脱出 To Have and Have Not (1944) 4.93/5 (27)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

1937年に発表されたアーネスト・ヘミングウェイの小説”To Have and Have Not”を基に映画化された作品。
第二次大戦下、ヴィシー政権の打倒を目指すドゴール派レジスタンスに加担する羽目になった、アメリカ人の釣り船船長の活躍を描いた、製作、監督ハワード・ホークス、主演ハンフリー・ボガートローレン・バコールウォルター・ブレナン共演による、戦時下の世情を反映した政治色の強い傑作ドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト ■

監督:ハワード・ホークス
製作総指揮:ジャック・L・ワーナー
製作:ハワード・ホークス
原作:アーネスト・ヘミングウェイ
脚本
ジュールス・ファースマン

ウィリアム・フォークナー
撮影:シド・ヒコックス
編集:クリスチャン・ナイビー
音楽
ウィリアム・レイヴァ

フランツ・ワックスマン

出演
ハリー”スティーヴ”モーガン:ハンフリー・ボガート

マリー”スリム”ブラウニング:ローレン・バコール
エディ:ウォルター・ブレナン
エレーヌ・ド・バルサック:ドロレス・モラン
クリケット: ホーギー・カーマイケル
M・ルナール警部:ダン・シーモア
ジェラール”フレンチー”:マルセル・ダリオ
ジョンソン:ウォルター・サンド
ポール・ド・バルサック:ウォルター・シュロヴィー(ウォルター・モルナー)
コーヨー警部補:シェルドン・レオナード

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1944年製作 100分
公開
北米:1944年10月11日
日本:1947年11月16日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1940年、夏、第二次大戦下。
ナチス・ドイツ支配下のフランスマルティニーク島、
フォール・ド・フランスの釣り船”クイーン・コンチ”の船長で、アメリカ人ハリー・モーガン(ハンフリー・ボガート)は、アル中の相棒エディ(ウォルター・ブレナン)を起こし、客のジョンソン(ウォルター・サンド)を連れて沖に出る。

釣りの最中、ジョンソンが竿を魚に奪われ、港に戻ることになり、ハリーは損害額を彼に請求して、その日は別れる。

ハリーは、ホテルのオーナー、ジェラール”フレンチー”(マルセル・ダリオ)から、ある者達に手を貸してくれと頼まれる。

ジェラールはこの地域のドゴール派レジスタンスで、政治問題に巻き込まれることを嫌うハリーはそれを断る。

その後、ハリーはホテルのバーで、部屋で見かけたアメリカ人女性マリー・ブラウニング(ローレン・バコール)が、ピアニストのクリケット(ホーギー・カーマイケル)と歌う姿に注目する。

マリーが、同席していたジョンソンの財布を盗むのを見たハリーは、彼女を部屋に入れて財布を受け取る。

金がないと言っていたジョンソンの財布に、1400ドルの小切手と早朝の飛行機のチケットがあるのをハリーは確認するが、そこに男達が現れる。

ハリーは、ジェラールの同志である男達の協力要請を再び断り、マリーと共にジョンソンの元に向かう。

財布を返されたジョンソンは、ハリーに中味のことを追求され、仕方なく小切手を切ろうとする。

その時、ハリーに協力を断られた男達が、ホテルを出たところで警官に襲われ、ジョンソンが流れ弾に当たって死亡する。

その後、ホテルに現れたヴィシー政権下のM・ルナール警部(ダン・シーモア)は、ハリーとマリー、そしてジェラールらを連行する。

警察署でルナールに尋問され、金とパスポートを押収されたハリーは釈放後マリーに、ヴィシー派によるドゴール派の制圧を説明する。

酒場に寄り、マリーは酒を調達して先に戻っていたハリーの部屋に行く。

どんな男でも手玉に取れる自身のあるマリーは、自分の思い通りにならないハリーに腹を立てる。

初めてのタイプのハリーに、女性らしい表情を見せたマリーは彼に心を許す。

そしてハリーは、マリーを助け、また金のためにドゴール派に手を貸すことを考える。

翌日、ルナールに襲われた男と話しをつけたハリーは、その報酬でマリーの飛行機のチケットを買い彼女に渡す。

船を出す準備をしていたハリーは、現れたエディに危険だと言って酒代を渡し追い払うが、彼は船に忍び込む。

沖に出たハリーが銃を用意し始めたため、危険なことに巻き込まないように、彼が自分を追い払おうとしたことをエディは知る。

目的地に着いたハリーは、ポール・ド・バルサック(ウォルター・シュロヴィーウォルター・モルナー)と妻エレーヌ(ドロレス・モラン)を船に乗せる。

間もなく巡視船が現れ、ハリーは発砲するが、バルサックが撃たれてしまう。

幸い傷は軽傷で、やがて現れたジェラールらのボートに二人を乗せる。

その後、ホテルに戻ったハリーは、マリーが旅立っていないことに気づき、彼女がホテルのバーで歌手として働くことを知らされる。

そしてハリーは、傷の悪化したバルサックを、ジェラールがホテルの地下で匿っていることも聞かされる。

ハリーは、ホテルの宿泊代の代わりに、バルサックの弾を摘出することをジェラールに頼まれ、仕方なくそれを承諾する。

マリーの手を借り、バルサックの弾を摘出しようとしたハリーだったが、その様子を見ていたエレーヌは失神してしまう。

バルサックの弾は摘出され、意識を取り戻したエレーヌは、ハリーに感謝して、きつい態度をとったことを謝罪する。

それを見ていたマリーは、嫉妬していることを彼女なりにハリーに知らせる。

マリーを抱き寄せたハリーだったが、ジェラールに邪魔され、エディが酒でつられ、ルナールに聞き込みをされていることを知る。

エディの元に向かったハリーは、バルサックらのことを聞きだそうとするルナールに白を切る。

ルナールはハリーを買収しようとするが、彼はその裏をかこうとする。

その夜、エディの姿が見えなくなり、ハリーは尾行され、彼はバーでそれをマリーに監視させる。

回復したバルサックの様子を見に行ったハリーは、エディが見つかり次第この場を脱出することを告げる。

バルサックが来た目的を聞いたハリーは、彼が悪魔島の監獄に入れられた政治犯を救うのが目的だと知り、再び協力を求められる。

しかし、ハリーはそれを断り、バルサックとエレーヌに別れを告げ、エディを捜そうとする。

マリーに脱出することを伝え、彼女の歌を楽しんでいたハリーだったが、部屋で待っていたエレーヌが、彼に所持品の宝石を託す。

その時、マリーがルナールが来たことを知らせ、現れた彼は、エディと引き換えにバルサックの居所の情報をハリーに吐かせようとする。

ハリーは、机に隠していた銃で警官の一人を射殺し、ルナールに銃を向け、マリーとエレーヌに出発の支度をさせる。

さらにハリーは、ルナールを脅して痛めつけエディを釈放させ、出港許可を取り、その後、彼をドゴール派に引き渡す。

ハリーはジェラールに、バルサックらを連れて悪魔島に向かうことを伝え、彼に感謝される。

そして、戻ってきたエディとマリーを連れて、ハリーはホテルを去ろうとする。

マリーは、世話になったクリケットに別れを告げ、そして、ハリーら三人は港に向かう。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

ナチス・ドイツ支配下のフランスマルティニーク島で、釣り船の船長をするアメリカ人のハリー・モーガンは、ドゴール派レジスタンスのホテルのオーナー、ジェラールから協力を要請される。
ハリーは、政治問題に巻き込まれることを嫌いそれを断るが、ヴィシー政権下の警部ルナールの横暴な態度への反発と金のためにジェラールに協力することを決める。
ホテルに現れた、アメリカ人女性マリーの存在を気にしながら、彼女の旅立ちに手を貸そうとしたハリーは、相棒でアル中のエディを伴い目的地に向かう。
そして、バルサック夫妻を船に乗せたハリーは、巡視船に襲われたため、本意ではなかった政治的混乱に巻き込まれていく・・・。
__________

同じハンフリー・ボガートの「カサブランカ」(1942)ほどの、あからさまな反ナチス・プロパガンダ映画ではないが、設定や登場人物、そして雰囲気など、類似点が多い作品となっている。

後に「The Breaking Point」(1950)、「The Gun Runners」(1958)でリメイクもされている。

親子ほど年の違う二人、ハンフリー・ボガートローレン・バコールの熱愛のきっかけになった作品。
デビュー作の彼女は、撮影当時19歳だったというのだから、その際立つ美しさと妖艶な魅力は信じ難いほどであり、二人は翌年に結婚している。

原作者ヘミングウェイに、どんな駄作でも傑作にしてみせると豪語したというハワード・ホークスの、ユーモアをまじえた骨太の演出は冴え渡り、彼独特のスタイルを知るファンにはたまらない演出となっている。

男臭いハンフリー・ボガートの魅力は痛快でもあり、上記の「カサブランカ」よりも本作を評価する声が多いのも事実だ。

頼りにならない酔いどれの相棒役で、アカデミー助演賞を既に三度受賞していた名優ウォルター・ブレナンの、男気のある主人公のキャラクターを際立たせる、抜群の役柄として実に味があり大いに楽しませてくれる。

ヒロインと同じく若く美しいレジスタンスの妻ドロレス・モラン、夫ウォルター・シュロヴィー(クレジットではウォルター・モルナー)、ピアニスト役として物語にアクセントを加えるホーギー・カーマイケル、異様な雰囲気である印象的な警部役のダン・シーモア、レジスタンスのホテル・オーナー、マルセル・ダリオ、釣り客のウォルター・サンド、警部補のシェルドン・レオナードなどが共演している。


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