スウィート ヒアアフター The Sweet Hereafter (1997) 4/5 (2)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

1991年に発表された、ラッセル・バンクスの小説”The Sweet Hereafter”を基に製作された作品。
平穏な小さな町で起きたスクールバス転落事故による住民の様々な思いを描く、製作、監督、脚本アトム・エゴヤン、主演イアン・ホルムサラ・ポーリートム・マッカムス他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:アトム・エゴヤン
製作
アトム・エゴヤン

カメーラ・フリーバーグ
製作総指揮
ロバート・ラントス

アンドラス・ハモリ
原作:ラッセル・バンクスThe Sweet Hereafter
脚本:アトム・エゴヤン

撮影:ポール・サロッシー
編集:スーザン・シプトン
音楽:マイケル・ダンナ

出演
ミッチェル・スティーヴンス:イアン・ホルム

ニコール・バーネル:サラ・ポーリー
サム・バーネル:トム・マッカムス
ドロレス・ドリスコル:ガブリエル・ローズ
リサ・ウォーカー:アルバータ・ワトソン
ビリー・アンセル:ブルース・グリーンウッド
ワンダ・オットー:アルシネ・カーンジャン
ハートリー・オットー:アール・パストコー
ウェンデル・ウォーカー:モーリー・チェイキン
ベアー:サイモン・ベイカー
アボット・ドリスコル:デヴィッド・ヘンブレン

アリソン・オドネル:ステファニー・モーゲンスターン

カナダ 映画
配給 Alliance Atlantis
1997年製作 112分
公開
カナダ:1997年10月10日
北米:年月日
日本:1998年8月25日
製作費 CAD 5,000,000
北米興行収入 $3,263,590


アカデミー賞 ■

第70回アカデミー賞
・ノミネート
監督・脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1995年、12月、カナダブリティッシュコロンビア州。
弁護士ミッチェル・スティーヴンス(イアン・ホルム)は、多数の子供達が犠牲になったスクールバスの事件の件で町を訪れる。

車の洗車機に入っている最中に薬物依存症の娘ゾーイからの電話を受けたスティーヴンスは、、彼女の状態を気にする。

電話を切ったスティーヴンスは、車が移動しなくなったために外に出て、その場に放置されたスクールバスに気づく。
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町のフェアに参加する予定の15歳の少女ニコール・バーネル(サラ・ポーリー)は、ロック歌手になりたい自分のためにステージを作ってくれた父サム(トム・マッカムス)と共に、到着したスクールバスのドライバー、ドロレス・ドリスコル(ガブリエル・ローズ)に気づき手を振る。

モーテルに着いたスティーヴンスは、自分が弁護士であることを伝え、事故で息子を失ったオーナーのウェンデル・ウォーカー(モーリー・チェイキン)と妻リサ(アルバータ・ワトソン)から話を聞く。

集団訴訟に勝つために協力してくれる人々を探しているスティーヴンスは、先住民の養子ベアー(サイモン・ベイカー)を亡くしたアーティストの夫妻ハートリー・オットー(アール・パストコー)とワンダ(アルシネ・カーンジャン)のことをリサから知らされる。

マリファナを吸うワンダを良く思わないウェンデルは、証拠がないと言うリサと口論になる。

ゾーイからの電話に出たスティーヴンスは、彼女の状態を聞く。
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1997年11月29日。
飛行機の機内で同席になった、ゾーイの友人だったアリソン・オドネル(ステファニー・モーゲンスターン)に話しかけられたスティーヴンスは、ゾーイのことを聞かれるが何も答えない。
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事故の生存者であるドロレスに会い、オットー夫妻のことを聞いたスティーヴンスは、二人がヒッピーだと言われる。

オットー夫妻の麻薬の使用を否定したドロレスは、二人がベアーを溺愛していたことを話す。

発作で倒れて車椅子生活を送るドロレスの夫アボット(デヴィッド・ヘンブレン)が見守る中、スティーヴンスは、壁に飾ってあるベアーの写真を確認する。

ビリー・アンセル(ブルース・グリーンウッド)は、自分の子供達に手を振るためバスの後ろを走るのが日課で、数年前に妻を亡くした彼が、辛い思いをしていたことをドロスはスティーヴンスに話す。
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リサと関係しいていたビリーは、運転しながら彼女に電話をかけて待っていることを伝え、子供達に手を振る。
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アリソンにゾーイのことを聞かれたスティーヴンスは、娘がいくつものクリニックを転々としたことなどを話し、気が滅入り席を外す。
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オットー家を訪ねたスティーヴンスは、ワンダとハートリーに訴訟の件について話し、ベテラン・ドライバーのドロレスではなく、違う相手と戦うことを伝える。

二度と同じ過ちを犯さないために、自分が子供を失った親や家族に代わり戦い抜くことをスティーヴンスは夫妻に伝える。

ワンダから費用を聞かれたスティーヴンスは、まず自分を弁護士に指名してもらえれば無報酬で働き、勝訴で得た額の1/3を受け取ることを伝える。

敗訴した場合は1セントも要求しないと言われたワンダは、契約を交わそうとする。
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ゾーイの治療に手を尽くしたことをアリソンに話すスティーヴンスは、金をせびる電話を受け続けるなど、辛い10年が経ったことも語る。
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ベビーシッターのニコールに子供を預けたビリーは、ウェンデルが留守中のリサの家に向かう。

ニコールは、食事が済んでいた子供達に絵本を読んで寝かせる。

リサと愛し合ったビリーは、ニコールを送らねばならないと言ってその場を去る。

帰宅したビリーは、ニコールに妻のセーターを渡し、着られなくなったら妻もきっとあげていたと伝える。

”着られなくなったら・・・”という言葉を、ニコールは疑問に思う。
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子供達を順番に乗せる話をしたドロレスは、それが楽しかったことを思い出しながら、スティーヴンスの前で涙する。
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事故当日、いつもの様にバスの後方を走っていたビリーは、バスが街道を外れて凍っている川に下ってしまい、沈んでいくのを目撃する。
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妻と幼いゾーイとで山小屋で楽しく過ごしたことをアリソンに話したスティーヴンスは、ゾーイが死の危機に陥った事件のことを語る。

発熱して体が腫れ上がったゾーイの呼吸を維持するため、気管切開の方法を電話で医師から聞いたスティーヴンスは、その準備をしながら病院に向かった。

アリソンにどうなったかを聞かれたスティーヴンスは、結局は切開することなく病院に着いたことを伝える。
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事故現場では救助活動が行われるが、子供達の多くが犠牲になる。
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ビリーに会ったリサは、スタンドに放置されたバスを見て子供達を想い、スティーヴンスとの話したと言われる。

動揺するリサに、あれはアクシデントだったとビリーは伝える。

バスのボルトの不良だとも考えるリサは、自分が整備したが問題なかったとビリーに言われ、それならばガードレールの欠陥があったのではないかと伝える。

ニコールに妻のセーターをあげた理由を聞くリサだったが、それが悪運を呼び事故の原因となったのかとビリーに言われる。
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救助されて助かったニコールは病院に運ばれるものの、放心状態だった。

車椅子で退院したニコールは、家族、そして自分のために雇った弁護士のスティーヴンスから贈られたパソコンを見せられる。

スティーヴンスに会ったニコールは、二度と悲劇を起こしたくない思いだと言う彼に、事故のことは覚えていないし考えたくもないと伝え、憐れみも受けたくないと付け加える。

車椅子姿の自分を見て同情しないものはいないと言われたニコールは、裁判についての心構えなどを説明される。

サムから賠償金のことを聞かれたスティーヴンスが、時間はかかるが必ず勝ち取れると断言するのを聞き、ニコールは考えを巡らせる。

バスの内部を撮影していたスティーヴンスは、現れたビリーに力になると伝え名刺を渡すものの、それを捨てられる。

スティーヴンスを迷惑に思うビリーは、自分達を救えるはずがないと言って彼を追い払おうとする。

集団訴訟に加わるようビリーを説得するスティーヴンスは、隠蔽工作を防ぐため、早く手続きをするほど有利だと伝える。

ウォーカーやオットー夫妻が弁護士など雇うはずがないと言うビリーは、田舎者を食い物にするのかとスティーヴンスに問う。

その怒りを相応しい相手に向けるべきだと言うスティーヴンスは、鳴った電話がヤク中の娘からだとビリーに伝える。

なぜ教えるのかと聞かれたスティーヴンスは、、お互いに娘を失った親だからだと答える。

ビリーが去った後、再びかかってきたゾーイからの電話に出たスティーヴンスは、血を売ろうとした彼女が、HIV陽性だっため、それができなかったことを知らされる。

恐いと言うゾーイに、スティーヴンスは助けに行くと伝える。

翌日、事故当時、80キロで走行していたことをどう説明するかをスティーヴンスはドロレスから聞かれる。

ビリーに制限速度を守っていたことを証言させ、責任を追及されないようにするのが自分の役目だとスティーヴンスは伝える。

言語障害となっていたアボットは何かを訴え、真の陪審員は町の住民で、よそ者には有罪判決は決められないと言ったことを、ドロレスがスティーヴンスに伝える。

数日後、事故当時のことを証言したドロレスは、犠牲になった子供達を想い涙するが、スティーヴンスは更に語るよう指示する。

サムに会い訴訟を取り下げるようにと伝えたビリーは、関わりあわなければいいと言われるものの、スティーヴンスが自分を目撃者として証言台に立たせるつもりだと伝える。

深刻に考えてはいないサムに、これをきっかけに弁護士が町に押しかけ、金を巡る争いが始まるとビリーは語る。

学校がバスに掛けていた保険金では不足だと言うサムに、自分が受け取った分を貸すことを提案するビリーは、助け合うのがこの町の仕来りだと伝える。

それを断られたビリーは、ニコールの様子を気にしながら、家族の事情があるとサムに言われてその場を去る。

サムは、訴訟の話が出て以来、心通じ合えないニコールに、翌日の証言の話をする。

翌日、サムと共に町民ホールに向かったニコールは、スティーヴンスに付き添われて証言を始め、あまり覚えていないことを伝える。

道路に犬が飛び出し、ドロレスがそれを避けて再び速度を上げたと言うニコールは、少し思い出したことを伝える。

恐かったと言うニコールは、スピードメーターが確認できたことを伝え、速度が出過ぎていたと話す。

速度を聞かれたニコールは72マイル(115キロ)だと答え、確かだと言いながら、ドロレスに注意しなかったのは恐かったからだと答える。

質問があるかを尋ねられるものの、ニコールがなぜ嘘をついたのかを理解するスティーヴンスは、何もないと答える。

ポーカーの名人になれるとスティーヴンスに言われたニコールは、皮肉を込めて礼を言う。

嘘をついたニコールのことでスティーヴンスに謝罪するサムは、いずれにしても訴訟はなくなったと言われる。

事実を皆に伝えることと、ニコールが嘘をついた理由を考えるようスティーヴンスはサムに伝え、父親にあんな仕打ちをする娘はいないと言い切る。

苛立ちながら車に乗ったサムは、パソコンは返すのかとニコールに言われる。
__________

空港に着いたスティーヴンスは、アリソンに別れを告げ、ゾーイによろしくと言われる。

迎えの車に荷物を積み込もうとしたスティーヴンスは、バスのドライバーに復帰し、以前と度同じように仕事をするドロレスを見かける。

ドロレスもスティーヴンスに気づき、二人は顔を見合わせる。

2年後のドロレスが証明する様に、あの事故に関わった者達は、既に同じ町の人間ではなかった。

町には独特の仕来りと法があり、人々は穏やかな日々を過ごす。

川は流れ果実は木に実り、花は美しく咲き乱れ、ニコールは、それが今まで見たことのない楽園に思える。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1995年、12月、カナダブリティッシュコロンビア州。
多くの子供達が犠牲になったスクールバス転落事故の件で町を訪れた弁護士ミッチェル・スティーヴンスは、バス会社などを相手取る集団訴訟を起こすため、犠牲者の家族に会う。
二度と悲劇を起こさないために戦い、勝訴しなければ報酬を要求しないと伝え、スティーヴンスは子供を失った親を説得していく。
そんな中スティーヴンスは、生存者の少女ニコールがショックを受けて車椅子での生活を強いられていたため、彼女に証言をさせて、訴訟を有利に進めようと考えるのだが・・・。
__________

若くして国際的な評価を得たアトム・エゴヤンが、平穏な町で起きた大事故により、人々の心が変化していく様を繊細な人間描写で描く秀作ドラマ。

事件で大きく歪む大人達の考えに対し、それをきっかけにして物事を理解していく生存者の少女の視点で後半は進行し、そんな体験をしながらも、人生が美しく思えるようになる彼女の成長する姿も描かれている。

1997年、カンヌ映画祭グランプリ受賞作であり、第70回アカデミー賞では、監督、脚色賞にノミネートされた。

原作はニューヨーク州北部が舞台なのだが、映画ではカナダが舞台となっている。
そのためか、アメリカ的なセリフが出てくるのが興味深い。

また、原作者のラッセル・バンクスは、医師役で端役出演している。

麻薬依存症の娘のことを案じながら、事故被害者家族に訴訟を勧める弁護士を重厚に演ずるイアン・ホルム、物語の鍵を握る、重要人物である生存者の少女を演ずる、カナダ映画界の星サラ・ポーリー、その父親トム・マッカムス、スクールバスのドライバー、ガブリエル・ローズ、その夫デヴィッド・ヘンブレン、モーテルのオーナーで犠牲者の親アルバータ・ワトソン、その夫モーリー・チェイキン、芸術家の夫婦アルシネ・カーンジャンアール・パストコー、その養子サイモン・ベイカー、主人公と同じ便に乗り合わせる彼の娘の友人ステファニー・モーゲンスターンなどが共演している。


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