キリマンジャロの雪 The Snows of Kilimanjaro (1952) 3.55/5 (29)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1936年に発表された、アーネスト・ヘミングウェイ同名短編小説の映画化。
成功を手に入れるものの初心を忘れたことを伯父に助言された小説家が、キリマンジャロの麓で傷を負い死期を感じながら自らのたどってきた人生を振り返る姿を描く、製作ダリル・F・ザナック、監督ヘンリー・キング、主演グレゴリー・ペックスーザン・ヘイワードエヴァ・ガードナー他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ヘンリー・キング
製作:ダリル・F・ザナック
原作:アーネスト・ヘミングウェイThe Snows of Kilimanjaro
脚本:ケイシー・ロビンソン
撮影:レオン・シャムロイ

編集:バーバラ・マクレーン
美術・装置
ライル・R・ウィーラー
ジョン・デキュール
トーマス・リトル

ポール・S・フォックス
音楽:バーナード・ハーマン

出演
グレゴリー・ペック:ハリー・ストリート
スーザン・ヘイワード:ヘレン・ストリート
エヴァ・ガードナー:シンシア・グリーン
ヒルデガルド・クネフ:エリザベス
レオ・G・キャロル:ビル
トリン・サッチャー:ジョンソン
マルセル・ダリオ:エミール
エヴァ・ノリング:ベアトリス
ヘレン・スタンリー:コニー

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1952年製作 113分
公開
北米:1952年8月18日
日本:1953年1月22日


アカデミー賞 ■

第25回アカデミー賞
・ノミネート
撮影・美術賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

アフリカの最高峰キリマンジャロの麓で、ハンティングをしていた小説家ハリー・ストリート(グレゴリー・ペック)は、足の傷がもとで壊疽にかかり、妻ヘレン(スーザン・ヘイワード)の看護を受けていた。

自分を狙うハゲタカ、傷を負った原因、そしてうずく足、苛立つハリーは気を紛らすために、波乱万丈の人生を振り返り始める。
__________

両親を亡くし、伯父のビル(レオ・G・キャロル)に育てられていたハリーは、18歳の時に恋人のコニー(ヘレン・スタンリー)と別れる。

ハリーは、作家を志すために、狩猟を学べというビルの助言に従い旅に出る。

やがてパリに腰を落ち着けたハリーは、酒場で見かけた美しい女性シンシア・グリーン(エヴァ・ガードナー)に一目惚れする。

2人はたちまち恋に落ち、共に暮らすようになり、ハリーは、シンシアをモデルにした処女作を完成させる。

そして、その作品が出版されることになるが、ハリーは、伯父ビルの言葉を思い出して、アフリカに行く決心を固める。

ハリーにとっては、アフリカでの滞在は素晴らしい毎日だったが、動物を殺す行為に、シンシアは拒否反応を示す。

しかし、ガイドのジョンソン(トリン・サッチャー)は、勇気という男の血の中に潜む冒険をして、ハリーは一人前の男になろうとしているのだと、シンシアに説明する。

シンシアは、妊娠していることをジョンソンに知らせるが、彼はガイドとして、彼女にこの試練に耐えるしかないことを告げる。

そんなこととは知らず、ハリーはロマンを追い続ける。

医師に、安静にしていいるよう言われたシンシアだったが、ハリーはまだ子供を望まず、彼女は妊娠したことを言えずに思い悩む。

その後、ハリーはスペイン行きを望むものの、シンシアがパリに帰りたがったっため、彼も渋々それに従う。

しかし、シンシアは、階段から落ち流産してしまう。

初めて子供のことを知ったハリーはショックを受け、わざと流産したのではないかとシンシアを責めるが、2人は気を取り戻し、彼女の回復を待ちスペインに向かう。

しかし、2人の夢には隔たりがあり、ハリーが戦争の取材を受けたのを知り、シンシアは踊り子と姿を消してしまう。

やがてハリーは、リビエラの伯爵令嬢エリザベス/リズ(ヒルデガルド・クネフ)と付き合い始め、彼女を題材に小説を書く。

ハリーを訪ねた伯父のビルは、彼にリズとの結婚を勧める。

しかし、優雅な生活に浸っているハリーが狩りから遠ざかっているのを知り、ビルは”腕が鈍る”と忠告する。

ハリーは名声を手にし、新聞や雑誌は彼をとりあげ、何不自由ない生活を送っていたのだが、消息を絶ったシンシアのことが気がかりだった。

そしてハリーは、パリでシンシアらしき女性を見つけて声をかける。

その女性こそが、現在の妻ヘレンだった。

リビエラに戻ったハリーだったが、リズが、マドリードから届いたシンシアからの手紙を破り捨ててしまい、彼はその地を去る。

シンシアを捜しにスペインに向かったハリーは、内戦が激しくなる現地で自らも銃を持ち戦った。

シンシアが、戦地の看護師として従軍していることを知ったハリーは、負傷した彼女に再会する。

しかし、救護班に運ばれたシンシアを追おうとするハリーは、士官に足を撃たれてしまい、生き別れになり、結局、シンシアは死亡する。

伯父ビルが危篤だと聞き駆けつけたハリーは、彼から遺書を渡され、その内容の答で救われると言われる。

ハリーは、シンシアと出会った酒場で、彼女の面影に涙するが、未来に生きようとビルの遺言の謎を解こうとする。

アフリカの最高峰キリマンジャロの頂上に、干からびて凍りついた豹の死体が横たわっている。
豹が何を求めて頂上まで登ったのかは謎である。”

ハリーは、臭覚が狂った豹が、さ迷って頂上に行き着いたのではと、酒場の主人エミール(マルセル・ダリオ)に言われ、自分が誤った道を進む豹と同じだということを理解する。

以前に、シンシアと間違えたヘレンと再会したハリーは、その後、彼女と結婚する。

そして、ハリーはビルの遺言に従い、自分の求めるものを探すため、妻ヘレンとだキリマンジャロを訪れ、壊疽にかかってしまったのだ。

シンシアの面影を追う、ハリーの心情を知ったヘレンだったが、彼女もハリーに小説を書かせ、幸せを取り戻させたい一身だった。

病状が悪化したハリーだったが、かつて彼が助けた、現地の少年が悪霊払いとしてハリーの元に現れる。

うなされるハリーを見かねて、ヘレンは医学書を頼りに彼の足を切開する。

ハリーは気を失うが、ヘレンの処置で一命を取り留め、彼女は死臭を嗅ぎつけたハイエナを追い払う。

やがて夜が明け、ジョンソンを乗せた救援隊が飛行機で到着する。

そして、大木に群がっていたハゲタカも消え去り、意識を取り戻したハリーとヘレンは固く抱き合う。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

アフリカ
最高峰キリマンジャロの麓で、ハンティングをしていた小説家ハリー・ストリートは、足の傷が壊疽になり、妻ヘレンの看護を受けながら、気を紛らすために、波乱万丈の人生を振り返る・・・。
ハリーは、両親を亡くして伯父ビルに育てられていたが、作家を志すために、狩猟を学べという伯父の助言に従い旅に出る。
旅を続けた後、パリに住むことになったハリーは、美しい女性シンシアに一目惚れする。
2人は恋に落ちて同棲を始め、その後ハリーは、シンシアをモデルにした処女作を完成させる。
その作品が出版されることになったハリーは、再び旅に出る決心をしてアフリカに向う。
ロマンを求めるハリーは、充実した日々を過ごすが、その地が肌に合わないシンシアとの意見の相違が見え始める。
やがて二人は、シンシアの流産や価値観の違いを経て別れることになる。
ハリーは、伯爵令嬢リズとも付き合うが、その後もシンシアのことが心から離れない。
そんな時、パリの街角でシンシアらしき女性に声をかけたハリーだったが、それが、妻となるヘレンだった・・・。
__________

本筋は、作家としての師とも言える伯父の助言(遺言)の謎を追い、たどり着く地での主人公の心の葛藤だが、ロマンス、ハンティング、そして世界旅行の観光地巡りのような構成は、見る者を飽きさせることなく、ヘンリー・キングの力強い演出も見応えがある。

それを効果的に生かす、レオン・シャムロイの美しい映像とバーナード・ハーマンの音楽も素晴らしい。

第25回アカデミー賞では、撮影、美術賞にノミネートされた。

人気絶頂に近い、まだ30代半ばのグレゴリー・ペックの、回想シーンでの溌剌とした演技、心と足の傷でもがき苦しむ、陰湿な場面との対比もなかなか興味深い。

圧巻は、彼を取り巻く全く違うタイプの3人の女性、上品だが強さを秘めたスーザン・ヘイワード、妖艶な美しさの中に平凡な幸せを望むいじらしさを漂わせるエヴァ・ガードナー、小悪魔的な魅力のヒルデガルド・クネフ、それぞれの個性を生かした演技は見ものだ。

彼だからこそ重みを感じさせ、主人公を小説家としての正しい道に導く助言が出来る、叔父役の名優レオ・G・キャロル、サファリの現地ガイド、トリン・サッチャー、酒場の主人役マルセル・ダリオなどが共演している。


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