マーシャル・ロー The Siege (1998) 3/5 (24)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

テロリストの行動を徹底的に洗い攻撃を阻止しようとするFBIテロ対策本部捜査官が、暗躍する身勝手な外交と強行政策に翻弄されながら事件を解決していく姿を描く、製作、監督、脚本エドワード・ズウィック、主演デンゼル・ワシントンアネット・ベニングブルース・ウィリス他共演の社会派サスペンス・アクション。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

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スタッフ キャスト ■

監督:エドワード・ズウィック
製作総指揮:ピーター・シンドラー
製作
リンダ・オスト

エドワード・ズウィック
原作:ローレンス・ライト
脚本
メノ・メイエス

エドワード・ズウィック
撮影:ロジャー・ディーキンス
編集:スティーヴン・ローゼンブラム
音楽:グレーム・レヴェール

出演
アンソニー・ハバード:デンゼル・ワシントン

エリース・クラフト/シャロン・ブリジャー:アネット・ベニング
ウィリアム・ダヴロー将軍:ブルース・ウィリス
フランク・ハダッド:トニー・シャローブ
サミール・ナジデ:サミー・ブワジラ
カリル・サラー:アーシフ・マンドヴィ
シーク・アーメッド・ビン・タラル:アーメット・ベン・ラービー

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1998年製作 116分
公開
北米:1998年11月6日
日本:2000年4月15日
製作費 $70,000,000
北米興行収入 $40,932,372
世界 $116,672,912


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

サウジアラビア
アメリカ軍基地が爆破されて、犯行の首謀者が、イラクイスラム原理主義者の僧侶シーク・アーメッド・ビン・タラル(アーメット・ベン・ラービー)と断定される。

クリントン大統領は、直ちにそれがテロリストの犯行だとの声明を発表し、その後、ビン・タラルはレバノンで失踪する。

FBIテロ対策本部。
バスに爆発物が仕掛けられたという連絡を受けて、特別捜査官アンソニー・ハバード(デンゼル・ワシントン)とフランク・ハダッド(トニー・シャローブ)は、現場のブルックリンに急行する。

爆破は実行されるが、バスの乗客は爆発した青ペンキを被っただけで済み、その後、ある人物を釈放するように要求される。

爆破されたバスの調査現場でハバードは、CIA情報員でもあるNSC(国家安全保障会議)のエリース・クラフト(アネット・ベニング)が、事件調査を始めているのを知る。

CIAの出方に不満を感じたハバードは情報開示を拒否して、クラフトに現場撤退を要求し、仕方なく彼女は現場を離れる。

上げ底の鞄に現金を隠し持っていたアラブ人カリル・サラー(アーシフ・マンドヴィ)を拘束したハバードは、彼を泳がせて尾行する。

尾行に気づいたカリルは逃走するが、何者かに連れ去られてしまう。

カリルを連れ去ったのが、クラフトらだと知ったハバードは、彼女が何かを隠していると察して逮捕拘束しようとする。

その時、武装した3人組が、バスを乗っ取り乗客を人質にしたとの連絡を受け、ハバードは現場に向かう。

現場の状況を見たクラフトは、犯人がマスコミを待ちカメラの前で爆破を実行しようとしていることを指摘する。

ベイルート生まれのハダッドを通訳に、犯人と交渉を始めたハバードは、子供を解放することに成功する。

さらにハバードは、自分が身代わりになることを伝えて、マスコミを撤退させる。

老人の解放も始めた犯人だったが、次の瞬間バスは爆破されて大破する。

25名の命が奪われたテロに対し、ハバードはアメリカに批判的な分子を徹底的に調査し、情報収集を始めるよう部下に指示する。

カリルを尋問したハバードは、彼が運び屋だと知り、ブルックリン中のホテルや安宿を洗う。

やがて、バスに使われた爆薬の成分とサウジアラビアのアメリカ軍基地爆破のものとが一致し、犯行グループの拠点が、ヨルダン川西岸と判明する。

爆破実行犯がテロリストのブラックリストに載っていることから、FBIはどのように入国したかの捜査も進める。

クラフトに意見を求めたハバードは、テロの首謀者ビン・タラルが失踪したことなどを彼女から聞く。

その後FBIは、バス爆破実行犯が学生として入国した際のビザの保証人サミール・ナジデ(サミー・ブワジラ)を、共犯者として逮捕する。

既にサミールを情報源として使っていたクラフトは、色仕掛けで情報を入手し、彼とビン・タラルの関係を知る。

翌日ハバードは、ウィリアム・ダヴロー将軍(ブルース・ウィリス)の訪問を受け、協力を約束される。

潜伏するテロリストのアジトを突き止めたハバードは、礼状を取り、強行突入して犯人らを射殺し、現場にあったバスと同じ爆破物を押収する。

一応の成果を収めたFBIの功績は評価されるが、それも束の間、再びブロードウェイで爆破が起きて、多くの著名人などが犠牲となる。

市民は怯え、多くの人々が危険を感じて街を去っていく。

そんな時、小学校に爆弾犯が立て篭もる事件が発生して、マスコミにそれを気づかれたハバードは、単身強行突破して犯人を射殺する。

ワシントンD.C.
対策会議が開かれ、クラフトがバス襲撃犯全員の掃討が終わったことを報告する。

全組織の壊滅は不明との見解を示したクラフトだったが、その時、ニューヨークFBIテロ対策本部他、連邦政府機関が入っている、”セントラル・フェデラル・プラザ”で自爆テロが起きる。

最悪の事態となったニューヨークに戻ったハバードは、多数の部下を失い、死者の合計は600人を超す。

ハバードはクラフトとサミールの仲介役が誰かを探るが、彼女は協力者であるサミールを裏切れずに口を閉ざす。

一方、警察やFBIでは街を守れないと考え、軍隊の配備が必要だと主張する意見も出始める。

ダヴロー将軍も、国内で戦争が始まったという見解を表明し、街のアラブ人が襲われる事件が頻発する。

そして、大統領はニューヨークに”戒厳令”(マーシャル・ロー)を発令し、街中に軍隊が配備される。

陸軍の”101空挺師団”を率いた指揮官であるダヴローは、テロリストの潜伏する可能性のあるブルックリンの、アラブ人社会を徹底的に調べ上げる。

ダヴローの支配下で、実権も機能も失ったハバードだったが、それでも根気よく独自の捜査を続け、サミールからある男の名前を聞き出す。

しかし、それが自動車整備工場の男だということが、ダヴローにも知られていた。

客を装い整備工場を占拠したハバードらだったが、ダヴローの軍隊が押し寄せ、それに気づいたアラブ人が爆破を起こし現場は戦場と化す。

脱出したハバードは、逮捕された息子を捜しに、収容先のヤンキー・スタジアムに行ったハダッドの元に向かう。

ハダッドは、長年FBIに尽くしたにも拘らず、息子を力ずくで奪われたことでアメリカ社会に絶望し、ハバードの協力を拒んでしまう。

ハバードは、ダヴローに直訴してハダッドの息子を救おうとするが受け入れられず、捕らえたアラブ人を拷問しようとするデヴローに言い寄る。

ダヴローが、ビン・タラルを拉致したことを知ったハバードは、”クラフト”本名シャロン・ブリジャーが、イラクで2年間の諜報活動を続け、サミールが集めた工作員を育てたことを、彼女から聞かされる。

ビン・タラルは、”サダム・フセイン”を敵対視していたためにCIAに協力するものの、アメリカ政府は政策を変えてしまい、彼女の”友”であった者が大量に殺されクラフトは、活動を停止したのだった。

そして、アメリカでのサミールの活動や、仲間のビザの発行などをクラフトが支援していたのだ。

ハバードにそれを知らせたクラフトは、償いをさせてくれと彼に頼み込む。

その頃、ブルックリンの住民は、隔離される市民を軍隊から救う運動を始めていた。

サミールを残留分子に会わせ、軍をまいて接触しようとするハバードは、ハダッドの元に向かい彼の協力を求める。

軍に監視されながらハバードの計画は実行され、軍をまいたハバードとハダッドだったが、クラフトとサミールが予定より早く姿を消す。

分子と会う現場に向かったクラフトだったが、サミール自身が最後の分子だということを知る。

サミールは爆弾を身に付けてクラフトに銃を向け、世界の指導者になろうとするアメリカに、制裁を加えると言い放つ。

そこに、ハバードが現れサミールを説得しようとするが、クラフトが二人の間に立ちはだかり、サミールの銃弾を受けてしまう。

ハバードはサミールを射殺し爆破を阻止し、瀕死のクラフトを必死で救おうとする。

しかし、クラフトは、アラーに赦しを請いながら息を引き取る。

ハバードは、分子の最後の一人、サミールを殺したことをダヴローに報告し、法を犯してまで身勝手な外交を行いビン・タラルを拉致した彼を非難する。

そしてハバードは、ヤンキー・スタジアムに収容されている人々の解放命令を突き出し、収容者を拷問し死に至らしめたダヴローを逮捕する。

ダヴローはそれを拒み兵士に銃を構えさせるが、兵士を殺人者にはさせられないはずだとハバードに言われ、部下達に銃を降ろさせて連行される。

その後、収容者は解放され、ハダッドは息子と再会する。

そして、軍隊は歓喜する民衆を残して撤退を始める。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

サウジアラビアのアメリカ軍基地でテロが起き、首謀者がイラクイスラム原理主義者ビン・タラルと断定されるものの、彼は失踪する。
ニューヨークでバスに爆破物が仕掛けられて、FBIテロ対策本部の捜査官アンソニー・ハバードは現場に急行する。
爆破は実行されるものの、乗客は無事で、その後、ある人物を釈放するように要求される。
ハバードは、爆破されたバスの調査現場でCIA情報員でもある、国家安全保障会議のメンバー、クラフトの動きを不満に思う。
クラフトに手を引かせたハバートだったが、彼女が、重要な情報を掴んでいることを察知する。
やがて、軍のダヴロー将軍がハバートに接触して、協力を約束する。
しかし、その後も無差別爆破テロは続く状況で、クリントン大統領はついにニューヨークに”戒厳令”(マーシャル・ロー)を発令し、軍隊が配備される。
やがてハバートは、ダヴローがビン・タラルを拉致したこととクラフトのイラクでの諜報活動などを知る・・・。
__________

アラブ人社会を都合よく利用して、政策の転換で、裏切られた彼らが危険分子と化したと見るや、容赦なく壊滅しようとする、アメリカのエゴ的な行動を痛烈に皮肉ったエドワード・ズウィックの切れのいい演出は見応え十分。

FBICIA、そして軍の画策が入り乱れる展開や、現地ニューヨーク・ロケのリアルさが緊迫感を煽る。

公開当時は、ニューヨークの連邦ビルが破壊さる場面などが衝撃的ではあったが、3年後の”911”の規模は、映画を遥かに上回る大惨事となり、同じ地で本当に起きてしまった事件の驚きとその凄まじさは、正に信じ難い出来事だった。

終盤は、罪もなく平和に暮らすアラブ人達への理解を示すドラマとして描かれ、それにより、多民族国家アメリカの社会問題の大きさを見つめ直そうとする、勇気も感じる物語となっている。

テロの犠牲者を出し、それを守れなかった責任を感じ、市民の安全のために死力を尽くすデンゼル・ワシントンの、闘争心を感じる前半と、自分を含めたアメリカの過ちを素直に認め、正義を見つめる姿は感動を呼ぶ。

アラブを愛する謎めいた諜報員を好演して、育てた仲間や祖国を守ろうとして命を落すアネット・ベニング、愛国者としての信念を抱きつつ強行策を貫く将軍役のブルース・ウィリスアラブ人としてアメリカに尽くすFBI捜査官トニー・シャローブ、その協力者を装いながらテロの目的を果たそうとするサミー・ブワジラ、資金の運び屋アーシフ・マンドヴィイスラム原理主義指導者のアーメット・ベン・ラービーなどが共演している。


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