ウェイバック The Way Back (2010) 2.96/5 (25)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1955年に発表された、スラヴォミール・ラウイッツ自身の体験記”The Long Walk: The True Story of a Trek to Freedom”を基に製作された作品。
第二次大戦下、シベリアの強制労働収容所からインドまでの6500kmにも及ぶポーランド兵の脱出劇を描く、製作、監督、脚本ピーター・ウィアー、主演ジム・スタージェスエド・ハリスシアーシャ・ローナンコリン・ファレルマーク・ストロング他共演の戦争ドラマ。


・ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト ■

監督:ピーター・ウィアー
製作総指揮
キース・R・クラーク

ジョン・プタク
スコット・ルーディン
製作
ジョニ・レヴィン

ピーター・ウィアー
ダンカン・ヘンダーソン
ナイジェル・シンクレア
原作:スラヴォミール・ラウイッツ
”The Long Walk: The True Story of a Trek to Freedom”
脚本
ピーター・ウィアー

キース・R・クラーク
撮影:ラッセル・ボイド
編集:リー・スミス
音楽:バーカード・ダルヴィッツ

出演
ヤヌシュ・ヴィスチェック:ジム・スタージェス

ミスター・スミス:エド・ハリス
イリーナ/ジュリンスカ:シアーシャ・ローナン
ヴァルカ:コリン・ファレル
アンドレイ・カヴァロフ:マーク・ストロング
ヴォス:グスタフ・スカルスガルド
トマシュ:アレクサンドル・ポトチェアン
カジク:セバスチャン・アーツェンドウスキ
ゾラン:ドラゴス・ブクル

アメリカ 映画
配給
Newmarket Films

Exclusive Film Distribution
Meteor Pictures
2010年製作 132分
公開
北米:2010年12月29日
日本:2012年9月8日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $2,701,859
世界 $20,348,249


アカデミー賞 ■

第83回アカデミー賞
・ノミネート
メイクアップ賞


*詳細な内容、結末が記載されています。

ストーリー ■

1939年。
第二次世界大戦勃発でポーランドは、ナチス・ドイツソ連の侵攻により分断された。

ポーランド兵ヤヌシュ・ヴィスチェック(ジム・スタージェス)は、”内務人民委員部”に逮捕される。

ヤヌシュは、拷問を受けた妻に、共産党及びスターリンを批判し、外国のためのスパイ活動もしていたと、係官の前で証言されるが、彼はそれを否定する。

1940年、シベリア
極寒の収容所に移送されたヤヌシュは、労働キャンプに向かい、氷に閉ざされた広大な土地からの脱出が、不可能であることを知らされる。

ヤヌシュは、アメリカ人地下鉄エンジニアのミスター・スミス(エド・ハリス)に厳しい現実を知らされ、俳優のアンドレイ・カヴァロフ(マーク・ストロング)と親しくなる。

スパイ活動の罪で20年の刑のヤヌシュは、破壊工作で10年のカヴァロフに、容疑を認める署名をしていないことを伝える。

犯罪集団”ウルキ”に属する、ヴァルカ(コリン・ファレル)に注意するよう言われたヤヌシュは、彼ら”資本家”が、自分達の様に政治犯ではないため、看守も公認していることをかカヴァロフから知らされる。

逃げる方法がないかを尋ねたヤヌシュは、言葉に気をつけなければ、命がなくなるとカヴァロフに助言される。

その直後、唯一人ナイフを持つヴァルカは、逆らう囚人を容赦なく刺殺する。

数日後、カヴァロフは、脱走する方法はあり、南に向かいモンゴルに向かうには、食料を確保し春まで待たなければならないことをヤヌシュに伝える。

ある日、労働作業の移動中に吹雪に遭ったヤヌシュらは、森に入るべきだと言って、銃を向ける看守を無視するミスター・スミスの勇気に感心する。

囚人らは看守の指示で森に向かい、ヤヌシュは、同国人のケーキ職人である画家志望のトマシュ(アレクサンドル・ポトチェアン)、夜盲症のカジク(セバスチャン・アーツェンドウスキ)、ラトビア人牧師のヴォス(グスタフ・スカルスガルド)、そしてミスター・スミスらと親交を持つ。

その後ヤヌシュとミスター・スミスらは、炭坑労働に移されてしまう。

ヤヌシュは過酷な労働に正気を失いかけるが、看守に射殺されそうになったところを、ミスター・スミスに救われる。

逃げる方法があると、ミスター・スミスに伝えたヤヌシュだったが、それは、カヴァロフが新入りに必ず話す嘘だと言われる。

しかしミスター・スミスは、本気であれば自分も一緒に逃げることをヤヌシュに約束する。

脱出決行をカヴァロフに告げたヤヌシュだったが、彼はそれを拒み、話をしたことを否定する。

ミスター・スミスは、カヴァロフが脱出方法を知っていると言う男からそれを聞き出し、ヴァルカはヤヌシュらの計画に乗ろうとして彼を脅す。

そして、ヤヌシュ、ミスター・スミス、トマシュ、カジク、ヴォス、ヴァルカ、ユーゴスラビア人の会計士ゾラン(ドラゴス・ブクル)の7人は収容所を脱走する。

吹雪の中、ゆく手を阻まれた7人だったが、ヤヌシュは逃亡するには絶好のチャンスだと言って前進する。

難を逃れたヤヌシュは、ヴァルカがカヴァロフのコートを着て食料を持っていることに気づく。

ヴァルカは、計画をバラそうとしたカヴァロフの”口止め”をしたと話す。

人生のほとんどを山で暮らしていたヤヌシュは、草やコケを見て方角を知りバイカル湖を目指す。

その後、夜盲症のカジクが薪を拾いに行って道に迷い、仲間達の場所まであと一歩のところで、国境に着いた幻覚を見ながら凍死する。

カジクを埋葬した6人は南に向かい、雪のない山岳地帯に到着する。

食料がなくなり、ヴァルカは、弱って死んだ仲間を食べることをヤヌシュに提案する。

ヤヌシュは、バイカル湖を探すために単独で出発し、3日の距離だということを確認して仲間の元に戻る。

その後、湖を目前にした6人は、付けられていることに気づき、食料を欲しがるポーランド人の少女イリーナ・ジリンスカ(シアーシャ・ローナン)を見つける。

ヤヌシュは、足手まといになると言うミスター・スミスらの意見を聞き入れ、仕方なくイリーナを置いて行く。

湖畔に着いた6人は、ぬかるみにはまっていた鹿を捕獲する。

ヴォスはイリーナを見捨てることができず、彼女を迎えに行き食料を与える。

7人は身綺麗にして出発の準備をするが、ミスター・スミスやヴァルカはイリーナを信用しない。

出発した7人だったが、ミスター・スミスは、両親を殺され酷い目に遭ったというイリーナの嘘を見抜き、二度と嘘をつくなと警告する。

その後、村の手前で警戒するヤヌシュらは、ヴァルカがいないことに気づく。

ヴァルカは食料や酒を手に入れて戻り、その夜、彼はイリーナが路上育ちだったことを知る。

共産主義者だった両親とモスクワで暮らしていたイリーナは、両親がスパイ容疑で逮捕されたため、弟と養護施設に入れられた。

弟は死亡し、本名が”ジュリンスカ”だと言うイリーナは、施設を脱走したのだった。

湖を離れた7人は、イリーナが情報交換をして、収容所では話さなかった各人の職業や身の上を知る。

イリーナは、息子を銃殺されたミスター・スミスに優しく接する。

シベリア鉄道と国境を越えたヤヌシュは、ソ連に残ると言うヴァルカに別れを告げる。

モンゴル入りした6人は、その地も共産化されていることに気づくものの、前進するしか道はなかった。

その後6人は、スターリンの要求に応じて破壊されたラマ教寺院を見つける。

ヤヌシュは、チベットを越えてインドに向かうことを考えるが、それにはヒマラヤを通る必要があった。

6人は、遊牧民の少年から水を渡され、ゴビ砂漠を渡ることになり、覚悟を決めて南に向かう。

やがて水がなくなり、木が見えると言うミスター・スミスは、それが蜃気楼で、方角が違うと指摘するヤヌシュの言葉を聞き入れずに、その場に向かい歩き出す。

皆がそれに続いたため、ヤヌシュも仕方なく後追い彼らは泉を見つける。

食糧もないまま、水だけを確保した6人は再び歩き始め砂嵐を切り抜ける。

しかし、イリーナが日射病にかかり、皆に見守られながら静かに息を引き取る。

その後、トマシュも力尽きて死亡し、山を目前にミスター・スミスは歩けなくなり、ヤヌシュは、ヴォスとゾランを先に行かせる。

ヤヌシュはミスター・スミスを連れて二人に追いつくが、水はなかった。

翌朝、ゾランがわずかな水を見つけて、ヤヌシュらは蛇を捕まえて食糧にする。

衰弱し切ったミスター・スミスは、自分を置いて行くようにとヤヌシュを説得する。

その気のないヤヌシュは、自殺せずに生き続けることが、抗議、そして息子をソ連に連れてきた罰でもあると語るミスター・スミスに、一生それを背負うのかを尋ねる。

ミスター・スミスは、拷問されて証言を強要されたヤヌシュの妻と、息子も同じ目に遭い射殺されたことを伝える。

妻は殺されずに、解放され生きていると言うヤヌシュは、自分自身を許せないだろう彼女を、許すつもりだと語る。

ヤヌシュは、自分を責めることはないと、妻に告げたいだけだとミスター・スミスに伝える。

翌朝、ミスター・スミスは先頭に立ち歩き始め、ヤヌシュらはそれに続く。

川にたどり着いた4人は体力を回復し、チベット入りしてヒマラヤで現地民に歓迎される。

インドに続く道はあるのだが、春まで待つことを勧められ、4人はある家族に世話になる。

ヤヌシュは直ぐにでも旅立とうとするが、ヴォスとゾランはその場に滞在することを決め、ミスター・スミスは、中国に向かい、アメリカ軍と合流することを考える。

翌日、ヤヌシュは独りで旅立つが、ヴォスとゾランは彼を追い、三人は山を越えてインドのある村にたどり着く。

三人は村人に歓迎され、ヤヌシュは、シベリアから歩いて来たことを伝える。

1945年5月8日、ヨーロッパ連合軍が勝利し、その後、ソ連ポーランド共産主義化して、東ヨーロッパは”鉄のカーテン”で覆われる。

1956年、ハンガリー動乱、1961年、”ベルリンの壁”の建設、1968年、ソ連軍がプラハに侵攻(チェコ事件)し、1980年、ポーランド民主化運動が活発化、1989年、共産主義体制は崩壊し、ポーランドは自由となった。

そして、ヤヌシュは、妻の元に帰る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1940年、シベリア
スパイ容疑で、ソ連の”内務人民委員部”に逮捕されたポーランド人のヤヌシュ・ヴィスチェックは、政治犯として極寒の収容所に移送される。
元俳優のカヴァロフと親しくなったヤヌシュは、脱出方法があると言う彼と共に準備を始める。
アメリカ人の鉄道技士ミスター・スミスや、犯罪組織の男ヴァルカら7人と共に、ヤヌシュは収容所を脱出する。
厳しい自然環境の中、仲間を失いつつも南に向かいバイカル湖に到着したヤヌシュらは、そこで、ポーランド人の少女イリーナに出会う。
ミスター・スミスやヴァルカはイリーナを警戒するが、彼女は両親を殺されて弟も亡くし、あらゆることをして生き延びた少女だった。
そしてヤヌスらは、国境を越えてモンゴル入りし、最大の難関であるゴビ砂漠を渡り、チベットからヒマラヤを越え、インドを目指して前進するのだが・・・。
__________

それほど大規模な公開もされなかった作品ではあるが、名匠ピーター・ウィアーの元に、若手やベテランを含めた実力派が集結した、その豪華キャストも注目だ。

ロケの苦労が伝わる、極寒や灼熱の地での撮影、善悪を超越した、人間の勇気や逞しさをストレートに描く、ピーター・ウィアーの力感溢れる演出は見応え十分だ。

シベリアに強制移送され収容された主人公らは、過酷な労働環境で死と隣り合わせの日々を送るのだが、脱走後の敵が看守や銃器ではなく、とてつもなく広大な大地、大自然の脅威だというところがポイントで、リアルなサバイバル劇が展開する。

脱走後は人的妨害はなく、疲労や空腹との戦いに徹した描写も凄まじいばかりだ。

第83回アカデミー賞では、メイクアップ賞にノミネートされた。

弱々しい青年が似合いそうなジム・スタージェスは、仲間達を自由に導くリーダーとして、体当たりの演技で熱演している。

彼の重厚な演技だけでも価値がある、息子を亡くし、心に傷を持つ鉄道技師エド・ハリス、激動の時代を逞しく生き抜く少女役シアーシャ・ローナン、悪党ではあるが、人間味溢れる役柄を好演するコリン・ファレル、主人公に脱走の提案をする元俳優マーク・ストロング、父ステラン、兄アレクサンダーと同じく、長身が際立つ囚人役のグスタフ・スカルスガルド、同じくアレクサンドル・ポトチェアンセバスチャン・アーツェンドウスキドラゴス・ブクルらが共演している。


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