馬上の二人 Two Rode Together (1961) 4.4/5 (30)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

コマンチにさらわれた白人を取り戻そうとする軍に雇われた連邦保安官と開拓民との関係を描く、監督ジョン・フォード、主演ジェームズ・スチュアートリチャード・ウィドマークリンダ・クリスタルシャーリー・ジョーンズ他、フォード一家総出演の西部劇でありファンにはたまらない一作。


西部劇

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・フォード
製作:スタンリー・シュペトナー
原作:ウィル・クック”Comanche Captives”
脚本:フランク・S・ニュージェント

撮影:チャールズ・ロートンJr.
編集:ジャック・マレー
音楽:ジョージ・ダニング

出演
ガスリー・マケーブ連邦保安官:ジェームズ・スチュアート

ジム・ゲイリー中尉:リチャード・ウィドマーク
エレナ・デ・ラ・マドリアーガ:リンダ・クリスタル
マーティ・パーセル:シャーリー・ジョーンズ
ダリウス・P・ポージー軍曹:アンディ・ディヴァイン
フレイザー少佐:ジョン・マッキンタイア
クアナ・パーカー:ヘンリー・ブランドン
オルソー・クレッグ:ハリー・ケリーJr.
アビー・フライザー:オリーヴ・ケリー
グリーリー・クレッグ:ケン・カーティス
マラプロップ夫人:アンナ・リー
ベル・アレゴン:アネル・ヘイズ
メアリー・マッキャンドルス:ジャネット・ノーラン

ウィリアム・マッキャンドルス:クリフ・ライオンズ
オリー・クヌードセン:ジョン・クゥオーレン
エドワード・パーセル判事:ポール・バーチ
ハリー・J・リングル:ウィリス・ボーシェイ
ストーン・カルフ:ウディ・ストロード
ランニング・ウルフ:デビッド・ケント
ハンナ・クレッグ:メエ・マーシュ

軍曹:ジャック・ペニック

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1961年製作 109分
公開
北米:1961年7月26日
日本:1961年5月24日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1880年代、テキサス
連邦保安官ガスリー・マケーブ(ジェームズ・スチュアート)は、60キロも移動してきた、騎兵隊の部隊長ジム・ゲイリー中尉(リチャード・ウィドマーク)を歓迎する。

ゲイリーは、グラント砦のフレイザー少佐(ジョン・マッキンタイア)の命令で、彼の旧友マケーブを迎えに来たのだった。

騎兵隊と共に旅立ったマケーブは、小休止の際ゲイリーに、気の強い酒場の女主人ベル・アレゴン(アネル・ヘイズ)に結婚を迫られていたため、連れてこられたのはかえって好都合だったと話す。

砦に着いたマケーブは、早速、司令官のフレイザー少佐に呼ばれ、コマンチにさらわれた開拓民救出のため80ドルの月給で雇われる。

しかし、マケーブは一人救出するごとに500ドルを要求し、支払いを拒むフレイザー少佐を尻目に、開拓民との直談判を始める。

開拓民オリー・クヌードセン(ジョン・クゥオーレン)らに話を聞いたマケーブは、何年も経過した不明者の捜索を諦め、故郷に帰るよう冷たく言い放つ。

全財産を見せて娘を捜して欲しいと言うクヌードセンの話を聞き入れ、マケーブは渋々その娘の特徴を聞き始める。

子供をさらわれた親の足元を見るようなマケーブに、嫌気がさしたゲイリーは席を外してしまう。

その夜、開拓民らのダンスが始まり、若者オルソー・クレッグ(ハリー・ケリーJr.)とグリーリー(ケン・カーティス)兄弟は、勝気な娘マーティ・パーセル(シャーリー・ジョーンズ)を相手として奪い合う。

そこに現れたゲイリーは、保安官や騎兵隊に、さらわれた白人を救い出せるはずはないと、グリーリーに言われてしまう。

さらにグリーリーが、強欲なマケーブからいくらもらうのかとゲイリーを侮辱したため、二人の関係は険悪になる。

ゲイリーは、脱走兵という名目でマケーブと共に行動することになり、フレイザー少佐から、開拓民を北部に移動させる命令を受ける。

その途中ゲイリーは、自分のせいで、9年前に弟がさらわれたことをマーティから聞かされる。

マケーブは、子供をさらわれ悲しむ家族ばかりでなく、妻との約束を果たすために、とにかく同じ年頃の子供が戻ればいいという、ハリー・J・リングル(ウィリス・ボーシェイ)とも金で話をつける。

マーティに弟の写真を見せられたゲイリーは、マケーブにもそれを見せる。

しかしマケーブは、コマンチに同化して、凶暴になっている弟に会いたいのかとマーティに問いかけ、彼女を動揺させてしまう。

それを見ていたゲイリーは憤慨するが、マーティはそれが現実かもしれないと涙し、彼に慰められる。

そこに現れたオルソーとグリーリーは、ゲイリーに言いがかりをつけて殴り合いの喧嘩が始まる。

マーティは、ダリウス・ポージー軍曹(アンディ・ディヴァイン)を呼び喧嘩を止めさせ、ゲイリーの怪我の手当てをする。

翌朝、開拓民と別れたマケーブとゲイリーは、コマンチの集落に向かい、族長クアナ・パーカー(ヘンリー・ブランドン)と武器の取引を始める。

そこに、クアナと対立する先頭部族のリーダー、ストーン・カルフ(ウディ・ストロード)が現れ、三人を威嚇する。

その後、マケーブとゲイリーを世話してくれたのは、オルソーとグリーリーの母親ハンナ・クレッグ(メエ・マーシュ)だった。

ハンナは、大部分の白人が死んだかメキシコに売り飛ばされたが、何人かは集落に残っていることをマケーブとゲイリーに伝える。

マケーブはクアナと話をつけて、銃と交換に、白人の少年ランニング・ウルフ(デビッド・ケント)とストーンの妻エレナ・デ・ラ・マドリアーガ(リンダ・クリスタル)を、砦に連れて帰ろうとする。

エレナは、ストーンが追ってくると二人に警告するが、マケーブはそれを無視して先を急ぐ。

途中、ストーンを始末することで意見が分かれ、ゲイリーがウルフを連れて先に砦に帰ることになり、エレナはマケーブに同行する。

ウルフを連れて砦に戻ったゲイリーだったが、たった一人しか連れて帰れずに、ハンナを置き去りにしてきたことや、マケーブが、コマンチに銃を売ったことを見逃したことなどをフレイザー少佐に非難されてしまう。

事実、ウルフは、ウィリアム・マッキャンドルス(クリフ・ライオンズ)とメアリー(ジャネット・ノーラン)夫妻の子供ともマーティの弟とも言える年格好で、彼を金のためにリングルに渡すというのは問題だった。

そんなフルフを面通しした開拓民は、凶暴な彼を見て白人と思うものは一人もいなかった。

その頃、メキシコ人のエレナは、アメリカの陸軍士官と恋に落ちて、アメリカに向かう途中コマンチにさらわれたことをマケーブに話す。

そして、突然襲い掛かってきたストーンをマケーブは銃殺し、彼を誘き出して追撃を絶つ計画は成功する。

結局ウルフの引き取り手はなかったが、マッキャンドルスが妻メアリーの希望を聞き、息子として認めることをフレイザー少佐に伝える。

砦に戻ったマケーブは、フレイザー少佐夫人アビー(オリーヴ・ケリー)にエレナを預ける。

開拓民らは、金儲けしか頭にないマケーブを無視し、彼は、ウルフがマッキャンドルス夫妻に引き取られたのを知り憤慨する。

そしてフレイザー少佐は、わめき散らすマケーブを軟禁するようゲイリーに命令する。

開拓民は翌朝には旅立つことになり、ゲイリーはマーティにプロポーズするつもりで、独身士官主催のダンスパーティーに彼女を誘う。

マケーブは、フレイザー少佐に厄介払いされるように、2週間分の給料40ドルをもらい砦から引き払うよう命令される。

エレナは、自分を軽蔑の眼差しで見る砦の人々の目を気にして、それをマケーブに話す。

マケーブは、エレナのイメージを変えようと、着飾った彼女をダンスパーティーに連れて行くことにするが、二人はお互いが惹かれ合っていることに気づく。

ダンスパーティーが始まり、ゲイリーは自分流のやり方でマーティにプロポーズする。

同じ頃、縛られたままのウルフの縄を切ったメアリーは、彼にはさみを奪われ刺し殺されてしまう。

パーティーの席に、マケーブとエレナが現れゲイリーらに迎えられるが、士官の妻マラプロップ夫人(アンナ・リー)らは、エレナを蔑んだ目で見る。

人々の視線に耐えられなくなったエレナは席を外すのだが、マケーブに勇気を出すよう言われ、フレイザー少佐の許可を得て、自らの素性をみなの前で語り始める。

ストーンの妻だったことなどを話したエレナは言葉に詰まり、マケーブが彼女を擁護しその場を去る。

開拓民は、メアリーを殺したウルフをリンチにかけようとするが、ゲイリーがそれを止めようとする。

しかし、マーティの父親エドワード・パーセル判事(ポール・バーチ)の下、裁判にかけられたウルフは有罪となり、人々は暴徒化しゲイリーは殴り倒される。

その時、マーティの持っていた弟のオルゴールを聴き、ウルフが英語で自分のものだと叫ぶ。

ウルフが自分の弟だと分かり泣き叫ぶマーティだったが、人々は彼を縛り首にしてしまう。

町に戻ったマケーブは保安官職を奪われ、エレナはベルに侮辱され、駅馬車でカリフォルニアに向かおうとする。

マケーブはゲイリーに別れを告げ、駅馬車の護衛としてエレナと共にカリフォルニアに向かう。


解説 評価 感想 ■

ウィル・クックの小説”Comanche Captives”を基に作製された作品。

*(簡略ストー リー)

軍は、腕は立つが金に執着する連邦保安官ガスリー・マケーブを、コマンチにさらわれた白人を取り戻すために雇い入れる。
マケーブは、人の情を無視して金で全てを解決しようとする。
その後マケーブは、騎兵隊中尉ゲイリーと共に、コマンチに同化した女性と少年を部族から取り戻す。
しかし、マケーブの手法や、野蛮人と化した少年と女性を、砦の開拓民らは歓迎しなかった・・・。
__________

捜索者」(1956)と同じく、コマンチにさらわれた白人を救い出そうとする人々の姿を、ジョン・フォードらしく、情愛やユーモアをまじえ、人間の悲しみ、または傲慢さを鋭く描く、フォード晩年の秀作。

ジェームズ・スチュアートリチャード・ウィドマーク共演にも拘らず、子供の頃に観た感想は、まずジョン・ウェインが出演しないフォード作品に物足りなさを感じ、本作を先に観たために、「捜索者」(1956)との比較もできず、面白味に欠ける作品としか言えなかった。

翌年のフォード作品「リバティ・バランスを射った男」(1962)で上記の不満は払拭されるのだが、後年、本作を観直した時には捉え方が一変し、大袈裟に言えば、終始興奮し”涙”なしでは見られない、自分にとっては珠玉の作品となってしまった。

理由は、「リバティ・バランスを射った男」の出演者をはじめとした、フォード一家総出演と言っていい程の配役それぞれを、バランスよく演じさせたフォードの演出は天下一品で、彼が、仲間達に感謝を込めて作った、集大成のようにも感じるほどだ。

その点も考慮すると、あまりに存在感が大きい、ジョン・ウェインが出演しなかったことが功を奏しているとも言える。

個人的には、いつもは、フォード作品でセリフも殆どなく、端役が多かったクリフ・ライオンズが、息子をコマンチに奪われた父親役で、印象に残る役を演じているのが実に嬉しい。

見かけと違い金の亡者で、目的を達するためには手段を選ばないところなどが、「捜索者」(1956)の主人公で、ジョン・ウェイン演ずる”イーサン・エドワーズ”をやや彷彿させるジェームズ・スチュアートの、イメージを覆すキャラクターも見ものだ。

軍人としての規律、正義感もあり逞しさと堅実さも兼ね備える男として、ぎこちない恋の一場面も見せてくれるリチャード・ウィドマークの好演も光る。

人々から軽蔑されながらも、結局は幸せの第一歩を歩み始める、拉致されていたメキシコ人女性リンダ・クリスタル、弟がさらわれたことを、自分が原因だと悔やみ、それを引きずりながら生きる、中尉(R・ウィドマーク)と恋に落ちる、前年「エルマー・ガントリー」でアカデミー助演賞を受賞したシャーリー・ジョーンズ、軍曹アンディ・ディヴァイン、砦の司令官ジョン・マッキンタイア、「捜索者」(1956)でもコマンチの族長を演ずるヘンリー・ブランドン、マーティ(S・ジョーンズ)を奪い合う兄弟ハリー・ケリーJr.ケン・カーティス、少佐夫人のオリーヴ・ケリー、士官の妻アンナ・リー、酒場の女主人アネル・ヘイズ、息子を奪われたジャネット・ノーランクリフ・ライオンズ、開拓民のジョン・クゥオーレンウィリス・ボーシェイ、マーティ(S・ジョーンズ)の父で判事のポール・バーチ、戦闘部族のリーダー、ウディ・ストロードコマンチに同化した白人少年デビッド・ケント、同じくメエ・マーシュ、そして軍曹ジャック・ペニックなどが共演している。


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