西部の男 The Westerner (1940) 4/5 (25)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

馬泥棒の罪で捕えられた流れ者と、強引な手法で開拓地を統治する”判事”ロイ・ビーンの奇妙な友情と戦いを描く、製作サミュエル・ゴールドウィン、監督ウィリアム・ワイラー、主演ゲイリー・クーパーウォルター・ブレナンドリス・ダヴェンポートフォレスト・タッカー他共演による西部劇の秀作。


西部劇


スタッフ キャスト ■

監督:ウィリアム・ワイラー
製作:サミュエル・ゴールドウィン
原案:スチュアート・N・レイク
脚本
ニーヴン・ブッシュ

ジョー・スワーリング
W・R・バーネット
リリアン・ヘルマン
オリヴァー・ラファージ
撮影:グレッグ・トーランド
編集:ダニエル・マンデル
美術・装置:ジェームズ・バセヴィ
音楽
ディミトリ・ティオムキン

アルフレッド・ニューマン

出演
コール・ハーデン:ゲイリー・クーパー

ロイ・ビーンウォルター・ブレナン
ジェーン=エレン・マシューズ:ドリス・ダヴェンポート
キャリフェト・マシューズ:フレッド・ストーン
ウェイド・ハーパー:フォレスト・タッカー
チキンフット:ポール・ハースト
サウスウェスト:チル・ウィルス
リリー・ラングトリーリリアン・ボンド
バート・コブル:ダナ・アンドリュース
モート・ボロー:チャールズ・ハルトン
シャド・ウィルキンス:トレヴァー・バーデット
キング・エヴァンス:トム・タイラー
ヘンリー・ウィリアムス:ジャック・ペニック

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ

1940年製作 100分
公開
北米:1940年9月20日
日本:1951年1月11日
製作費 $1,000,000


アカデミー賞 ■

第13回アカデミー賞
・受賞
助演男優賞(ウォルター・ブレナン
・ノミネート
原案・美術賞(白黒)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

南北戦争後、人々は西へと向かう。

判事ロイ・ビーンウォルター・ブレナン)は、独断で牛飼い達を統治していた。

入植者達は畑を耕し始め、そして両者は争い始める。

1882年、テキサスフォート・デイヴィス
土地を牛飼いに荒らされた入植者のシャド・ウィルキンス(トレヴァー・バーデット)が捕えられ、ビーンの元に連れて行かれる。

ヴィネガローン
ビーンはシャドを牛殺しの罪で裁き、容赦なく絞首刑にする。

酒場の経営者でもあるビーンは、仲間達と共に店に向い、憧れのイギリス人女優”リリー・ラングトリー”のために乾杯する。

葬儀屋のモート・ボロー(チャールズ・ハルトン)は、ビーンにシャドの遺体の処置を指示される。

その後、馬泥棒容疑で捕えられたコール・ハーデン(ゲイリー・クーパー)が連行される。

馬の持ち主であるチキンフット(ポール・ハースト)がそれを確認したため、ハーデンは裁かれることになるが、彼はそれを否定する。

そこに入植者のジェーン=エレン・マシューズ(ドリス・ダヴェンポート)が現れ、連れ去られたシャドの行方を聞く。

ビーンは、法廷が開廷中だと言ってジェーンを座らせ、ハーデンが罪状を否認したため、チキンフットに馬を中に入れるよう指示する。

チキンフットに自分の馬だと立証させたビーンだったが、ハーデンからそれを買ったと言われる。

見ていられないジェーンは口を挟み、その場から去るようにという指示には従うが、追い出そうとしても入植者は次々と現れると言って出て行く。

陪審員に協議させてる間ビーンは、金を払ったハーデンと酒を酌み交す。

ハーデンがリリーのファンだと知ったビーンは、本人に会ったことがあると言う彼の話に聞き入る。

リリーの髪の毛まで持っていると言うハーデンは、それがエルパソにあることを伝える。

ビーンはそれを手紙で取り寄せることを指示し、ハーデンは2~3週間はかかると答える。

カードしかしていなかった陪審員のチキンフットらは戻り、ビーンにハーデンが有罪と伝える。

ビーンは、有罪で絞首刑だという判決を言い渡すが、リリーの友人が罪を犯すとは考えられないと語り、刑の執行を数週間延期し調査をすることを告げて閉廷する。

そこに現れたキング・エヴァンス(トム・タイラー)に、60ドル貸したと言いがかりをつけたハーデンは突き倒される。

その場を離れたエヴァンスを追い殴り倒したハーデンは、彼の所持金から60ドルだけを抜き取る。

ハーデンは、自分に馬を売った男がエヴァンスだとビーンに伝える。

ビーンは、隠し持っていた銃を手にしようとしたエヴァンスを射殺する。

エヴァンスの所持金を罰金として徴収したビーンは、既に死んでいる彼を絞首刑にしろと命ずる。

酒場に戻ったビーンとハーデンは、エルパソに乾杯する。

翌朝、ハーデンはビーンと寝床を共にしたことに気づく。

目覚めたビーンは、ハーデンが誰かを思い出せない。

ハーデンは、ポーカーで馬を賭けて勝ったとビーンに伝え、それに乗って町を離れる。

酒を飲もうとしたビーンは、昨日のことを思い出しハーデンを追う。

ハーデンに飛び掛かったビーンは、の髪の毛はどうなったのかを尋ねる。

これから郵便を送るところだと言うハーデンが気に入っていたビーンは、しばらくこの場で暮らすことを提案する。

ハーデンはカリフォルニアに行きたいと答えるが、犯人が捕まっても執行猶予中だと言う、ビーンの言葉を無視して馬で走り去る。

その頃、ビーンらの暴挙に嫌気がさしたバート・コブル(ダナ・アンドリュース)やヘンリー・ウィリアムス(ジャック・ペニック)は、ジェーンの父キャリフェト・マシューズ(フレッド・ストーン)の説得も聞かずに土地を離れる。

ジェーンに意見を求められた隣人のウェイド・ハーパー(フォレスト・タッカー)は、考えがあると言って仲間達の元に向い、ビーンに復讐し仲間の敵を討つことで意見が一致する。

そこに、裁かれて死刑になったと思っていたハーデンが現れたためジェーンは驚き、戻って来たウェイドを彼に紹介する。

ジェーンらはハーデンを歓迎して食事を共にし、彼が自分達のために労働してくれると考える。

父にハーデンをおだてるよう指示されたジェーンは、定住するつもりのない彼が去ろうとするため、ハンサムだと伝える。

ハーデンは戸惑い、出発は翌日にすることを伝える。

翌日ハーデンは、ジェーンにトウモロコシ畑から牛を追い払う仕事を快く引き受ける。

そこにマシューズが戻り、ウェイドが仲間達と共に町に向い、ビーンへの復讐をしようとしていることを伝える。

それを聞いたハーデンは、ビーンの元に向い逃げるよう警告するものの聞き入れられない。

ハーデンはビーンを殴り気絶させて、ウェイドらを待つ。

現れたウェイドらにビーンが留守だと伝えたハーデンだったが、ビーンは銃を持って現れる。

ビーンにウェイドらの銃を取り上げるよう指示されたハーデンは、ビーンの銃も奪う。

ハーデンは友好的な話し合いをさせようとするのだが、ビーンは、隠し持っていた銃をウェイドらに向けて土地から出て行くように命ずる。

ウェイドは柵を作るために帰ると言うが、ビーンは棺桶も用意しておけと言い放つ。

ビーンは銃をウェイドらに返して追い払う。

ハーデンは、政府公認で入植が認められている人々の権利を語り、苦労している人々を助けて真の判事になるようビーンを説得する。

戻ると言うハーデンにリリーの髪の毛のことを確認したビーンは、エルパソではなく、それがマシューズの家にあることを伝える。

自分で指揮を執って畑の牛を集めることをビーンに約束させたハーデンは、マシューズの家に向かう。

ジェーンらの元に戻ったハーデンは、双方が歩み寄るために手は尽くしたと伝え、ビーンに牛を集めさせることを約束させたことも付け加える。

それを信じないウェイドがハーデンを嘘つき呼ばわりしたため、二人は殴り合いの喧嘩になる。

ウェイドを叩きのめしたハーデンは、ジェーンの髪の毛を切らせてもらおうとする。

ジェーンにそれを拒まれたハーデンは、彼女に好意を示して髪を切らせてもらい、それを大切に扱い財布に入れて立ち去る。

その後、ビーンと共に牛を集める監視するハーデンは、彼の要求でリリーの話をする。

リリーテキサスを気に入り、住んでみたいと言っていたという話を聞いたビーンは満足する。

そしてハーデンは、ビーンをじらせながら例の”髪の毛”を渡し、手放したことで気落ちしているように見せる。

平穏な日々は続き、入植者は実ったトウモロコシ畑を前にして主の恵みに感謝する。

ハーデンは、家を建てたいと言う今後の夢を語るジェーンと親交を深める。

その時、チキンフットらがトウモロコシ畑に火を放ち、ハーデンがそれに気づく。

ハーデンは、ウェイドらと協力してトウモロコシを倒し、火を食い止めようとする。

チキンフットらは、留守だった入植者の家にも火を放つ。

ハーデンは怪我をしたウェイドに気づき、彼を助けて燃え続ける畑から脱出する。

家に戻ったジェーンだったが、マシューズは、チキンフットらの馬に踏み潰される。

ウェイドを運んだハーデンは、逃げ惑う人々と焼け崩れる建物を前に何もできなかった。

その頃ビーンは、リリーの名をとって町を”ラングトリー”と改名する。

もうじき現れるリリーの公演を必ず見に行くよう命じたビーンは、仲間達と共に気勢を上げる。

ジェーンを見つけたハーデンは、マシューズが亡くなったことを知り、彼女と共に祈りを捧げる。

入植者はこの地を去るが、ジェーンは一人でも残ると言って、自分達を裏切ったと言ってハーデンの協力を拒む。

ハーデンは町に向い、リリーフォート・デイヴィスに来ると言って興奮するビーンと話す。

ビーンは火事についてを聞かれて関与を否定するが、リリーの髪の毛に誓えとハーデンに言われ、自分が指示したと白状する。

ハーデンはビーンに対し、必ず自分が逮捕すると言い放ちその場を離れる。

フォート・デイヴィス
郡保安官補となったハーデンは、ビーンの逮捕状を受け取る。

ハーデンが郡保安官補になったことを知った牛飼いのサウスウェスト(チル・ウィルス)は、リリーの公演のチケット全席を買い占めてビーンの元に戻り、劇場には近づかい方がいいと彼に忠告する。

それを無視したビーンは、自分のチケット以外を燃してしまい、劇場までは仲間達と向かい、中には一人で入りリリーを独占するとチキンフットらに伝える。

フォート・デイヴィス
ハーデンは、ビーンらが到着したことを確認して裏口から劇場に入る。

ビーンは客席の特等席に座り、一人で開演を待つ。

ステージは始まり幕が開くが、現れたのはリリーではなくハーデンだった。

演奏者などはその場から去り、そしてハーデンとビーンの撃ち合いは始まる。

早撃ち対決をしようとした二人だったが、銃弾を受けていたビーンは倒れてしまう。

リリーに会えないと言うビーンに、舞台の裏で彼女が待っていることを伝えたハーデンは、彼を抱きかかえて楽屋に向かおうとする。

ビーンは直前で歩くと言い出し、ハーデンに寄り添われてリリーリリアン・ボンド)と対面する。

ハーデンは、リリーに長年のファンであるビーンを紹介し、彼女は満面の笑みを見せる。

ビーンは感激しながら倒れ込み息を引き取り、その手に髪の毛が握られていることをハーデンは確認する。

ハーデンは客席に向い、ビーンのサーベルを手にして立ち去る。

その後、ハーデンとジェーンは結婚して家を建て、入植者が戻って来たことを喜ぶ。

ハーデンは、テキサスが一層栄えるだろうと語りながら、ジェーンとの愛を確かめる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1882年、テキサス
強引な手法で土地を統治する判事ロイ・ビーンは、入植者を捕えて容赦なく絞首刑にする。
酒場の経営者でもあるビーンは、イギリス人女優”リリー・ラングトリー”に憧れその思いは異常だった。
そこに連行された、馬泥棒のコール・ハーデンを裁こうとしたビーンは、彼がリリーと会ったことがあり、髪の毛まで持っているというので刑を延期する。
ビーンと飲み明かし、翌日その場を去ったハーデンは、入植者ジェーンらが虐げられていることを知り、ビーンと彼女らの争いを友好的に解決する方法を探るのだが・・・。
_______

暴挙とも言える統率力で土地を統治するロイ・ビーンの圧倒的な個性を強調しながら、善悪の狭間をかいくぐる主人公を絡めた巧みに練られた脚本、ウィリアム・ワイラーの細部までこだわる緻密な映像描写と丁寧な演出が冴える西部劇の名作。

悪党の親玉にしか見えない法の番人の弱点を見抜き操る主人公が、入植者側に付きながら平和的に解決させようとするという、善と悪の単純な対決でない展開がなかなか面白い。

結局は主人公らの対決になるのだが、二人のほのかな友情も描かれるクライマックスがまたいい。

第13回アカデミー賞では、助演男優賞(ウォルター・ブレナン)を受賞し、原案、美術賞(白黒)にノミネートされた。

流れ者のガンマン風ではあるが、飄々とした雰囲気で判事ロイ・ビーンを翻弄するゲイリー・クーパーの好演は光る。

その主演ゲイリー・クーパーを完全に喰ってしまったと言えるウォルター・ブレナンは、極悪非道な男として登場しながら、憎めない愛すべきキャラクターで出色の名演を見せる。
彼は本作で3度目のアカデミー助演男優賞を受賞し、この記録は未だに破られていない。

前年の「風と共に去りぬ」(1939)の”スカーレット·オハラ”役を争った、勇気ある入植者の女性ドリス・ダヴェンポート、その父親フレッド・ストーン、入植者フォレスト・タッカーロイ・ビーンの手下で牛飼いのポール・ハーストチル・ウィルスロイ・ビーンが憧れる女優リリー・ラングトリーリリアン・ボンド、入植者ダナ・アンドリューストレヴァー・バーデットジャック・ペニック、葬儀屋チャールズ・ハルトン、馬泥棒トム・タイラーなどが共演している。


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