料を見せる。

ローマクスを連行した、憲兵隊永瀬が生きていることをパトリシアに伝えたフィンレイは、ローマクスに裁きを下す機会を与えるべきだと言って、彼女にそれを支えることを約束させる。

その件をローマクスに知らせたフィンレイは、永瀬が拷問の場所や鉄道を観光客に見せながら、現地で生活していることを話す。

会いに行き、不意を突いて復讐するようフィンレイに言われたローマクスは、常にそれを考えて生きてきたが、自分の全てであるパトリシアのことを考えると、手を下す気になれないと伝える。

戦うことを誓ったと言って説得したフィンレイは、憲兵隊に何をされたのかをローマクスに問う。

帰ってほしいと言われたフィンレイは、自分のために片を付けてもらいたいと頼む。

何も答えないローマクスは、パトリシアと共にフィンレイを駅まで送る。

返事をしてくれなかったローマクスに、無視できない方法でメッセージを送るとパトリシアに伝えたフィンレイは、列車でその場を去る。

ウォーミンスター駅に着いたフィンレイは、線路の上の歩道橋で首吊り自殺をする。

その連絡を受けたパトリシアは、フィンレイの死をローマクスに知らせて、同じことを考えているかを確かめる。

密かにフィンレイと話していたせいだと言うローマクスは、思い道理になっただろうとパトリシアに伝える。

パトリシアも参列したフィンレイの葬儀にも出席しなかったローマクスは、独り旅立つ。

タイ
観光案内をする永瀬真田広之)が、観光客を連れて憲兵隊の戦争博物館に向かう姿を見つめるローマクスは、その後を追う。

永瀬に声をかけられ閉館だと言われたローマクスは、自分が分からないのかと伝える。

相手がローマクスだと気づいた永瀬は、戦時中の話をし始める。
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自分達の敵に情報を流すため、無線機を作ったと考える永瀬は、ひどい目に遭わせると言って、地図を描いた理由をローマクスに追及する。

鉄道の地図であり、自分が愛好家だと答えるローマクスの話を理解しない永瀬は、同盟国のために無線機で情報を送っていたと決めつける。

作ったのは受信機であり、送信機能はないと言うローマクスは、信じてもらえないため、それならばマイクはどこにあるのかと尋ねる。

故郷のことを知るためにラジをを聴いただけだと言うローマクスに対し、納得しない下士官(泉原豊)は拷問を続ける。
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終戦時のことを話し始めたローマクスは、降伏した戦争犯罪者は絞首刑のはずだと尋ねるが、永瀬は、戦犯ではなく単なる通訳だと答える。

憲兵隊だと言って言葉を遮るローマクスは、どうして生き延びたのかを永瀬に尋ねる。
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ローマクスらは友軍により解放され、捕えられた日本兵はバンコクで戦犯行為の取り調べを受けることになる。

それを逃れようとした永瀬は、通訳である自分は拷問などには加わらず、憲兵隊でないことをイギリス兵士官に伝えて見逃される。
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通訳が必要だったと言う永瀬は、その後、鉄道を調べるためにイギリス軍に協力し、多くの死体を確認して埋葬したことをローマクスに話す。

行われた行為が殺人だったと認めた永瀬は、それを語り継ぐために巡礼をしているとローマクスに伝える。

和解のために力を尽くすと言う永瀬は、戦争の悲劇を忘れさせないためだと言うが、ローマクスは、悲劇ではなく”犯罪”だと言い切る。

腕を折る台をテーブルに置いたローマクスは、覚悟を決めてそれに乗せた永瀬の腕を殴ることができなかった。

怒りが収まらないローマクスは、永瀬にナイフを向けて外に引きずり出し、竹の檻に閉じ込める。

ホースと水の入ったバケツを用意したローマクスは、施設の奥にある拷問室に向い、自分が受けた仕打ちを思い出す。
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死よりも辛い水責めの拷問を受けたローマクスは、”母”と叫びながら助けを求める。

耐え切れなくなったローマクスは、日本の本土がアメリカに占領されたことをラジオで聴いたと話し、家族が苦しんでいると伝える。

それを信じない永瀬は、正確な情報を得られないために上官に殴られる。
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永瀬の元に戻ったローマクスは、母親の死を知らずに、戦争の間、手紙を書き続けていたことを話す。

人々に何を伝える気なのかを永瀬に尋ねたローマクスは、拷問の話などはしないと言われ、自分達も同じ考えだったのは、誰も信じようとしないからだと伝える。

降伏した場合は、生き恥をさらすよりも死を選ぶと言っていたにも拘らず、そうしなかった理由をローマクス永瀬に尋ねる。

勝利を確信するという軍部の話しが嘘だったからだと、ローマクス永瀬に言われる。

自分達も騙され、ローマクスの語ったことは正しかったと言う永瀬は、何をされようとも耐え抜くことが命より大切だと示してくれたと伝える。

捕虜だった友人のフィンレイが、全てを終らせるために、永瀬の命を自分に預けたと伝えたローマクスは、この日のために自分達は生きていたと永瀬に言われる。

終わらせてほしいと永瀬に言われたローマクスは、ナイフを手にする。

帰国してパトリシアの元に戻ったローマクスは、彼女との愛を確かめる。

フィンレイのこともあり恐れていたと言われたローマクスは、自分には君がいるとパトリシアに伝える。

その後ローマクスは、永瀬を解放して、ナイフを鉄橋の上から川に捨てたことを考える。

永瀬からの謝罪の手紙を受け取ったローマクスは、終戦後の長い間、彼が苦しみ続けたことを知る。

もう一度タイに向かうことを決めたローマクスは、同行してほしいことをパトリシアに伝える。

現地に到着し、パトリシアと共に”ヘルファイアー・パス”向かったローマクスは、現れた永瀬に歩み寄る。

深々と頭を下げた永瀬ローマクスに謝罪し、あのような思いは二度としたくないと伝える。

自分も同じだと伝えたローマクスは、和解の手紙を永瀬に渡す。

カンチャナブリ”で起きたことは忘れられないが、自分は心から赦すというローマクスの気持ちを知った永瀬は泣き崩れる。
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エリック・ローマクス永瀬隆は、その後よき友となり、2011年に永瀬が亡くなるまで親交は続いた。

2012年10月、エリック・ローマクスは93歳で世を去り、彼にはパトリシアが常に寄り添っていた。


解説 評価 感想
1995年に発表された、エリック・ローマクスの自伝的小説”The Railway Man”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)
1980年。
鉄道愛好家の退役軍人エリック・ローマクスは、美しい女性パトリシアに出会い、愛し合うようになった二人は結婚する。
第二次大戦中、ビルマで日本兵の捕虜になり拷問を受けた辛い経験を心に秘めていたローマクスは、その際に通訳を務めた憲兵隊員の永瀬が、亡霊のように現れることに未だに苦しんでいた。
ローマクスの奇行が続くため、戦友のフィンレイに相談したパトリシアは、その永瀬タイで生きていることを知らされる。
それをローマクスに伝えたフィンレイは、共に苦しむ彼が復讐に躊躇するため、自ら命を絶ち自分の気持ちを伝える。
タイに向かう決心をしたローマクスは、現地で観光客相手にガイドをしている永瀬と、かつて拷問を受けた場所で対面するのだが・・・。
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終戦後、数十年間、その辛い体験と共に生きてきた人物エリック・ローマクスの自伝的小説を原作にしたドラマ。

兵士として、心の傷を癒すことが復讐しかないと考える友人の死によるメッセージを胸に、かつての敵兵の元に向かった主人公が、いかにして、その相手と和解して生涯の友になるかを描く奥深い物語でもある。

また、不安定な心理状態の夫を支える妻の献身的な行動が、その後の彼の人生に幸福を与えたことも重視して描かれている。

コリン・ファースニコール・キッドマンというオスカー受賞者に加え、若手期待のジェレミー・アーヴァイン、そしてベテランのステラン・スカルスガルドら、豪華キャストも見逃せない。

日本の代表者として国を背負っているような雰囲気の真田広之は重要な役で登場するが、世界の実力者に比べると、やはり演技が固い。

デヴィッド・リーンの名作「戦場にかける橋」(1957)でも登場する泰緬鉄道の建設が戦時の舞台となるのだが、同作を意識させたいがためのセリフなどがやや気になる。

心に傷を負う退役軍人エリック・ローマクスを、その表情や仕草などを含め、流石に深い演技で見事に演ずるコリン・ファース、主人公を献身的に支える、美しさが際立つニコール・キッドマン、主人公の青年期ジェレミー・アーヴァイン、主人公と共に苦しむ戦友のステラン・スカルスガルド(青年期:サム・リード)、憲兵隊の通訳永瀬隆役の真田広之、その青年期石田淡朗、日本軍下士官の泉原豊などが共演している。


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