ゼア・ウィル・ビー・ブラッド There Will Be Blood (2007) 3.5/5 (2)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1927年に発表された、アプトン・シンクレアの小説”Oil!”(石油!)の映画化。
まとまった金を手にしてあらゆる人間から遠ざかるのが夢だという、はみ出し者の野心家の成功と挫折の半生を描いた、製作、監督、脚本は注目のポール・トーマス・アンダーソン、主演ダニエル・デイ=ルイスポール・ダノケヴィン・J・オコナーキアラン・ハインズ共演の大河ドラマ。


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■

監督:ポール・トーマス・アンダーソン
製作
ジョアン・セラー

ポール・トーマス・アンダーソン
ダニエル・ルピ
製作総指揮
スコット・ルーディン

エリック・シュローサー
原作:アプトン・シンクレア
脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
撮影:ロバート・エルスウィット
編集:ディラン・ティチェナー
美術・装置
ジャック・フィスク

ジム・エリクソン
音楽:ジョニー・グリーンウッド

出演
ダニエル・デイ=ルイス:ダニエル・プレインヴュー
ポール・ダノ:ポール/イーライ・サンデー
ケヴィン・J・オコナー:ヘンリー・ブランド
キアラン・ハインズ:フレッチャー・ハミルトン
ディロン・フリーシャー:H・W・プレインヴュー
ラッセル・ハーヴァード:H・W(成人)

アメリカ 映画
配給
Paramount Vantage
ミラマックス

2007年製作 158分
公開
北米:2007年12月26日
日本:2008年4月26日
制作費 $25,000,000
北米興行収入 $40,218,903
世界 $76,181,545


アカデミー賞 ■

第80回アカデミー賞
・受賞
主演男優(ダニエル・デイ=ルイス)
撮影賞
・ノミネート
作品・監督・脚色・編集・美術・音響編集賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1898年、ニューメキシコ州
山師ダニエル・プレインヴュー(ダニエル・デイ=ルイス)は、単独で金を、そして1902年には石油を掘り当てる。

1911年。
石油採掘の交渉に向かうプレインヴューは、その場に必ず息子のH・W(ディロン・フリーシャー)を伴い、強引且つ迅速な作業を売り物に次々と採掘権を手に入れていく。

ある日、ポール・サンデー(ポール・ダノ)という青年が現れ、カリフォルニアの小さな町リトル・ボストンに、石油が眠っているという情報をプレインヴューに売ろうとする。

プレインヴューとH・Wは、早速その土地を訪ね、ウズラ狩りを装い周辺の土地の調査を始める。

その土地に石油があることを確認したプレインヴューは、土地を買い叩こうととするが、ポールの双子の弟イーライ(ポール・ダノ)が横槍を入れる。

プレインヴューは、仕方なく試掘をして、石油が出た場合には、”第3の啓示教会”の牧師であるイーライに5000ドル寄付することを約束する。

そこが、石油の眠る宝の土地だということをプレインヴューは確信し、イーライの土地の周辺の地主を調べ上げ、全てを手に入れようとする。

仕事仲間のフレッチャー・ハミルトン(キアラン・ハインズ)らを呼び寄せたプレインヴューは、油井とやぐらを建設して作業を開始する。

スピリチュアル・ヒーリングを取り入れる、カリスマ牧師でもあるイーライは、プレインヴューに教会に通うよう助言する。

しかし、そんな暇のないプレインヴューは、イーライの布教をショー程度にしか思っていなかった。

そんなある日、油井から石油が噴出するが、そのショックで吹き飛ばされたH・Wは聴力を失い、油井は炎上して、やぐらは崩れ落ちてしまう。

金を要求するイーライにプレインヴューは、”聖霊の宿主”で治癒師であるにも拘らず、H・Wを治せないのかと、彼を責め殴り倒す。

イーライは、”第3の啓示教会”に5000ドル支払う義務があることを主張するが、プレインヴューの気持ちは収まらなかった。

そんな時、プレインヴューの弟だという、ヘンリー・ブランド(ケヴィン・J・オコナー)が現れる。

ヘンリーを不審に思ったプレインヴューだったが、彼一人では手に負えない仕事の助手として一応は歓迎する。

聴力が回復せず、心を閉ざすH・Wは精神的に不安定になり、家に火を放ってしまう。

プレインヴューは、自分の手に負えなくなったH・Wを、遠方のサンフランシスコに送り、ヘンリーを助手にして仕事に励む。

スタンダード・オイルからの、100万ドルの土地買収提案を蹴ったプレインヴューは、ユニオン・オイルとの有利な契約に署名する。

しかしプレインヴューは、兄弟なら知っているはずのことを知らなかったヘンリーが、弟でないことに気づき彼に脅しをかける。

ヘンリーが詐欺師で、結核で死んだプレインヴューの弟の友人だということを白状させる。

プレインヴューは激怒し、ヘンリーを射殺して埋葬する。

パイプラインを通したい土地の地主から、第3の啓示教会で洗礼を受け信徒になれと言われ、さらにヘンリー殺害を知っているような素振りを見せられたプレインヴューは仕方なく教会を訪れる。

そしてプレインヴューは、イーライから息子を見捨てた罪を許され、彼の信徒の仲間入りをして、パイプラインを引くことに成功する。

プレインヴューは、H・Wを呼び戻して手話を習わせ、同じ頃、イーライは布教活動のため町を旅立つ。

1927年。
成人したH・W(ラッセル・ハーヴァード)は、イーライの妹と結婚し、未だに手話を理解しようとしないプレインヴューに別れを告げ、独立して自分で油井を掘る決心をする。

大豪邸に一人で住み、酒に溺れているプレインヴューは、H・Wの独立を歓迎せず、商売上利用した孤児だったとまで言い放ち、息子を突き放し彼も父を見限ってしまう。

親戚となったイーライが、堕落したプレインヴューを訪ね、彼が唯一所有していない土地の地主が亡くなり、俳優になりたがっている孫と契約して試掘を始めるよう提案する。

プレインヴューはイーライに、”偽預言者”だと叫ぶことを強要し、既にその土地の石油は、周辺の土地から吸い上げたことを伝える。

イーライは、大恐慌による安易な投資の失敗を告白して泣きつく。

しかし、プレインヴューは、自分に石油の情報を売りに来て1万ドルを手にし、今では3本の油井を持ち、週5000ドルを稼ぐ、イーライの兄のポールを神が選んだのだと彼を罵倒する。

取り乱したイーライを、執拗に責めるプレインヴューは、屋敷内のボーリング場のピンで、彼を殴り倒して殺害する。

そして、現れた執事の呼びかけに、プレインヴューは答える。

”私は終わりだ・・・”


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1911年。
石油採掘業者ダニエル・プレインヴューは、息子のH・Wを伴い、強引且つ迅速な作業を売り物に、次々と採掘権を手に入れいた。
ある日、ポールという青年がプレインヴューを訪ね、カリフォルニアの小さな町に、石油が眠っているという情報をに売ろうとする。
その土地をH・Wと視察したプレインヴューは、石油があることを確信して買い叩こうとするが、ポールの双子の弟イーライに横槍を入れられる。
試掘をして石油が出た場合、”第3の啓示教会”の牧師であるイーライに、5000ドルを寄付することを約束したプレインヴューは、周辺の土地も全て手に入れようとする。
やがて、その土地から石油を掘り出すことに成功したプレインヴューだったが、H・Wは事故で聴力を失い、約束通り金を要求してきたイーライとの対立が激しくなる・・・。
____________

主人公のキャラクターの印象から、重苦しいドラマを想像するが、ストーリーは単純明快で解り易く見応えがあり、2時間40分の長編も全く飽きることなく観れる作品。

第80回アカデミー賞では、作品賞以下8部門にノミネートされ、主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)と撮影賞を受賞した。
・ノミネート
作品・監督・脚色・編集・美術・音響編集賞

強烈なインパクトで他を圧倒する主人公の生き様を、繊細且つ大胆に描いたポール・トーマス・アンダーソンの演出手腕は光る。

主人公の強靭な意志と、特異な性格を象徴するような油井の爆破炎上シーンなど、アカデミー賞を受賞したロバート・エルスウィットの撮影も素晴らしい。

ジョニー・グリーンウッドの音楽は力強く、また、サスペンス作品のようなナンバーも興味深い。

欲望と野心、唯一の肉親である息子への愛情と二度にわたる裏切り、人間味を感じさせる一方で見せる非情さなど、たった一人で何人分もの人物を演じたかのような、ダニエル・デイ=ルイスの重厚な演技は秀逸だ。

リトル・ミス・サンシャイン」(2006)の沈黙を守る少年から一転、カリスマ牧師を熱演したポール・ダノ、詐欺師がバレて主人公に殺されるケヴィン・J・オコナー、彼にしては小さな役柄が残念なキアラン・ハインズ、主人公の息子を好演したディロン・フリーシャーなどが共演している。


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