黄金 The Treasure of the Sierra Madre (1948) 5/5 (29)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

黄金に魅せられた夢を追う三人の男の皮肉な運命を描いた、監督、脚本ジョン・ヒューストンハンフリー・ボガートウォルター・ヒューストンティム・ホルト共演のアドベンチャー・ドラマの傑作。


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・ヒューストン
製作:ヘンリー・ブランク
製作総指揮:ジャック・L・ワーナー
原作:B・トレイヴン
脚本:ジョン・ヒューストン
撮影:テッド・D・マッコード
編集:オーウェン・マークス
音楽
マックス・スタイナー
レオ・F・フォーブステイン

出演
ハンフリー・ボガート:フレッド・C・ドブス
ウォルター・ヒューストン:ハワード
ティム・ホルト:ボブ・カーティン
ブルース・ベネット:ジェームズ・コーディ
バートン・マクレーン:パット・マコーミック
アルフォンソ・ベドヤ:ゴールド・ハット
ロバート・ブレイク:メキシコ人少年
ジョン・ヒューストン:アメリカ人

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1948年製作 126分
公開
北米:1948年1月7日
日本:1949年5月7日
製作費 $3,800,000


アカデミー賞 ■

第21回アカデミー賞
・受賞
監督
助演男優(ウォルター・ヒューストン)
脚本賞
・ノミネート
作品賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1925年メキシコのタムビコ。
アメリカ人浮浪者フレッド・C・ドブズ(ハンフリー・ボガート)は、恥を忍び物乞いをして暮らしていた。

同胞のアメリカ人(ジョン・ヒューストン)から金を恵んでもらったドブズは、腹ごしらえをしている時、 メキシコ人少年(ロバート・ブレイク)から、宝くじを売りつけられる。

その後ドブズは、同じ浮浪者のボブ・カーティン(ティム・ホルト)と知り合い、再びアメリカ人に金を恵んでもらう。

その金で散髪をしたドブズは、三度同じアメリカ人に金を恵んで貰おうとする。

アメリカ人は不満を口にし、恵んでもらう時には、手と金しか見ていないことをドブズは謝罪するが、アメリカ人は、最後だと言って再びドブズに金を渡す。

その金もなくなったドブズは、人夫頭のパット・マコーミック(バートン・マクレーン)に仕事をもらい、そこでカーティンと再会する。

二人は、その後2週間、汗みずくで働いたものの、金をマコーミックに持ち逃げされてしまう。

その後、二人は薄汚い宿屋で、ハワード(ウォルター・ヒューストン)という老人から、シエラ・マドレの山奥の、黄金にまつわる話を聞かされるが、 その時は、とても信用できるような話でなかった。

翌日、マコーミックを見つけた二人は、彼を叩きのめして金を取り戻す。

そして二人は、騙されたつもりでもう一度ハワードの黄金の話を聞き、今度は、その魅力にとり憑かれてしまう。

三人は黄金探しの準備を始めようとするが、有り金を集めても資金が足りず困り果てる。

しかし、ドブズが買った宝くじが当たり、200ペソが転がり込む。

資金ができたドブズは喜ぶが、カーティンは、彼の金だと言って遠慮する。

ドブズは、遠慮無用とばかりに気勢をあげるが、その光景を見ていたハワードは、行く末を案ずる。

その金で身支度した三人は、汽車でデュランゴに向かおうとするが、早速、山賊に襲われてしまう。

それを切り抜けた三人は、デュランゴからロバでシエラ・マドレに向かう。

山に入り、いきなり金脈らしきものを見つけたドブズとカーティンだったが、ハワードに、それをきっぱりと否定される。

想像以上の険しい道のりに、ドブズとカーティンはへばってしまうが、それをせせら笑うハワードに、ドブズが怒りをぶつける。

しかし、ハワードの笑いは驚きに変わり、彼は二人に、金脈を当てたことを伝える。

三人は、砂金採取の準備を始め、必死で働き掘り出した金は、その度に3等分する約束にする。

その後、落盤が起きた時に、カーティンは、一瞬ドブズが死ねば分け前は増えると思い、ドブズも、仲間に対する猜疑心で夜も眠れなくなる。

毒トカゲを見つけたカーティンは、それを殺そうと石をどけようとするが、そこはドブズの砂金の隠し場所だった。

ドブズは、カーティンが砂金を盗もうとしたと決め付けて銃を向けるが、トカゲがいたことを知り黙り込んでしまう。

カーティンが町に買出しに行った時、ジェームズ・コーディ(ブルース・ベネット)という男が、彼に目を付けてついて来てしまう。

砂金探しに気づいていたコーディが、居座ろうとしたため、その夜、三人は順番に見張りをする。

翌朝、水を飲んだことで、ドブズがコーディを殴り倒すが、彼は冷静さを保ちながら、自分を仲間に入れるよう三人を説得する。

三人はコーディを殺そうとするが、そこにゴールド・ハット(アルフォンソ・ベドヤ)率いる山賊集団が現れ、彼らはそれを撃退する方法を考える。

その後、双方は銃撃戦となり一旦は収まるが、コーディは殺されてしまう。

やがて軍隊が現れ、前後から挟み撃ち状態のゴールド・ハットらは退散してしまう。

三人はコーディの所持品を調べ、ポケットの中の妻からの手紙を見つけて、彼に同情してしまう。

やがて、砂金の産出量が減り、山を元どおりに戻した三人は、砂金を3万5000ドルずつ山分けして10ヶ月ぶりに山を降りる。

山賊から逃れられたのもコーディのお陰だということで、三人は彼の妻に分け前を送ることを考えるが、そこにある部族民が現れる。

彼らは、水に溺れた少年の手当てを三人に頼みに来たのだが、ハワードがその部落に行くことになる。

そして、部落に着いたハワードは少年を助け、人々から感謝される。

ハワードは、ドブズとカーティンの元に戻るが、後を追ってきた村人の好意を受けるしかなくなり、砂金を二人に預けて部落に戻る。

その後、ドブズは次第に苛立ち始め、ハワードの砂金を横取りしようとして、カーティンに銃を向ける。

しかし、カーティンはドブズに襲い掛かり銃を奪い、二人は、にらみ合いながら夜を明かす。

ドブズを警戒し、一睡も出来ないカーティンは、やがて限界に達して気を失ってしまう。

その隙に銃を奪ったドブズは、砂金を独り占めにしようとしてカーティンを銃撃するが、彼は一命を取り留めて、その場を逃れ部族民に助けられる。

翌朝、ドブズはカーティンの遺体が消えたことに驚くが、既に精神に異常をきたしていた彼は、遺体は山猫が運び去ったものと思い込む。

その頃、村人から至れり尽くせりの持成しを受けていたハワードは、カーティンが運ばれてきたことを知る。

カーティンの傷を手当てして、事情を聞いたハワードは、彼と共にドブズを追ってデュランゴに向かう。

疲労困憊でよ、うやく水場を見つけたドブズだったが、ゴールド・ハットと出くわし、山での一件がばれてしまう。

その場を逃れようと銃を手にしたドブズだったが、彼はあえなく殺されてしまう。

ゴールド・ハットはドブズの荷物を奪うが、そらが砂金と気づかず、袋の中身を捨ててしまう。

ロバとカモフラージュの毛皮だけを、デュランゴに運び売りさばこうとしたゴールド・ハットらは、それが奪ったものだと知られ、逮捕されて銃殺される。

デュランゴに到着したハワードとカーティンは、ドブズが殺されたことを知り、荷物を確認に行くものの砂金はなかった。

ゴールド・ハットが、砂袋の中身を捨てたらしいと聞いたハワードとカーティンは、その現場に向かう。

砂嵐の中で、空の袋を見つけたハワードは、砂金が風の力で山に戻ったことを知り、カーティンと共に運命の皮肉を笑い飛ばす。

今後のことを話し合った二人は、ハワードは救った少年の部落に戻り、医者として一生、楽に暮らすことにする。

カーティンは、彼が金持ちになった場合の夢だった、果樹園暮らしをするコーディの妻に遺品を届けるため旅立つ。


解説 評価 感想 ■

1927年に発表された、B・トレイヴンの小説”The Treasure of the Sierra Madre”を基に製作された作品。

*(簡略ストー リー)

浮浪者のフレッド・C・ドブスとカーティンは、黄金の魅力を語る老人ハワードの話に乗り、金脈を探す旅に出かける。
苦労の末、三人は金脈を見つけ、順調に砂金を採取していくが、次第に互いの裏切りを警戒し始める。
やがて、同じく黄金探しのコーディが現れ、緊張は一気に高まり、精神異常に近い状態に陥ったドブズは、砂金を独り占めにすることを考え始めるのだが・・・。
__________

貧しい浮浪者が、助け合って生きていたのだが、黄金の魅力にとり憑かれると、途端に相手を疑い始め、裏切り殺そうとするという、ありがちな話なのだが、金を手にした無知な山賊は、その価値を知らずに砂金を捨ててしまい、結局それが、風に吹かれて大地に戻ってしまうという落ちが、最高の皮肉として描かれている。

1990年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

第21回アカデミー賞では、監督、助演男優(ウォルター・ヒューストン)、脚本賞を受賞した。
・ノミネート
作品賞

マルタの鷹」(1941)でデビューし、既に実力を発揮していた監督ジョン・ヒューストンは、本作で見事にアカデミー監督賞と脚本賞を受賞して、名実共にハリウッドのトップ監督として君臨することになる。

本作は、せっかくの努力が無駄になり、結局は挫折していくという、ジョン・ヒューストンのお得意のテーマが最もよく表現されている作品でもある。

男達の悲哀や逞しさを感じさせる、マックス・スタイナーの音楽も素晴しい。

黄金の魔力と猜疑心で、狂人のよう変貌してしまうハンフリー・ボガートの哀れな姿は見もので、自分自身、記事で度々明記するが、ダンディーな彼よりも、本作のような汚れ役の方が魅力を感じる。

息子ジョン・ヒューストンと共にアカデミー賞を受賞するという快挙を成し遂げた、謎の老人ウォルター・ヒューストンの、ジョン・ヒューストンの、男臭い作風に合った豪快な演技は見事だ。

また、若いティム・ホルトや山賊のアルフォンソ・ベドヤ、短い出演ながら印象に残る、死んでからの彼の家族の話が心を打つブルース・ベネットらの好演も忘れ難い。

宝くじ売りの少年役で、ロバート・ブレイクも出演し、ジョン・ヒューストンも冒頭で、主人公ハンフリー・ボガートに、何度も金を恵むアメリカ人役で、貫禄ある演技を見せてくれる。

そのシーンで、「何度もしつこいぞ」と言われたハンフリー・ボガートが、「手と金しか見てないもので」というセリフが、実に洒落ている。


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