翼よ!あれが巴里の灯だ The Spirit of St. Louis (1957) 4.18/5 (33)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

ニューヨークからパリまでの、33時間半の無着陸単独飛行に初めて成功した、チャールズ・A・リンドバーグが、1953年発表した”The Spiritof St. Louis”を基に製作された作品。原作は、ピューリッツァー賞も受賞した。
監督ビリー・ワイルダー、主演ジェームズ・スチュワート、共演マーレイ・ハミルトンによるヒューマン・ドラマ。


ドラマ(ヒューマン)


スタッフ キャスト ■

監督:ビリー・ワイルダー
製作:リーランド・ヘイワード
原作:チャールズ・A・リンドバーグ
脚本
チャールズ・レダラー

ビリー・ワイルダー
ウェンデル・メイズ
撮影
ロバート・バークス
ペヴァレル・マーレイ

編集:アーサー・P・シュミット
音楽:フランツ・ワックスマン

出演
ジェームズ・スチュワートチャールズ・ A・リンドバーグ

マーレイ・ハミルトン:ハーラン・A”バド”ガーニー
バートレット・ロビンソン:ベンジャミン・フランク・マホーニー
マーク・コネリー:ハスマン神父
アーサー・スペース:ドナルド・A・ホール

チャールズ・ワッツ:O・W・シュルツ
パトリシア・スミス:鏡の少女

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1957年製作 103分
公開
北米:1957年4月20日
日本:1957年8月
製作費 $6,000,000


アカデミー賞 ■

第30回アカデミー賞
・ノミネート
特殊効果賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1927年5月、ニューヨーク州ガーデンシティ
ルーズヴェルト飛行場から、大西洋横断単独飛行に挑戦する郵便飛行士チャールズ・リンドバーグ(ジェームズ・スチュワート)は、ホテルの部屋に引きこもり、飛行に備え睡眠中だったのだが、彼はなかなか寝付けなかった。

部屋の外で待機し、リンドバーグを気遣っていた協力者のベンジャミン・フランク・マホーニー(バートレット・ロビンソン)は、彼に少しでも眠るように助言する。

リンドバーグは、愛機”スピリット・オブ・セントルイス”のことが気がかりで、格納庫に寝ればよかったと後悔する。

降りしきる雨も気になるリンドバーグは、高まる気持ちを抑え、これまでの苦難の道を思い起こす。
__________

ポンコツの複葉機で、郵便飛行士をしていたリンドバーグは、悪天候時の事故で愛機を失ってしまい、列車で目的地に向かう。

リンドバーグは、列車内で、セールスマンO・W・シュルツ(チャールズ・ワッツ)と出会い、ある情報を入手する。

航空事業が伸びると考えたリンドバーグは、1万5000ドルの飛行機を購入するための資金援助を、投資家に持ちかける。

リンドバーグは、飛行機が手に入れば、ニューヨークパリ大西洋無着陸飛行成功者に与えられる、2万5000ドルのオーティング賞の賞金を獲得出来ると豪語する。

融資を決めた時のために、”スピリット・オブ・セントルイス”という機名を付けるよう投資家に言われたリンドバーグは、その漲る自信の根源を聞かれる。

小学生の時、小柄だったリンドバーグは、190センチになると誓い、今ではそれを1センチ上回る身長になったことを、彼は投資家達に得意気に話し、出資を認められる。

早速、ベランガ機に目をつけ航空会社に出向き、飛行機を購入しようとしたリンドバーグだったが、自分が操縦することが許されず、彼は憤慨してその場を立ち去ってしまう。

資金を投資家に返そうとしたリンドバーグだったが、彼らの後押しで、90日で飛行機を完成させるというサンディエゴの”ライアン航空会社”を紹介される。

社長のマホーニーと設計技師のドナルド・A・ホール(アーサー・スペース)と対面したリンドバーグは、二人と意気投合して早速、仕事にとりかかる。

ライバル達の準備や、テスト飛行中の死を気にしつつ、ホールが地面に機体の設計図を描いた日から63日目の1927年4月28日、”スピリット・オブ・セントルイス”はついに完成する。

その後、”スピリット・オブ・セントルイス”はテスト飛行を重ねて、準備万端で本番を迎えることになる。

フランスのライバルがパリを飛び立ったとの報告を聞き、意気消沈しながらセントルイスに戻ったリンドバーグは、フランス機が墜落したとことを知らされる。

6人もの犠牲者を出し、計画見直しを迫る投資家達に対して、チャレンジ精神とパイロット魂を説くリンドバーグは、決して諦めなかった。

1927年5月20日。
飛行に関するあらゆることが頭を過ぎり、依然、眠ることができないリンドバーグは、最低の飛行訓練生徒だったハスマン神父(マーク・コネリー)からのお守りを見て、彼のことを思い出す。

リンドバーグは、結局、一睡もできないままベッドから起き上がり、記者達に見送られながら、マホーニーと共にホテルを出発する。

軽量化を徹底し、パラシュート搭載も拒否したリンドバーグは、天井に取り付けた磁気コンパスを見るために、小さな鏡を付けようとするが、それも大き過ぎると言い出す。

さらに小さな鏡を探したリンドバーグは、彼の出発を見守っていた少女(パトリシア・スミス)から手鏡をもらい、それを計器盤にガムで貼り付ける。

リンドバーグは、少女を機内に座らせ、各部の説明をして彼女に感謝する。

天候不順のため、マホーニーは飛行延期をリンドバーグに提案するが、ライバルが出発しようとしている中、彼は飛行の決断をする。

ぬかるみの滑走路と離陸地点をチェックしたリンドバーグとマホーニーは、出発の準備を始める。

マホーニーは、リンドバーグが信心深くないため、軽量化のため持参しないと言っていたハスマン神父のお守りを、サンドイッチの袋の中に入れて機内に置く。

そして、エンジンを始動させたリンドバーグは、マホーニーと握手をして、投資家達に出発の合図を送る。

滑走路の離陸地点をオーバーしてしまったリンドバーグは、電柱や樹木すれすれで離陸に成功し、大空に飛び立つ。

順調な飛行を4時間余り続けたところで、リンドバーグは、眠気に堪えながら、カナダノバスコシア州上空に到達する。

陸地でバイクを見かけたリンドバーグは、かつて自分も運転していたバイクから、飛行機に乗り換えた時のことを思い出す。

山岳地帯で霧が出てきたため、一か八かで低空飛行に切り替えたリンドバーグは、セントジョンに到着する。

そしてリンドバーグは、飛行仲間であるハーラン・A”バド”ガーニー(マーレイ・ハミルトン)と曲芸飛行を始めた時のことを思い出す。

海上飛行を続けたリンドバーグは氷河を見つけ、着陸してエンジンを切り眠ろうかと思ってしまう。

その時、リンドバーグは、機体に氷が付着していることに気づき、その重みに必死に耐えようとする。

キャブレターが詰まり降下を始めた機体だったが、海面すれすれで氷が剥がれ、脱出も考えたリンドバーグは、九死に一生を得る。

その後、コンパスの異常に気づいたリンドバーグは、星を頼りに何とか飛行を続けて、翌朝にはコンパスは正常に戻る。

しかし、夜の間に飛行コースを外れてしまったリンドバーグは、焦って現在位置を確認しようとするが、急激に睡魔に襲われ、ついに眠ってしまう。

機体は旋回しながら高度を下げていくが、出発前に少女に譲り受けた鏡が、リンドバーグの顔を照らし、目を覚ました彼は危うく難を逃れる。

漁船を見つけたリンドバーグは、陸地が近いことを確信し、28時間目にして、アイルランドディングル湾に到着する。

その後も順調な飛行を続けたリンドバーグは、イギリスプリマス上空を通過、フランスシェルブールまでは190キロの地点まで迫る。

食事を取ろうとしたリンドバーグは、マホーニーがサンドイッチの袋に入れた、ハスマン神父お守りのペンダントに気づく。

シェルブールに到着したリンドバーグは、セーヌ川の河口を探し、パリまで一時間の距離に迫る。

リンドバーグは、最後の気力を振りしぼろうとするが、燃料供給バルブを間違え、エンジンが停止しそうになってしまう。

危機を脱したリンドバーグは、夕闇の中で光り輝くパリの夜景を確認する。

凱旋門エッフェル塔などを間近に見たリンドバーグは、ル・ブルジェ飛行場を目指す。

飛行場には着いたものの、リンドバーグは滑走路が見えずに絶望する。

信心深くないリンドバーグは、着陸する瞬間ハスマン神父を想い神にすがる。

飛行時間33時間39分20秒。
見事着陸に成功したリンドバーグは、熱狂する20万人の人々に迎えられる。

そして、帰国したリンドバーグを、アメリカの英雄として400万人の人々が称えた。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

郵便飛行士のチャールズ・A・リンドバーグは、愛機を悪天候の事故で失い、新しい飛行機を購入するための資金を集めようとする。
投資家は、大西洋横断単独飛行を達成するというリンドバーグの意気込みを買い資金援助を決める。
リンドバーグは、飛行機購入時に、自分を操縦させないと言った航空会社を蹴り、サンディエゴの小さな航空機メーカーを紹介されて、そこで”スピリット・オブ・セントルイス”を完成させる。
そして、興奮して眠れぬまま、自信と希望に満ちて、リンドバーグは、ルーズヴェルト飛行場を飛び立つ。
狭い機内や睡魔に襲われながらリンドバーグは、数々の難局を乗り越えようとする・・・。
__________

目的に挑む一人の若者の勇気と熱意が、素晴らしい感動と共に全ての人に夢と希望を抱かせてくれる、感動の物語。

第30回アカデミー賞では、特殊効果賞にノミネートされた。

人類の偉業達成を描いているので、物語自体はドラマチックではあるが、ストーリーの半分はリンドバーグの一人旅となっている。
ビリー・ワイルダーの、計算し尽されたキュメンタリー・タッチの場面構成と、感動を盛り上げる脚本がなければ退屈してしまったかもしれない。

狭い機内でのアップのショットが多い中、50歳手前のジェームズ・スチュワートが、25歳の主人公リンドバーグを演じても違和感が無かったのは、アメリカの至宝と言ってもいい、彼の人気や人柄が、英雄リンドバーグのイメージとだぶり、誰もが納得できるからだろう。

しかしジェームズ・スチュワートは、1960年代半ば辺りから、急激に老け込んでしまう。

ジェームズ・スチュワートが投資家に、自分の情熱を語る場面。
何でもやり遂げる自信を、自分の長身に例えて、”一番背の低かった小学生の時、190センチになると決めて努力し た結果こんなにノッポになった。1センチ伸び過ぎたが”という台詞は、彼の長身を生かした、ビリー・ワイルダーらしい脚本と演出だ。

ほのぼのとした、人情味溢れるライアン飛行場の社長マホーニーが、ガスバーナーと鉄板で魚を焼いていたり、コンパスを見る鏡やハエなど、小道具の使い方もなかなか面白い。

曲芸飛行仲間のマーレイ・ハミルトン、主人公の良き協力者で航空機メーカー社長バートレット・ロビンソン、同社技師のドナルド・A・ホール役のアーサー・スペース、神父チャールズ・ワッツ、主人公に助言するセールスマン役のマーク・コネリー、そして手鏡を進呈する少女パトリシア・スミスなどが共演している。


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