裏切りのサーカス Tinker, Tailor, Soldier, Spy (2011) 4.33/5 (6)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

MI6所属のスパイ小説家ジョン・ル・カレによる1974年に発表された”ジョージ・スマイリー”を主人公にしたシリーズの第一作”ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ”を基に製作された作品。
イギリス諜報部幹部に潜む二重スパイを探し出すため、その内部と国境を越えたスパイ戦を描く、主演ゲイリー・オールドマンコリン・ファーストム・ハーディマーク・ストロングキーラン・ハインズベネディクト・カンバーバッチ他共演、監督トーマス・アルフレッドソンによるサスペンスの秀作。


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ベネディクト・カンバーバッチ / Benedict Cumberbatch 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:トーマス・アルフレッドソン
製作総指揮
ピーター・モーガン

ライザ・チェイシン
ロン・ハルパーン
デブラ・ヘイワード

ジョン・ル・カレ
ダグラス・アーバンスキー
製作
ティム・ビーヴァン

エリック・フェルナー
ロビン・スロヴォ
原作:ジョン・ル・カレティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ
脚本
ブリジット・オコナー

ピーター・ストローハン
撮影:ホイテ・ヴァン・ホイテマ
編集:ディノ・ヨンサーテル
音楽:アルベルト・イグレシアス

出演
ジョージ・スマイリー:ゲイリー・オールドマン

ビル・ヘイドン:コリン・ファース
リッキー・ター:トム・ハーディ
ジム・プリドー:マーク・ストロング
ロイ・ブランド:キーラン・ハインズ
ピーター・ギラム:ベネディクト・カンバーバッチ
パーシー・アレリン:トビー・ジョーンズ
トビー・エスタヘイス:デヴィッド・デンシック
ジェリー・ウェスタービー:スティーヴン・グレアム
オリヴァー・レイコン:サイモン・マクバーニー
コントロール:ジョン・ハート
イリーナ:スヴェトラーナ・コドチェンコワ
コニー・サックス:キャシー・バーク
メンデル:ロジャー・ロイド=パック
マッケルヴォア:クリスチャン・マッケイ
アレクセイ・ポリヤコフ:コンスタンチン・ハベンスキー
カーラ(声):マイケル・サーン

イギリス/フランス/ドイツ 映画
配給 StudioCanal UK

2011年製作 127分
公開
イギリス:2011年9月16日
フランス:2012年2月8日
ドイツ:2012年2月2日
北米:2012年1月6日
日本:2012年4月21日
製作費 £20,000,000
北米興行収入 24,104,113
世界 $80,630,608


アカデミー賞 ■

第84回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優(ゲイリー・オールドマン)
脚色・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1973年、東西冷戦下。
イギリスの諜報機関”サーカス”のリーダー、コントロール(ジョン・ハート)は、工作員ジム・プリドー(マーク・ストロング)を呼び出し、極秘任務でハンガリーに向かうよう命ずる。

ブダペスト
ソ連がサーカスに送り込んだ、スパイ”モグラ”の情報を持つ亡命希望の将軍と会うよう指示されたプリドーだったが、彼はそれに失敗して命を落とす。

ビル・ヘイドン(コリン・ファース)ら幹部の前でコントロールは今回の件で責任を取り、右腕ジョージ・スマイリー(ゲイリー・ールドマン)と共にサーカスを去ることを告げる。

幹部のパーシー・アレリン(トビー・ジョーンズ)とロイ・ブランド(キーラン・ハインズ)は、”女王陛下の官吏”次官オリヴァー・イコン(サイモン・マクバーニー)に、前線でソ連の脅威を防ぐ困難を説明する。

その後レイコンは、サーカスのピーター・ギラム(ベネディクト・カンバーバッチ)が身元を保障するという男、リッキー・ター(トム・ハーディ)からの電話を受ける。

ギラムに連絡したレイコンは、屋敷にスマイリーを呼び、ターの情報で、サーカスの幹部の中に”モグラ”がいるということを知らせる。

レイコンは、部外者となったスマイリーが、この件を調べる適任者だと判断したことを伝える。

スマイリーは、それに興味を示さずに立ち去ろうとするが、レイコンは、亡くなったコントロールも、”モグラ”がいると指摘したことを伝え、真相を知りたいはずだと語る。

幹部達の顔を思い浮べながら、ギラム他の協力を得られる条件でそれを受けたスマイリーは、ホテルに滞在しながら調査を始める。

コントロールの家を調べたスマイリーは、幹部の内輪もめを思い出しながら、自分も疑われていたことと、”カーラ”もこの件に関係していることを知る。

スマイリーは、引退した者などの情報を、サーカスでギラムに入手させる。

その後スマイリーは、サーカスを辞めていたコニー・サックス(キャシー・バーク)の家を訪ねるが、彼女は解雇されたことを伝える。

コニーは、疑いをかけたソ連大使館員アレクセイ・ポリヤコフ(コンスタンチン・ハベンスキー)が、元軍人であることを突き止め、アレリンとトビー・エスタヘイス(デヴィッド・デンシック)に報告した。

ポリヤコフが、秘密部隊員を育てた”カーラ”の手先として、”モグラ”を操っていることを指摘したコニーは、それを信じようとしないアレリンに解雇されたのだった。

数日後スマイリーは、ブダペストで殺されたはずのプリドーに、その2ヵ月後、経費1000ポンドが支払われた事実をギラムに知らせる。

生存し、ロシア経由で密かに帰国していたプリドーは、教師として潜伏生活を送っていた。

その後マイリーは、姿を現したターが、サーカス又はKGBに命を狙われ、恐れていることを知る。

ターは、イリーナ(スヴェトラーナ・コドチェンコワ)というロシア人を知っているため、取引して”カーラ”から救ってほしいことをスマイリーに伝える。

昨年の11月ターは、ギラムの指示で、亡命する可能性のあるソ連の使節の監視のため、イスタンブールに向かった。

使節が、監視する価値がないと判断したターは帰国しようとするが、彼に暴力を振るわれた妻イリーナが気になり、規則を破り彼女に接触する。

ターはイリーナと愛し合うようになり、自分の正体を知る彼女から、コントロールに会いたと言われる。

重要な情報を持つイリーナは、西側の生活を条件にそれを教えることをたーに伝える。

イリーナから聞き出した情報は、最重要クラスの機密情報であったため、ターはロンドンに連絡を取る。

最前線で汚れた仕事をするスカルプハンターのターは、二重スパイに関するこの件を、自分で処理したいと考えてそれを伝えた。

ところが、ソ連側が行動を開始して現地の工作員は殺され、イリーナはオデッサ行きの船に乗せられて姿を消してしまう。

ターは、どうしてもイリーナを救いたいことをスマイリーに伝え、各方面から狙われている状況で、苦しい胸の内を涙ながらに訴える。

その後スマイリーは、11月の保安課の当直日誌を入手するようにとギラムに指示する。

保管室で日誌を手に入れたギラムは、それを鞄に入れるが、エスタヘイスに呼び止められる。

アレリンや幹部と会うことになったギラムは係官に、鞄を書類エレベーターで降ろすよう指示する。

ギラムはアレリンに最近の行動を質問され、イスタンブールで工作員を殺害し、敵のスパイと接触する規則違反を犯したターのことを問われる。

反論するギラムだったが、アレリンは、ターがソ連側に寝返った証拠を伝え、西側に送り返されパリに姿を現したことも知らせる。

ターに会った場合は、報告するようにとアレリンに言われたギラムは追い払われ、鞄を受取りスマイリーの元に向かう。

ギラムは、その場にいたターに殴り掛かるが、スマイリーは、彼が協力者だと言って擁護する。

ターが報告を入れた日の日誌のページが、破棄されていることを指摘したスマイリーは、サーカス内部の者がターを陥れようとしていることをギラムに伝える。

混乱して疲労を隠せないギラムを誘ったスマイリーは、かつて”カーラ”に一度だけ会い、ライターを渡した話などをする。

”カーラ”の心が読める住まいリーは、必ず倒せるという自信を見せるが、彼の姿を思い出すことはできなかった。

スマイリーは、今後は監視され続け、覚悟を決めておくようにとギラムに忠告する。

数日後スマイリーとギラムは、プリドーが殺された日の当直であり、解雇されたジェリー・ウェスタービー(スティーヴン・グレアム)に会い、事件の報告をコントロールにした際の話を聞く。
___________

コントロールから指示が得られないため、ウェスタービーは緊急報告をスマイリーにするが、彼はベルリンに出張中だった。

それを知ったヘイドンは、親友が撃たれたことで激怒して、報復措置をとる用意があることをハンガリー側に伝える。

ヘイドンは、ウェスタービーを伴いプリドーの家に向かい、自分達との関係の証拠を消そうとする。
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その話でギラムはヘイドンを疑うが、スマイリーは、その日、彼が自分の家にいたことを伝えてそれを否定する。
(ヘイドンが妻と関係していることにも気づく)

潜伏しているプリドーに会ったスマイリーは、コントロールから命令を受けた時の話を聞く。
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バカげた話だと思ったプリドーだったが、彼はコントロールから、聞き出した”モグラ”の名前を暗号名で報告するよう言われる。

アレリン”ティンカー”(鋳掛け屋)、ヘイドン”テイラー(仕立屋)、ブランド”ソルジャー”(兵隊)、エスタヘイス”プアマン”(貧乏人)、そして5人目がスマイリーだった。

任務と割り切りブダペストに向かったプリドーは、銃撃されて軍の病院に運ばれ拷問を受けた。

全てを話し、現地の情報網を逃がすために時間稼ぎをしたプリドーだったが、仲間は捕えられ、彼が裏切ったことになった。

プリドーは、コントロールがどこまで知っているかを、現れた”小男”に問われる。

連れて来られたイリーナを、プリドーが知らないと言った瞬間、彼女は射殺された。
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自分のことも問われたかを聞いたスマイリーは、”小男”が、かつて渡したライターを持っていたというプリドーの話で、その男が”カーラ”だと気づく。

ギラムに会ったスマイリーは、イギリスに帰国させられたプリドーをエスタヘイスが訪ね、1000ポンドと車を渡し、サーカスには戻らず、全てを忘れるよう指示されたことを伝える。

エスタヘイスが、コントロールが付けた暗号名まで知っていたこともスマイリーは付け加える。

誰が裏切り者か、考えをめぐらせるスマイリーはレイコンと外務英連邦大臣に会い、アレリンらが、ポリヤコフと接触している隠れ家があることを指摘する。

別の作戦”ウィッチクラフト”の情報を渡すと見せかけて、”モグラ”からの情報を入手し、”カーラ”に渡すのが目的だとも伝える。

スマイリーは、二人が、コントロールを追い払い”カーラ”に接近してCIAと連携を決めたために、情報がモスクワに流れている現状では、”ウィッチクラフト”はイギリスではなく、アメリカの情報を入手するために”カーラ”が操っていると言い切り、その場を去ろうとする。

焦った大臣は、スマイリーに対処方法を求め、彼は”モグラ”が欲しいものが一つあることを知らせる。

その後スマイリーは、イリーナが殺されたことを伝えないまま、彼女を救い出すことを条件に、ターをパリに向かわせる。

エスタヘイスを連れ出したスマイリーは、情報資料をソ連の大使館員に渡したことを認めさせて脅し、ポリヤコフと会う場所を吐かせる。

パリ
支局に向かったターは、”モグラ”が誰か知っているという情報をロンドンに伝える。

スマイリーは、ギラムと共にその場に向かい内部を調べ、銃を用意して、現れるはずのポリヤコフと”モグラ”を待つ。

待機していたギラムは、ポリヤコフと、”モグラ”だったヘイドンに銃を向けるスマイリーの元に向かう。

その後、ソ連に移送される予定の、拘束されたヘイドンに面会したスマイリーは、いくつか後始末を任される。

スマイリーは、ブダペストに行く前に会いに来たプリドーが、”モグラ”だと気づいていたことを彼に認めさせ、乱れるばかりの西側を捨てて、東側を選んだ理由を聞かされる。

ヘイドンと妻との関係にも気づいていたスマイリーは、彼が”カーラ”の指示で、妻を誘惑していたことを知らされる。

交換条件でソ連側に引き渡されるヘイドンに、裏切られた思いのプリドーは、親友を狙撃して殺す。

その後、スマイリーはサーカスに復帰してリーダーとなる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1973年、東西冷戦下。
イギリスの諜報部“サーカス”のリーダーであるコントロールは、5人の幹部の中にソ連の二重スパイ“モグラ”がいるという情報を入手する。
ハンガリーの将軍が、“モグラ”の名前との交換条件に亡命を希望したために、コントロールは、工作員プリドーを派遣する。
しかし、ブダペストでの作戦は失敗してプリドーは殺され、その責任をとり、コントロールと右腕のジョージ・スマイリーはサーカスを去る。
その後、”女王陛下の官吏”の次官レイコンは、最前線で汚れた仕事をするスカルプハンターのターから、幹部の中に”モグラ”がいるという情報を得る。
レイコンはスマイリーを呼び出し、幹部の中に潜む”モグラ”を探し出すことを依頼する。
それを断ったスマイリーだったが、コントロールも知っていた、その件の真相を究明するため行動開始するのだが・・・。
__________

ジョン・ル・カレの傑作スパイ・サスペンスであり、イギリスを代表する実力派スター競演の豪華なキャスティング、スウェーデン出身のトーマス・アルフレッドソンの英語作品初監督も注目だ。

諜報部の、それも幹部に潜むスパイ探しということで、序盤からの緊迫感溢れる展開、そして頭脳戦に引き込まれる。

いきなり殺されてしまう工作員のマーク・ストロングが、そのまま姿を消すことは考えられない、冒頭のショッキングな映像、俳優、そして役柄共に”大物”であるにも拘らず、展開に絡む度合いが異常に少ないコリン・ファースの存在が妙に気になる人物キャラクターの描写が、終盤で生かされる演出なども見事だ。

第84回アカデミー賞では、主演男優(ゲイリー・オールドマン)、脚色、作曲賞にノミネートされた。

常に広範囲の物事を分析し、洞察力のある主人公を、多くを語らずもその雰囲気や物腰で演ずる、ゲイリー・オールドマンの存在には圧倒される。

乱れる一方の西側を捨てて裏切る、サーカスの幹部コリン・ファース、前線で危険な仕事を請け負う工作員のトム・ハーディ、同じくマーク・ストロング、主人公に協力する諜報員を印象深く好演するベネディクト・カンバーバッチ、幹部キーラン・ハインズトビー・ジョーンズデヴィッド・デンシック、解雇される職員のスティーヴン・グレアム、”女王陛下の官吏”の次官サイモン・マクバーニー、サーカスのリーダー、ジョン・ハートソ連のスパイ、スヴェトラーナ・コドチェンコワ、解雇される職員のキャシー・バーク、諜報員ロジャー・ロイド=パッククリスチャン・マッケイソ連大使館員のコンスタンチン・ハベンスキー、東側のスパイ”カーラ”の声のマイケル・サーンなどが共演している。


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