赤い靴 The Red Shoes (1948) 5/5 (10)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1845年に発表された、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話”赤い靴”を基に製作された作品。
最高のダンサーを目指す女性が、才能ある作曲家とプロデューサーと共に歩む運命を描く、製作、監督、脚本マイケル・パウエルエメリック・プレスバーガー、主演モイラ・シアラーマリウス・ゴーリングアントン・ウォルブルック他共演による傑作ドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督
マイケル・パウエル

エメリック・プレスバーガー
製作
マイケル・パウエル

エメリック・プレスバーガー
原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン赤い靴
脚本
マイケル・パウエル

エメリック・プレスバーガー
撮影:ジャック・カーディフ
編集:レジナルド・ミルズ
美術・装置
ハイン・ヘックロス

アーサー・ローレンス
音楽:ブライアン・イースデイル

出演
ヴィクトリア”ヴィッキー”ペイジ:モイラ・シアラー

ジュリアン・クラスター:マリウス・ゴーリング
ボリス・レルモントフ:アントン・ウォルブルック
イワン・ボレスラウスキー:ロバート・ヘルプマン
セルゲイ・ラトフ:アルバート・バッサーマン
グリシャ・リュボフ:レオニード・マシーン
イリーナ・ボロンスカヤ:リュドミラ・チェリーナ
リヴィングストン”リヴィー”モンターニュ:エスモンド・ナイト
ネストン夫人:イレーネ・ブラウン
パルマー教授:オースティン・トレヴァー

イギリス 映画
配給
General Film Distributors

Eagle-Lion Films
1948年製作 133分
公開
イギリス:1948年9月6日
北米:1948年10月22日
日本:1950年3月14日
製作費 £500,000
北米興行収入 $5,000,000


アカデミー賞 ■

第21回アカデミー賞
・受賞
美術(カラー)・音楽賞(ドラマ・コメディ)
・ノミネート
作品・原案・編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ロンドン
レルモントフ・バレエ団の公演会場で席に着いた学生のジュリアン・クラスター(マリウス・ゴーリング)は、恩師であるパルマー教授(オースティン・トレヴァー)の曲を聴くのが目的だった。

リヴィングストン”リヴィー”モンターニュ(エスモンド・ナイト)の指揮で演奏が始まり、ジュリアンはそれが自分の曲だと気づき驚く。

無名のダンサー、ヴィクトリア”ヴィッキー”ペイジ(モイラ・シアラー)は、幕が開き始まったバレエに見入る。

ジュリアンは、曲の途中で席を立ってしまう。

ヴィッキーのおばネストン夫人(イレーネ・ブラウン)はパーティーを催し、パルマーとバレエ団のオーナー、ボリス・レルモントフ(アントン・ウォルブルック)を招待し、姪ヴィッキーを紹介しようとする。

しかし、バレエを”信仰”と考えるレルモントフは、その場の雰囲気を嫌い席を外す。

テーブル・バーにいたレルモントフに近づいたヴィッキーは声をかけられ、下手な踊りで気分を害したくないと言う彼に、それは自分のことだと答える。

レルモントフは謝罪するが、パーティーに招かれたのであって、オーディションをする気はないことをヴィッキーに伝える。

ヴィッキーが気に入っレルモントフは、彼女を誘い話をする。

翌日、レルモントフの部屋を訪ねたジュリアンは、愚かな内容の手紙を出してしまったと言って、その返却を求める。

既にそれを読んだと言うレルモントフは、ジュリアンがパルマー教授の教え子だということを確認して、何か曲を弾くように指示する。

演奏をして帰ろうとしたジュリアンは、レルモントフからオーケストラのコーチを必要としていると言われる。

それを喜んだジュリアンは、手紙のことは忘れべきであり、盗んだ者の方が傷つくと言って忠告する。

その後、劇場に向かったジュリアンは入り口で引き止められるが、プリマドンナのイリーナ・ボロンスカヤ(リュドミラ・チェリーナ)の口添えで入ることができる。

ジュリアンはステージに向い、誰に会っていいのか分からないまま困惑する。

そこに遅刻してきイリーナが現れたため、振付師兼ダンサーのグリシャ・リュボフ(レオニード・マシーン)は、皮肉を言って彼女を痛烈に非難する。

イリーナは、いつものことであるリュボフの態度を気にしない。

リュボフは、レルモントフに呼ばれたヴィッキーにも小言を言ってレッスンを始める。

舞台装置担当セルゲイ・ラトフ(アルバート・バッサーマン)から、リハーサル終了を待つよう指示されたヴィッキーは、ステージに上がったレルモントフに声をかけるものの相手にされない。

その後、ヴィッキーはリュボフのレッスンを受け、ジュリアンはリヴィーを補助して副指揮者になる。

リヴィーは、熱心さの余り必要以上に楽団を招集するジュリアンを批判する。

レルモントフはヴィッキーに踊るチャンスを与え、パリ公演にも彼女を同行させる。

パリ
公演を前に、イリーナが突然、結婚を発表し、ラトフやダンサーのイワン・ボレスラウスキー(ロバート・ヘルプマン)らに祝福される。

しかしレルモントフは、結婚するプリマドンナを良く思わない。

ジュリアンを呼んだレルモントフは、今の仕事に満足していない様子の彼に、温めていた企画であるアンデルセンの童話”赤い靴”をテーマにした編曲を任せる。

その日の公演で、イリーナは素晴らしいパフォーマンスを披露するが、レルモントフは、結婚とダンサーの両立は不可能だと判断し彼女を見限る。

その後バレエ団はモンテカルロに向かうことになり、レルモントフはイリーナを解雇する。

モンテカルロ
レルモントフはヴィッキーを呼び、ラトフやリュボフ、リヴィーらを前に、新作バレエの主役を任せることを伝える。

それをヴィッキーから知らされたジュリアンは、新作が”赤い靴”だと気づき、手直しができていないことをレルモントフに伝える。

全てを任せるとレルモントフ言われたジュリアンは、張り切ってその場を去る。

公演までの2週間、厳しいリハーサルが始まったヴィッキーは、食事まで管理される。

最終リハーサルが始まり、妥協を許さないジュリアンはヴィッキーに厳しい要求をする。

初日の開演が迫り、緊張するジュリアンは、リヴィーに傑作だと言われて送り出される。

ヴィッキーも、音楽を信じて踊るようにとレルモントフに励まされる。

ジュリアンの演奏のみで、既に大成功の予感を感じさせる。

幕が開きバレエが始まり、ヴィッキーは見事な踊りで観客を魅了し大喝采を受ける。

”赤い靴”は各方面で絶賛され、ヴィッキーの可能性を信じていたレルモントフは彼女を誇りに思う。

レルモントフは、ローマウィーン、アメリカ巡業、そして翌年はロンドンに戻り、各演目の主役として踊ればいいとだけヴィッキーに語る。

その後レルモントフは、”風変わりな店”、”コッペリア”、”レ・シルフィード”などの公演も成功させる。

そんな中、リュボフの誕生パーティーで、ヴィッキーとジュリアンの姿が見えないことに気づいたレルモントフは、二人が恋に落ちたことを知り戸惑う。

その後の舞台で、明らかに踊りに集中していないヴィッキーの様子を気にしたレルモントフはジュリアンを呼ぶ。

レルモントフは、ヴィッキーの可能性を潰す恋愛を認めず、愛し合っているというジュリアンの言葉を遮り彼を解雇する。

新作のチェックをするリュボフは、ジュリアンを解雇して作品をボツにしたと言うレルモントフを非難し退団することを伝えるが、引き止められなかった。

レルモントフの様子を見に行ったラトフは、辞めてほしくないと考えて、後悔しているようだとリュボフに伝える。

ジュリアンへの考えは変わらないようだと話すラトフは、翌日になれば気が変わると言うリュボフに、今晩パリに立つためその可能性はないと付け加える。

出発する列車に現れたレルモントフは、待っていたヴィッキーと車内に向い、なぜジュリアンと仲違いしたのかを問われる。

自分の計画を崩したと言うレルモントフに対し、踊るだけの人生を望んでいるわけでなく、ジュリアンと共に自分も辞めるとヴィッキーは答える。

他のバレエ団で踊ると言うヴィッキーは、自分だけが最高のダンサーにできるというレルモントフの言葉には同意する。

意義あることだとは認めたヴィッキーだったが、考えは変わらない。

握手を求めるヴィッキーに応じないレルモントフは、追い払うように彼女を列車から降ろす。

ジュリアンは、ヴィッキーが戻ったため喜ぶ。

パリ
レルモントフは、ヴィッキーとジュリアンが結婚したことを知り怒りを抑えられなくなり、街に滞在するイリーナに会うきっかけを探る。

不安はあったものの、レルモントフはイリーナを復帰させてまずまずの成功を収める。

モンテカルロ
レルモントフは、リュボフに届いたヴィッキーからの手紙を読み、彼女とジュリアンの生活を知る。

ヴィッキーへの手紙を書こうとしたレルモントフは、ネストン夫人が到着しヴィッキーも来週には合流することを知り、書き始めた手紙を破り捨てる。

ヴィッキーに再会したレルモントフは、あまり踊っていないと言う彼女の気持ちを察し、新たに生まれ変わる”赤い靴”を踊るよう促す。

ロンドンからのBBC放送を聴くヴィッキーは、新作公演前にジュリアンが倒れたことを知る。

しかし、ジュリアンはレルモントフの考えに同意したヴィッキーの前に現れ、パリに向かうよう彼女を説得する。

そこにレルモントフが現れ、ヴィッキーに捨てられたと言ってジュリアンを追い払おうとする。

それを否定するヴィッキーにレルモントフは、結婚とダンスは両立できないと語る。

ジュリアンにはヴィッキーの才能を生かし、頂点を極めさせる力量がないと言い切るレルモントフは、それが違った意味で”嫉妬”でもあると付け加える。

ヴィッキーはジュリアンへの愛は伝えるものの混乱し、レルモントフは、彼と行くならば二度と戻るなと伝える。

何も答えられないヴィッキーが、”赤い靴”を選んだことを察したジュリアンは、彼女に別れを告げてその場を去る。

レルモントフは、悲しみはいずれ去り、生きる道は一つしかないと言って、最高の踊りを披露するようヴィッキーを励まし、彼女をステージに向かわせる。

しかし、放心状態に近いヴィッキーは劇場から走り去り、彼女に気づいたジュリアンの前で汽車に身を投げてしまう。

リヴィーは演奏を終えて幕が開くのを待つが、現れたのはレルモントフだった。

レルモントフは、ヴィッキーが今夜、踊れなくなり、今後も踊ることはないと伝える。

観客に謝罪したレルモントフは、ヴィッキーが登場しないまま”赤い靴”を上演する。

線路に横たわる瀕死のヴィッキーは、ジュリアンに赤い靴を脱がせてもらう。

そして、劇場では”赤い靴”の上演が続き、レルモントフはそれを呆然と見つめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ロンドン
バレリーナとして成功することを夢見るヴィクトリア”ヴィッキー”ペイジは、バレエ団のオーナー、レルモントフに気に入られる。
作曲家のジュリアンも副指揮者として招かれ、積極的な活動を続ける。
パリ公演を前に、プリマドンナのイリーナが結婚を発表し、ダンサーとの両立が不可能であると判断したレルモントフは彼女を解雇する。
ジュリアンを呼んだレルモントフは、今の仕事に満足していない様子の彼に、温めていた企画であるアンデルセンの童話”赤い靴”をテーマにした編曲を任せる。
その後バレエ団はモンテカルロに向い、レルモントフは、新作”赤い靴”の主役をヴィッキーに任せる。
それを知ったジュリアンも、全精力を傾けて作曲に取り組み、ヴィッキーと共に”赤い靴”を成功させるのだが・・・。
__________

イギリス映画界に多大な功績を残したマイケル・パウエルエメリック・プレスバーガーのコンビにより製作された作品。
ハンス・クリスチャン・アンデルセンの童話”赤い靴”を題材にしてエメリック・プレスバーガーが原案を書き下ろした、世界映画史上に残る名作と言っていい作品。

戦後間もない時代に、考えられる最高の英知を結集した、マイケル・パウエルエメリック・プレスバーガーのプロデューサーとしての手腕には驚くばかりだ。

作品全体が正に”芸術”であり、ジャック・カーディフによる撮影とその色彩感覚、役者の演技、バレエのパフォーマンス、舞台装置や美しいロケーションなど、あらゆる映像が見逃せない作品とはこのことではないだろうか。

バレエ・シーンは度々登場するが、中盤の15分間にも及ぶ”赤い靴”の優美なパフォーマンスは圧巻だ。

第21回アカデミー賞では、美術(カラー)、音楽賞(ドラマ・コメディ)を受賞し、作品、原案、編集賞にノミネートされた。

バレエの世界、その分野のプロが集結して演ずる役柄も注目で、頂点を目指し悲劇のヒロインで終わる、美しい若きダンサーのモイラ・シアラー、彼女と恋に落ち幸せの絶頂から苦悩する身となるマリウス・ゴーリング、ストイックなまでにバレエと才能を育てることに執着するプロデューサーを好演するアントン・ウォルブルック、ダンサーで振付師でもある、ドラマの役でもそれを生かすロバート・ヘルプマン、これが遺作となる名優で、舞台装置の担当者を演ずるアルバート・バッサーマン、ダンサーで振付師としてドラマでも同じ役を演ずるレオニード・マシーン、プリマドンナのリュドミラ・チェリーナ、指揮者エスモンド・ナイト、ヒロインのおばイレーネ・ブラウン、大学の音楽教授オースティン・トレヴァーなどが共演している。


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