飾窓の女 The Woman in the Window (1944) 4/5 (27)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

平凡な大学の心理学の助教授が、気になっていた絵画のモデルと会ったことで、思いもよらぬ犯罪に巻き込まれるてしまうという、フィルム・ノワールの代表作にして傑作とも言える作品。
製作、脚本ナナリー・ジョンソン、監督フリッツ・ラング、主演エドワード・G・ロビンソンジョーン・ベネットレイモンド・マッセイ他共演。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:フリッツ・ラング
製作:ナナリー・ジョンソン
原作:J・H・ウォリス”Once Off Guard”
脚本:ナナリー・ジョンソン

撮影:ミルトン・R・クラスナー
編集:マージョリー・ジョンソン
音楽
アーサー・ラング

ヒューゴ・フリードホーファー

出演
エドワード・G・ロビンソン:リチャード・ウォンリー教授
ジョーン・ベネット:アリス・リード
レイモンド・マッセイ:フランク・レイラー地方検事
エドマンド・ブレオン:マイケル・バークステイン医師
ダン・デュリエ:ハイト/ティム
アーサー・ロフト:クロード・マザード/フランク・ハワード/チャーリー
ロバート・ブレイク:ディッキー・ウォンリー
ドロシー・ピーターソン:ウォンリー夫人

アメリカ 映画
配給 RKO
1944年製作 99分
公開
北米:1944年11月3日
日本:1953年11月


アカデミー賞 ■

第18回アカデミー賞
・ノミネート
作曲賞(ドラマ・コメディ)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ニューヨーク、ゴッサム大学の心理学助教授リチャード・ウォンリー(エドワード・G・ロビンソン)は、妻(ドロシー・ピーターソン)と子供達ディッキー(ロバート・ブレイク)らを夏の休暇旅行に送り出す。

その後ウォンリーは、友人フランク・レイラー地方検事(レイモンド・マッセイ)と医師のマイケル・バークステイン(エドマンド・ブレオン)と共に憩いの一時を過ごす。

2人と別れたウォンリーは、酔いが回り疲れたので、クラブのラウンジで暫く休むことにする。

居眠りをしていたウォンリーは目覚め、クラブを出て、以前から気になっていた隣の画廊の絵を眺める。

すると、突然その絵のモデルだと分かる女性アリス・リード(ジョーン・ベネット)が現れ、ウォンリーは目を疑ってしまう。

意気投合した2人はバーに立ち寄り、アリスのアパートで他の絵を見せてもらうことになる。

そこに、フランク・ハワード(アーサー・ロフト)という男が現れ、いきなり2人を殴り倒しウォンリーに襲い掛かる。

ウォンリーは、アリスから渡されたはさみでフランクの背中を突き刺し、彼を殺してしまう。

呆然とするアリスは、フランクとは週に数度会う間柄で、それほど深い関係でなかったことをウォンリーに話す。

一度は自首しようとしたウォンリーだったが、身の破滅を恐れ、フランクとアリスのことが誰にも知られていないことを幸いに、遺体を始末し証拠を消そうとする。

ウォンリーは、彼女を見捨てないということを約束して、着ていたベストを置いていく。

ウォンリーの名前も知らないアリスは、”R・W”と刻印されたペンがベストにあったのを見つける。

車を用意したウォンリーは、遺体から身元がわかりそうなものを抜き取り、その中から”C・M”と刻まれた懐中時計を見つける。

ウォンリーは、遺体を毛布にくるんで車に乗せ、アリスに別れを告げる。

遺体を無事に林に捨てたウォンリーは、有刺鉄線に手首を引っ掛けてしまう。

その後、平穏な生活に戻ったウォンリーは、フランクらとクラブにいる際に、”クロード・マザード”という男が行方不明になっていることを知る。

著名な財界人だという、クロード・マザードの人物像を聞き出したウォンリーは、自分が殺した人物の懐中時計のイニシャルが”C・M”だったことを思い出す。

クロード・マザードの捜査が始まり、彼の会社が、情報提供者に1万ドルを出すということを聞いたウォンリーは動揺する。

やがて、ボーイスカウトによりクロード・マザードの遺体が発見される。

ウォンリーは、遺体遺棄現場のタイヤ痕や足跡から、犯人が早々に割り出されるだろうと言う、レイラー検事の見解を聞く。

さらに、柵に犯人が付けた血液が残されていたことを聞いたウォンリーは、”有刺鉄線”の血ぐらいで血液型が判明するのかとレイラーに質問してしまう。

現場を見ていないはずなのに、”有刺鉄線”だと察したウォンリーの洞察力に感心するレイラーだったが、心中穏やかでないウォンリーは動揺する。

しかし、心理学者であるウォンリーはそれを逆手に取り、わざと手首の傷を見せたりもするが、レイラーはそれを見て笑い飛ばす。

レイラーは推理を働かせ、被害者には女がいて、違う男に出くわし殺され林に捨てられ、今は、どちらかが捕まり真相がバレるのではないかと怯えているというのだ。

さらにレイラーは、被害者には護衛が付けられていて、その人物が殺したか、犯人を知り脅迫しようとしているのではという説も語る。

翌日、レイラーに死体遺棄現場に誘われたウォンリーは、容疑者の女が逮捕されたことを知る。

現場に着いたウォンリーは、警察の捜査能力の高さに驚き、その上をいく証拠が署内にあることも知らされる。

レイラーは、ウォンリーの、漆でかぶれた手のことを知っていて、現場にも漆があったのだが、彼はウォンリーを疑おうとはしない。

容疑者の女が現場に連行され、ウォンリーはその女がアリスではないことを察し、帰宅して衣服など証拠品になりかねない物を焼却する。

ウォンリーが、大学の学部長になったという新聞記事を読んだアリスは、彼の名前と所在を知り、電話をかけて様子を窺う。

その後、アリスの元に、被害者の後を何ヶ月もつけていたというハイト(

)が現れ、彼女を脅して部屋を探る。

そしてハイトは、アリスがウォンリーのベストから盗んだ”R・W”と刻まれたペンを探し当てる。

アリスは、ハイトに現金で5000ドル要求されてウォンリーに相談するが、彼は自分に処方された劇薬でハイトの抹殺を計画し、彼女に実行させる。

しかし、ハイトはその企みを見破り、アリスが隠していた被害者の懐中時計と現金を奪い、彼女にさらに金を要求する。

それを知ったウォンリーは絶望し、劇薬を大量に飲んで自殺しようとするが、その頃、ハイトが警官に路上で撃たれ死亡する。

被害者の時計を持っていたハイトは、犯人であると断定されるが、アリスの連絡も間に合わず、ウォンリーは薬が効きはじめて意識がなくなる。

その瞬間、ほろ酔い加減のウォンリーはクラブで目覚めて帰宅しようとする。

ウォンリーが預けていた帽子を、彼に渡したチャーリー(アーサー・ロフト)を見て、”被害者”だった彼が生きていたことを喜び、自分が夢を見ていたことを確信する。

さらにウォンリーは、アリスを脅していたハイトは、ドアマンのティム(ダン・デュリエ)だったことにも気づく。

そして、”魅惑”の絵を見て微笑んでいたウォンリーの前に、タバコの火を借りに婦人が近づくのだが、彼はその場から逃げ去ってしまう。


解説 評価 感想 ■

1942年に発表された、J・H・ウォリスの著書”OnceOff Guard”(後に原題に同じ”The Woman in the Window”となる)の映画化。

公開時はラストが不評だとも言われたが、フィルム・ノワールの代表作にして傑作と言える作品でもある。

評判となった作品は、翌年ほぼ同じスタッフ、キャストで「緋色の街/スカーレット・ストリート」(1945)が公開された。

*(簡略ストー リー)

平凡な毎日を送る大学の心理学の助教授リチャード・ウォンリーは、日頃から気になっていた絵画のモデル、アリスと偶然に知り合い、意気投合する。
アリスのアパートで絵を見せてもらうことになったウォンリーだったが、そこに、彼女の愛人らしき男フランクが現れ、2人は襲われてしまう。
しかし、ウォンリーがフランクを殺害してしまい、彼は動揺して自首しようともする。
ウォンリーは、立場上、身の破滅を悟り、考えた挙句に完全犯罪を実行するのだが、事件は思わぬ方向に向かう・・・。
__________

予備知識がなく、初めて本作を見た場合、”フィルム・ノワール”作品に出演するエドワード・G・ロビンソンは、間違いなく悪役で登場するであろと考える。
顔は厳ついが、家族思いで温厚そうな中年紳士として登場する彼に驚いていると、たちまち彼が殺人を犯してしまうのには、度肝を抜かれてしまう。

冒頭から、フリッツ・ラングの魔術のような、スリリングな演出に翻弄されてしまい、物語に引き込まれながら、クライマックスの主人公の行動に頭を抱えた瞬間、とてつもないどんでん返しが待ち受けているという、ナナリー・ジョンソンの脚本も圧巻だ。

第18回アカデミー賞では、アーサー・ラングヒューゴ・フリードホーファーが、作曲賞(ドラマ・コメディ)にノミネートされた。

怯える平凡な学者、専門の心理学を利用した絶妙な偽のアリバイ作り、そして恐怖に怯える犯罪者であるエドワード・G・ロビンソンの、ユーモアをまじえた重厚な演技には唸らされる。

結局は絵の中のモデルでしかなかったという、殺人の共犯者で美しいヒロイン、ジョーン・ベネット、あまりの鈍感さが、後から思うと、”夢”の証明のような検事レイモンド・マッセイと医師エドマンド・ブレオン、恐喝犯とドアマンのダン・デュリエ、被害者と主人公の帽子を預かるクラブの職員アーサー・ロフト、主人公夫人ドロシー・ピーターソンと子役時代のロバート・ブレイクが主人公の息子役で登場する


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