セイント The Saint (1997) 3.56/5 (32)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1928年にレスリー・チャータリスによって創作されたキャラクター、怪盗”サイモン・テンプラー”が活躍するシリーズを基に映画化された作品。
孤児院で育ち成長して国際指名手配犯となった怪盗の活躍を描く、監督フィリップ・ノイス、主演ヴァル・キルマーエリザベス・シューラデ・シェルベッジア他共演のサスペンス。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト
監督:フィリップ・ノイス
製作
デヴィッド・ブラウン

ロバート・エヴァンス
ウィリアム・J・マクドナルド
メイス・ニューフェルド
原作:レスリー・チャータリス
脚本
ジョナサン・ヘンズリー

ウェズリー・ストリック
撮影:フィル・メヒュー
編集:テリー・ローリングス
音楽:グレーム・レヴェル

出演
ヴァル・キルマー:サイモン・テンプラー
エリザベス・シュー:エマ・ラッセル博士
ラデ・シェルベッジア:イワン・ペトロヴィッチ・トレティアック
ヴァレリー・ニコラエフ:イリヤ・トレティアック
ヘンリー・グッドマン:レヴ・ナウモビッチ・ボトヴィン博士
マイケル・バーン:ユーリ・ヴェレシャギン
アラン・アームストロング:ティール警部
シャルロッテ・コーンウェル:ラビヌー警部
エフゲニー・ラザレフ:カルポフ大統領
イリーナ・アペジモワ:アレスカ”フランキー”フランケーヴィッチ
トミー・フラナガン:スカーフェイス
ロジャー・ムーア:ラジオ・アナウンサー(声)

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1997年製作 114分
公開
北米:1997年4月4日
日本:1997年6月28日
製作費 $70,000,000
北米興行収入 $61,363,300
世界 $169,500,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
極東、セント・イグナチウス孤児院。
強情だが手先の器用な少年ジョン・ロッシは、自分の無謀な行動により初恋の少女アグネスを死なせてしまう。

心に傷を負いながら成長したジョンは、サイモン・テンプラー(ヴァル・キルマー)と名乗るようになる。

サイモンは、子供の頃からの才能を生かし、巧みな手法と変装で国際指名手配される強盗になっていた。

モスクワ
反政府の指導者でロシア帝国を再興させようとする、石油王イワン・ペトロヴィッチ・トレティアック(ラデ・シェルベッジア)のオフィスに侵入したサイモンは、金庫からマイクロチップを盗み出す。

しかし、トレティアックの息子イリヤ(ヴァレリー・ニコラエフ)に見つかったサイモンは格闘となる。

隙を見てその場から逃れたサイモンは、屋上でイリヤに追い詰められるものの、地上のトラックの荷台に用意したクッションに落下する。

ホームレスに扮して”赤の広場”に向かったサイモンは、その後、観光客に変装して逃亡する。

マイクロチップを宝石に隠し、飛行機の機内で知り合った女性に渡したサイモンは、スコットランド・ヤードのティール警部(アラン・アームストロング)とラビヌー警部(シャルロッテ・コーンウェル)が空港で監視する中、難なくイギリスに入国する。

女性と愛し合い、彼女が眠っている隙に宝石の中のマイクロチップを取り出したサイモンはアパートに戻る。

マイクロチップを依頼人に渡し、スイスの銀行に報酬が入金されることを確認したサイモンは、5000万ドル貯めて足を洗い姿を消すことを考えるが、まだ不足だった。

新たな仕事の依頼を受けたサイモンンは、ベルリンに向かう。

テンペルホーフ空港
変装したサイモンは、請負人の代理だと言って再びトレティアック親子に接触する。

相手がマイクロチップを盗んだ男だと気づいたイリヤだったが、それを気にしないトレティアックはサイモンと話しをする。

低温核融合の理論を完成させた、オックスフォード大学のアメリカ人科学者のエマ・ラッセル博士(エリザベス・シュー)の方程式を盗み出すことを、サイモンはトレティアックから依頼される。

300万ドルをスイスの銀行に振り込むことをトレティアックに約束させたサイモンは、請負人に聞いてみると言って席を外す。

隣の席の女性と話したサイモンは、仕事を請け負うと言ってトレティアックに口座番号を渡してその場を去る。

愉快な男だと言うトレティアックに、殺すのが惜しいとイリヤは伝える。

イギリスオックスフォード
冴えない男に扮してエマに接触し、学生達と共に理論を聞いたサイモンは、彼女のアパートに侵入する。

部屋の様子や所有物などからエマの心を読んだサイモンは、”シェリーの像”に心惹かれる彼女に相応しい変装相手を考える。

シェリー・メモリアル
聖人”トマス・モア”が理想だと考えたサイモンは、放浪する青年に扮して、”シェリーの像”を見に来たエマに声をかけ、簡単な会話を交わしてその場を去る。

サイモンが忘れたノートを持ってパブに向かったエマは、その場で彼と再会する。

意気投合した二人は話し込み、エマは低温核融合の理論を完成させたことを話す。

エマに惹かれてしまったサイモンは戸惑い、席を立ち店を出る。

路上に座り込み額をナイフで傷つけたサイモンは、追って来た彼女のアパートで手当てを受ける。

エマを騙す気になれなくなったサイモンだったが、トレティアックに連絡して報酬を2倍に吊り上げる。

その後、エマとベッドに入ったサイモンは、報酬は支払うが裏切ればエマを殺すとトレティアックから脅される。

翌朝エマは、方程式を盗み”すまない”というメモを残したサイモンが姿を消したことに気づく。

方程式を盗んだサイモンからそれを受けとったトレティアックだったが、レヴ・ナウモビッチ・ボトヴィン博士(ヘンリー・グッドマン)から未完成だと言われる。

部下のユーリ・ヴェレシャギン(マイケル・バーン)に指示を出したトレティアックは、サイモンと連絡を取り、完璧な方程式を渡すよう強要する。

ロンドン
トレティアックの指示を受けたイリヤは、スカーフェイス(トミー・フラナガン)らと共にサイモンの命を狙うものの逃げられる。

スコットランド・ヤード
ティールとラビヌー両警部に呼び出されたエマは、サイモンの正体を知らされ、殺し屋に襲われて逃亡した彼が出国したと言われる。

モスクワ
あるクラブでトレティアックに扮したサイモンは、トレティアックを脅して約束の金を手に入れる。

その場から逃げたサイモンは、目標にしていた5000万ドルの預金を達成したために引退を決意する。

ホテルをチェックアウトしようとしたサイモンは、エマが現れたために驚く。

強盗だと正直に話したサイモンは、危険であるため自分には近づくなとエマに伝える。

方程式は未完成だと依頼人が言っていると知らされたエマは、それを信じようとせず、2人は警察に逮捕される。

護送されるエマが心臓病の薬が必要だと知っていたサイモンは、それを抜き取ったと伝え、靴に隠してあったナイフを取るよう彼女に指示する。

到着した護送車が空だったため、トレティアックは街を封鎖し、サイモンは殺しエマは生かすよう命ずる。

サイモンは、トレティアックが警察も支配していることをエマに伝える。

方程式のことを訊いたサイモンは、順番がバラバラで時間もかかるため、それが完成したと思えないのだとエマから知らされる。

駅でサイモンから逃れようとしたエマは、スカーフェイスに捕らえられる。

スカーフェイスを殴り倒したサイモンは、エマを助けて川に向かい、落した薬を拾おうとして凍った川に飛び込む。

イリヤが近づいたために水に潜ったサイモンは暫く様子を見て、エマに助けられてあるアパートに向かう。

共同生活をする娼婦に助けられて隠れたエマは、冷え切った体のサイモンの体温を上げようとする。

サイモンとエマは、アパートを調べるイリヤらの追跡を逃れる。

地下組織のリーダーであるアレスカ”フランキー”フランケーヴィッチ(イリーナ・アペジモワ)の協力を得たサイモンとエマは、地下道を通りアメリカ大使館に向かう。

大使館目前で、現れたイリヤを引き付けてエマを逃がしたサイモンは捕えられるものの、車を爆破させて騒ぎを起し、その場から逃れる。

クレムリン
方程式を解くことができないボトヴィン博士とヴェレシャギンを伴いカルポフ大統領(エフゲニー・ラザレフ)と面会したトレティアックは、エネルギー危機に直面している大統領を騙して、未完成のまま方程式を売ることに成功する。

軍部を丸め込んだトレティアックは、大統領がやがて失脚することを伝えてクーデターを企む。

掃除婦に扮していたサイモンは、その場に盗聴器を仕掛ける。

大使館に保護されていたエマの前に変装して現れたサイモンは、出国する彼女にキャンセルするよう伝え、方程式のコピーを渡して姿を消す。

盗聴した会話でトレティアックの策略を知ったサイモンは、エマが完成させた方程式をボドヴィン博士に渡す。

ロシアは革命に向けて一触即発の状況となり、モスクワ市内は物々しい厳戒態勢となる。

フランキーの協力でクレムリンに侵入したサイモンは、カルポフ大統領にトレティアックの企みを知らせるものの、大統領と共に反乱軍に捕らえられてしまう。

トレティアックは、”赤の広場”で大統領を吊るし上げ、人々は怒りを爆発させる。

しかし、ボドヴィン博士が装置を完成させたことが分かり、それが大統領の功績と評価されて、トレティアックは国家反逆罪で逮捕されてしまう。

ロンドン
エマと再会したサイモンは方程式のメモを返し、そして2人は愛し合う。

翌朝、巨万の富を得ることを諦めたエマは、理論を世界に公表することを決意して、サイモンに”聖人”のピンと共にメモを残し、講演会場に向かおうとする。

オックスフォード大学
待ち構えていたサイモンから、考えに賛成だと言われたエマは、彼に励まされて会場に向かう。

講演は始り、大胆にも変装をして警戒中のティール警部の横に座ったサイモンは、エマのスピーチを聞く。

変装しているサイモンに気づいたラビヌーは、ティールにそれを知らせる。

しかし、サイモンは姿を消し、追跡したティールらは彼に逃げられてしまう。

車のラジオを点けたサイモンは、服役中のトレティアックの口座から30億ドルが引き出されて寄付されたことと、匿名の寄付者により、ロシア人科学者ボトヴィンが代表の低温融合技術基金”ラッセル基金”が設立されたことをニュース(ロジャー・ムーア:声)で知る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
孤児院で育ち、成長して国際指名手配犯となった怪盗”サイモン・テンプラー”は、ロシアの石油王トレティアックの金庫から、マイクロチップを盗み出す。
その後、再びトレティアックと接触したサイモンは、低温核融合の理論を完成させたアメリカ人科学者エマ・ラッセルから、方程式を盗み出すことを依頼される。
エマに接触したサイモンは、彼女に惹かれてしまい、騙すことが出来なくなってしまう。
しかし、トレティアックにエマを殺すと脅されたサイモンは、仕方なく方程式を渡す。
サイモンを追ってモスクワに向かったエマは、方程式が未完成だと知ったトレティアックに命を狙われることになる。
国家の混迷に乗じてエネルギーの支配を企む、トレティアックの計画を阻みエマの命を救おうとしたサイモンは、最後の賭けに出るのだが・・・。
__________

1940年代のビンセント・プライスによるラジオ・シリーズや、本作でラジオ・アナウンサー(声)として登場するロジャー・ムーアが主人公を演じ、彼を一躍有名にした1960年代のイギリスのテレビ・シリーズの映画化でもある。

オーストリア人監督フィリップ・ノイスは、洗練された怪盗”サイモン・テンプラー”の知性や逞しさなどを見事に表現し、上品さを感じさせる美しい映像も印象的な、痛快サスペンス・アクションに仕上げている。

主演のヴァル・キルマーは、清潔感の中に男臭さも漂う主人公を熱演するものの、評価は別れた。
様々な人物に変装して成り切る演技は見ものだ。

ハーヴァード大学在学中に「ベスト・キッド」(1984)でデビューし、休学して再び復学し学位を取ったほどのインテリのエリザベス・シューも、役柄通りの知的な女性を好演している。
度々アップになる彼女の表情は非常に美しい。

ロシア帝国の復活を夢見る石油王のラデ・シェルベッジア、息子で殺し屋のヴァレリー・ニコラエフ、彼らのお抱え科学者役ヘンリー・グッドマン、トレティアック(ラデ・シェルベッジア)の部下マイケル・バーン、地下組織のリーダー、イリーナ・アペジモワスコットランド・ヤードの警部アラン・アームストロングシャルロッテ・コーンウェルロシア大統領のエフゲニー・ラザレフ、トレティアックの部下トミー・フラナガンら、個性的な共演者も見逃せない。
その後「グラディエーター」(2000)で、主人公ラッセル・クロウの召使い役が印象に残る、顔に深い傷があるトミー・フラナガンだが、彼の傷がメイクでないことを知った時は驚いた。


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