ワルキューレ Valkyrie (2008) 3/5 (6)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

第二次大戦下、アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツに反旗を翻した愛国者達の信念と勇気を描く、数多くのヒトラー暗殺計画の中でも最も有名な”ワルキューレ作戦”を題材にした、製作、監督ブライアン・シンガー、主演トム・クルーズケネス・ブラナーテレンス・スタンプトム・ウィルキンソンビル・ナイ他共演のサスペンス・ドラマ。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:ブライアン・シンガー
製作総指揮
トム・クルーズ
ケン・カムンズ
クリス・リー
ジョン・オットマン
製作
ブライアン・シンガー
ギルバート・アドラー
クリストファー・マッカリー
脚本
クリストファー・マッカリー
ネイサン・アレクサンダー
撮影:ニュートン・トーマス・シーゲル

編集:ジョン・オットマン
音楽:ジョン・オットマン

出演
クラウス・フォン・シュタウフェンベルク大佐:トム・クルーズ
ヘニング・フォン・トレスコウ少将:ケネス・ブラナー
ルートヴィヒ・ベックテレンス・スタンプ
フリードリヒ・フロム上級大将:トム・ウィルキンソン
フリードリヒ・オルブリヒト大将:ビル・ナイ
アルブレヒト・メルツ・フォン・グヴィルンハイム大佐:クリスチャン・ベルケル
ヴェルナー・フォン・ヘフテン中尉:ジェイミー・パーカー
カール・ゲルデラーケヴィン・マクナリー
エーリッヒ・フェルギーベル大将:エディ・イザード
エルヴィン・フォン・ヴィッツレーベンデヴィッド・スコフィールド
ハインツ・ブラント大佐:トム・ホランダー
ヴィルヘルム・カイテル元帥:ケネス・クラナム
オットー・エルンスト・レーマー少佐:トーマス・クレッチマン
ニーナ・フォン・シュタウフェンベルクカリス・ファン・ハウテン
エルンスト・ヨハン・フォン・フライエント少佐:ウェルナー・ディーン
ヨーゼフ・ゲッベルスハーヴェイ・フリードマン
アドルフ・ヒトラーデヴィッド・バンバー
ハインリッヒ・ヒムラーマティアス・フリーホフ
ヘルマン・ゲーリングゲルハルト・ハーセ=ヒンデンベルグ

アメリカ 映画
配給 MGM

2008年製作 120分
公開
北米:2008年12月25日
日本:2009年3月20日
製作費 $75,000,000
北米興行収入 $83,077,833
世界 $200,276,784


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1943年、第二次大戦下の北アフリカ戦線チュニジア
ドイツ国防軍、”第10機甲師団”の大佐クラウス・フォン・シュタウフェンベルク(トム・クルーズ)は、破滅の道をたどろうとする祖国の運命を予感する。

総統アドルフ・ヒトラーSS(親衛隊)が犯した、非戦闘員殺害や捕虜虐待、そしてユダヤ人の大量殺戮などの汚点に対しては、反感や嫌悪が士官の間でも広まっていた。

シュタウフェンベルクは、祖国よりも人間の命を救う考えが日増しに募るが、ヒトラーに反旗を翻して、彼に賛同する者は周囲にいなかった。

劣勢の続く部隊の兵士を救うための口実を作り、上官の許可を得たシュタウフェンベルクだったが、敵の攻撃に遭い重傷を負ってしまう。

1943年3月13日、東部戦線ロシアスモレンスク
ヘニング・フォン・トレスコウ少将(ケネス・ブラナー)は、専用機で到着したアドルフ・ヒトラー(デヴィッド・バンバー)を暗殺するため、同行したハインツ・ブラント大佐 (トム・ホランダー)に爆弾を仕掛けた酒を渡す。

しかし爆破は失敗し、トレスコウベルリン陸軍総司令部に向かう。

フリードリヒ・オルブリヒト大将(ビル・ナイ)に迎えられたトレスコウは、ブラントに怪しまれながらも爆弾を取り戻すことに成功する。

ゲシュタポが、それに関連したと見られる少佐を逮捕したため、トレスコウは、代わりとなる人材を見つけるようオルブリヒトに支持をだす。

ミュンヘン、陸軍第一病院。
負傷し帰国したシュタウフェンベルクに、妻ニーナ(カリス・ファン・ハウテン)が面会し、右手首から先と左目を失った夫と対面する。

回復したシュタウフェンベルクは、祖国を救おうとする気持ちは変わらず、オルブリヒトからの誘いを聞き入れ、 彼の同志達の話を聞くことにする。

集会に集まった者達は、元陸軍参謀本部総長ルートヴィヒ・ベック(テレンス・スタンプ)、政治家のカール・ゲルデラーケヴィン・マクナリー)、そして、陸軍元帥エルヴィン・フォン・ヴィッツレーベン(デヴィッド・スコフィールド)らだった。

彼らは、やがて侵攻してくる連合軍を待たずに、自分達の手でヒトラーナチを倒そうとする。

その内容が、総統官邸に押し入り、全軍の戦闘停止命令を出させるだけだと、シュタウフェンベルクは知る。

自分達に、軍人や民衆が敬意を抱いていると思い込んでいる計画立案幹部らの傲慢さに、シュタウフェンベルクは失望して席を外す。

シュタウフェンベルクは、ヒトラーに軍人としての誓いを立てた者の、意思の固さをトレスコウに伝える。

トレスコウは、まず今、行動することが重要だということをシュタウフェンベルクに熱く語るが、彼は成功させなければ意味が無いことを付け加える。

そしてシュタウフェンベルクは、ドイツの反乱組織に加わることを決断する。

ニーナや子供達との時を過ごしたシュタウフェンベルクは、ワーグナーの”ワルキューレの騎行”を自宅で聴き、ある計画を思いつく。

それは、ドイツ国内の捕虜や奴隷がクーデターや反乱を起こした際の国家非常事態に、国内予備軍を配備して鎮圧する作戦”ワルキューレ”を利用したものだった。

ヒトラー暗殺後にナチの体制を解体できるよう、SSを制圧しヒトラーの側近を収監するという計画だった。

それを発令できる、国内予備軍司令官フリードリヒ・フロム上級大将(トム・ウィルキンソン)を、組織は計画に加担させようとする。

ベルリン陸軍総司令部
シュタウフェンベルクオルブリヒトは、 フロムに面会し、出世第一主義の彼に、新体制での軍総司令官の地位を約束する。

しかし、総統が生きている限りそちら側に付くことが正しいと信じるフロムは、それを拒絶する。

シュタウフェンベルクは、総統大本営狼の巣”の通信責任者エーリッヒ・フェルギーベル大将(エディ・イザード)を巻き込み、通信をコントロールしようとする。

トレスコウは、計画の立案者であるシュタウフェンベルクを実行責任者にして準備を進める。

オルブリヒトは、シュタウフェンベルク予備軍参謀長に任命し、彼をヒトラーの側近に近づけようとする。

さらにオルブリヒトは、 ヴェルナー・フォン・ヘフテン中尉(ジェイミー・パーカー)をシュタウフェンベルクの副官に付ける。

1944年6月7日。
バイエルンベルクホーフ(ヒトラーの山荘)。
シュタウフェンベルクヘフテンは、 オルブリヒトが修正した”ワルキューレ”計画書に、総統の署名をもらおうとする。

ブラント大佐が計画書に目を通そうとするが、フロムがそれを制止し、シュタウフェンベルクヒトラーの元に案内する。

ヒトラーは、紹介されたシュタウフェンベルクの武勲を称えるが、ノルマンディー上陸作戦後の敵軍侵攻に対しての、予備軍動員についての説明を行おうとする、彼の意見を必要としなかった。

シュタウフェンベルクは、修正した”ワルキューレ”作戦の計画書の許可をヒトラーから得ようとする。

ヘルマン・ゲーリング(ゲルハルト・ハーセ=ヒンデンベルグ)、ヴィルヘルム・カイテル(ケネス・クラナム)、ヨーゼフ・ゲッベルス(ハーヴェイ・フリードマン)、ハインリッヒ・ヒムラー(マティアス・フリーホフ)ら、ヒトラーの側近中の側近を前にして、シュタウフェンベルクは緊張の極に達する。

そしてヒトラーは、ワーグナーについてを語りながら、シュタウフェンベルクの修正を信じて、計画書に署名する。

その後、オルブリヒトの参謀アルブレヒト・メルツ・フォン・
クウィルンハイム
大佐(クリスチャン・ベルケル)は、計画で使う起爆装置及び爆薬の破壊力を、ベックオルブリヒト
シュタウフェンベルク、そしてヘフテンに説明する。

ヒトラーと共に、SSゲシュタポを支配するヒムラーも抹殺する必要性を知らされたシュタウフェンベルクは、補佐として、クウィルンハイムを自分につけることを要求する。

自宅に戻ったシュタウフェンベルクは、妻ニーナに作戦が失敗した場合、自分を含め家族も逮捕されることを告げ、彼女は覚悟を決める。

1944年7月15日。
計画では、ヒトラーは午後1時に会議に出席、シュタウフェンベルクが組織の確認を取ってから爆薬をセット、爆破実行と同時にフェルギーベルが外部との通信を遮断する。
フロムが降りた場合には、オルブリヒト予備軍を率いて”ワルキューレ”作戦を発動し、各軍管区司令官に”SSのクーデター” を通達、予備軍SSゲシュタポそしてナチの高官を逮捕する。
シュタウフェンベルクは、ベルリンに戻り予備軍を指揮し、ヴィッツレーベンベックが軍総司令官と国家元首に就任、ベルリン掌握後、ゲルデラーが首相就任演説をして、連合軍との休戦交渉を始め、祖国及びヨーロッパを破壊から救うというものだった。

午前8時30分。
オルブリヒト予備軍に動員待機命令を出し、大隊指揮官オットー・エルンスト・レーマー少佐(トーマス・クレッチマン)は、演習だと思いつつ部隊を召集させる。

午前9時。
家族を避難させたシュタウフェンベルクは、書類カバンに爆弾を入れ、戦況会議に出席するため、”狼の巣”がある東プロイセンラステンブルクへ飛び立つ。

正午。
ラステンブルクに到着したシュタウフェンベルクヘフテンは、針葉樹林の中の”狼の巣”に向かう。

午後0時45分。
狼の巣”に到着したシュタウフェンベルクは、通信部入り口に立つフェルギーベルが、覚悟を決めたことを確認し、左眼に義眼を入れて会議室に入る。

ヒトラーが現れ、カイテルの指示でフロムが戦況報告を始めるが、シュタウフェンベルクは、ヒムラーがいないことに気づく。

シュタウフェンベルクは、オルブリヒトに電話でそれを伝え、ベックは中止命令を出す。

クウィルンハイムの意見を求めたシュタウフェンベルクは、決行しろという彼の言葉に従おうとするが、その直後会議は終了してしまう。

シュタウフェンベルクは爆破実行が出来ず、フロムに電話が長引いたことを皮肉られる。

予備軍の待機命令は解除され、レーマーは演習だったことを部隊に告げて解散させる。

ベルリン陸軍総司令部に戻ったフロムは、予備軍の待機命令を勝手に発動し、自分の立場を危うくして、計画も実行できなかった、オルブリヒトシュタウフェンベルクを責める。

作戦本部に戻ったシュタウフェンベルクは、ゲルデラーら政治家主導の優柔不断な行動を非難する。

ゲルデラーは、シュタウフェンベルクの解任をベックに提案する。

しかし、ベックは、ヒムラーゲルデラーの逮捕に踏み切ったことを伝え、彼を国外に逃亡させようとする。

それを聞いたゲルデラーは席を外し、ベックは、今後の決断をシュタウフェンベルクに任せることとして、全員でそれを確認する。

今後、予備軍を動かせないことを指摘したオルブリヒトだったが、シュタウフェンベルクは、爆破実行は自分に任ベルリンの掌握に全力を注ぐようベックらに伝える。

1944年7月20日、午後0時15分。
シュタウフェンベルクヘフテンは” 狼の巣”に到着し、着替えを理由に別室に入り、鞄の爆薬をセットする。

ヘフテンに、車の準備を任せたシュタウフェンベルクは、エルンスト・ヨハン・フォン・フライエント少佐(ウェルナー・ディーン)から、会議室が変更されたことを知らされる。

シュタウフェンベルクは、難聴のためヒトラーの近くにいたいことを少佐に伝える。

会議に出席したシュタウフェンベルクは、鞄を机の下に置き、カイテルが彼の到着を総統に知らせる。

フェルギーベルが、予定通りシュタウフェンベルクを電話で呼び出し、彼は会議室を離れるが、ブラントが、鞄を足で倒してしまう。

それに気づいたブラントが、鞄を机の脚の反対側に移動させて、ヒトラーから離して置いてしまう。

ヘフテンが待機する車に、シュタウフェンベルクが向かう途中、会議室で爆破が起きる。

フェルギーベルは動揺して、オルブリヒトヒトラーの死を正確に知らせられないまま、通信を遮断してしまう。

午後0時47分。
シュタウフェンベルクヒトラーの死亡を確信し、ヘフテンと共に検問を通過しようとする。

一刻を争う事態に、クウィルンハイムヒトラー暗殺を確認できないまま、”ワルキューレ”発動をオルブリヒトに進言する。

しかし、オルブリヒトフロムの承認とフェルギーベルへの連絡を優先させ、シュタウフェンベルクを待ちヒトラーの死を確認しようとして、昼食に出かけてしまう。

検問で止められたものの、シュタウフェンベルクはそこを通過し、ベルリンに向かう。

爆破から1時間が経過し、苛立つクウィルンハイムは、オルブリヒトの名前で予備軍の待機命令を出してしまう。

それを受けたベルリンの大隊指揮官レーマーは、再び待機命令を出す。

午後3時30分。
ベルリンに到着したシュタウフェンベルクは、予備軍の待機命令が出たばかりだと知る。

オルブリヒトに連絡を入れたシュタウフェンベルクは、爆破が成功したことを伝え、彼の慎重過ぎる行動を非難する。

シュタウフェンベルクは怒りを抑えながら、直ちにフロムの名で”ワルキューレ”を発動するよう、オルブリヒトに指示を出す。

覚悟を決めたオルブリヒトは、 ”ワルキューレ”の命令書にフロムの名でサインし、ついに作戦は実行に移され、それがベック達に伝えられる。

待機していたレーマーの元にも命令書が届き、彼は大隊員にヒトラー総統の死を知らせる。

オルブリヒトクウィルンハイムは、フロムの元に向かい総統の死を知らせるが、彼は爆破現場にいたカイテルと連絡を取り、ヒトラー暗殺が未遂に終わったことを知る。

カイテルは、シュタウフェンベルクの不審な行動を、既にフライエントや運転手から聞いていたため、フロムに彼と会いたいということを伝える。

そこにシュタウフェンベルクが現れ、オルブリヒトが作戦(ワルキューレ)は発動させたことをフロムに告げる。

シュタウフェンベルクは、ベルリンが掌握中だということと、自分達の味方なのかをフロムに問うフロムは総統が死んだこと疑い、シュタウフェンベルクに自決を促し、他の者を逮捕しようとする。

しかし、シュタウフェンベルクフロムを拘束し、予備軍に作戦開始の命令を出す。

そして、シュタウフェンベルクの元に終結したベックらは、同志の証であるカードを手に、互いの信念に基づく計画実行を誓う。

シュタウフェンベルクの指揮下、予備軍ベルリンの官庁街を封鎖し、SS本部を押さえてナチのリーダーを逮捕し始める。

情報部には、ゲッベルスナチ高官とシュタウフェンベルクの逮捕状が同時に届き混乱する。

レーマーの元に、その両者の逮捕状が届き、彼は反乱が起きていることを察知する。

その頃シュタウフェンベルクには、パリSSゲシュタポの1200人を逮捕し、各主要都市もそれに続いているという報告がに入る。

自決を覚悟する、ゲッベルスの元に向かったレーマーだったが、生存していたヒトラーに、電話をつないだゲッベルスから受話器を渡される。

レーマーは、”反逆者を殺さずに逮捕しろ”という命令を、総統自身から受けて、その場を立ち去る。

さらに、情報部も、”狼の巣”からの指令を伝達して、シュタウフェンベルクの指示を流さない決断をする。

その後レーマーは逮捕者の釈放を始め、陸軍総司令部にもヒトラーが生きているという情報が流れ、ラジオ放送でも総統が軽傷であったことが伝えられる。

シュタウフェンベルクは、予備軍指揮官に総統生存が偽の情報だという通達を出す。

しかし、作戦の失敗を予感したシュタウフェンベルクの同志らはその場を去り、彼は連絡の取れない家族を案ずる。

その後、レーマーの部隊は、陸軍総司令部を制圧して、シュタウフェンベルクをはじめとして、反乱分子幹部を逮捕する。

解放されたフロムは、その場を軍法会議の場とし、ベックは逮捕され、それ以外の者の死刑を宣告する。

ベックは自決するための拳銃を要求し、フロムは処刑を制止するレーマーを無視して、刑を執行させようとする。

しかし、オルブリヒトら計画実行幹部らは、 フロムの同罪を主張し、彼らの前でベックは自決する。

1944年7月21日、予備軍司令部中庭。
オルブリヒトに続きクウィルンハイムが処刑されて、シュタウフェンベルクが銃殺隊の前に立たされる。

トレスコウも、前線で手榴弾で自決し、計画に加担した者達は、共謀者の自白のために人民法廷で裁かれ処刑される。

ヘフテンは、シュタウフェンベルクの前で銃殺隊に立ちはだかるが銃殺される。

そして、シュタウフェンベルクは、”わが聖なるドイツ、永遠なれ!”と叫びながら処刑される。

フロム人民法廷で裁かれ、全ての名誉や勲章を剥奪され、翌年3月12日に処刑される。

そして、ヒトラーは9ヵ月後に、包囲されたベルリンで自決する。

シュタウフェンベルクの家族は、その後も生き残り、妻ニーナは2006年4月2日に亡くなる。(92歳)


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

1943年、第二次大戦下のチュニジア
総統アドルフ・ヒトラーの命令の下、非戦闘員殺害や捕虜虐待、そしてユダヤ人の大量殺戮などに対する反感や嫌悪が、士官の間でも広まりっていた。
ドイツ国防軍、”第10機甲師団”大佐クラウス・フォン・シュタウフェンベルクは、破滅の道をたどろうとする祖国の運命を予感する。
敵の攻撃に遭ったシュタウフェンベルクは、右手首から先と左目を失う重傷を負い帰国する。
1943年3月13日、トレスコウ少将は、専用機に搭乗するヒトラー総統を、爆弾で暗殺する計画を実行するものの失敗に終わる。
その後、シュタウフェンベルクの、祖国を救おうとする気持ちは変わらず、オルブリヒト大将の誘いを受け、同志達の集会に参加する。
元陸軍参謀本部総長ベック、政治家ゲルデラー、陸軍元帥ヴィッツレーベンらは、侵攻してくる連合軍を待たずに、ヒトラーナチを自分達の手で倒そうとしていた。
しかし、軍人や民衆が、自分達に敬意を抱いていると思い込んでいる、計画立案幹部らの傲慢さに、シュタウフェンベルクは失望してしまう。
シュタウフェンベルクは、トレスコウとの話し合いの結果、反乱組織に身を投じることを決断する。
そして、シュタウフェンベルクは、ドイツ国内の捕虜や奴隷が、クーデターや反乱を起こした際の国家非常事態に、国内予備軍を配備して鎮圧するという、既存の”ワルキューレ”作戦を利用した計画を立案するのだが・・・。
__________

サスペンス映画の傑作、「ユージュアル・サスペクツ」(1995)や「X-メン」(2000)シリーズの監督ブライアン・シンガートム・クルーズが組んだことで話題となり、派手なアクション作品になるかとの噂もあった作品だったが、愛国心に燃える同志と、独裁者を信じ行動する側との駆け引きを描く、一級の心理サスペンス作品になっている。

歴史的事実や結果を知り過ぎていると、緊迫感などがやや薄れるところもあり、あまりにも有名である、暗殺計画の詳細な解説映画にしか思えない場面も多いので、逆にもう少し大胆な脚色があっても面白かったとも思える。

殆ど、ドイツ国防軍及びナチス・ドイツの軍人しか登場しないドラマの中で、その階級や戦場ごとの、兵士達の着る軍服のデザインやバリエーションが非常に印象に残る。

第二次大戦後、ナチへの抵抗運動によりドイツの英雄となり、敬虔なカトリック信者でもあったシュタウフェンベルクを、新宗教サイエントロジーの信者トム・クルーズが演じたことで、ドイツ国内では物議を呼んだ。

同じ題材の「砂漠の鬼将軍」(1951)や、「将軍たちの夜」(1967)も参考にしたい作品だ。

北米興行収入は、トム・クルーズ作品にしては、やや物足りない約8300万ドルに終わるものの、全世界では2億ドルを超すヒットとなった。

小柄ではあるが、シュタウフェンベルクに風貌もよく似せたトム・クルーズは、ドイツ国防軍の中枢の将軍達をも圧倒する迫力で、作戦を実行する指導者を熱演している。

ヒトラー暗殺に執念を燃やすが失敗を続け、作戦失敗後に自決するトレスコウ少将のケネス・ブラナー、作戦の中心人物である元陸軍参謀本部総長ベックテレンス・スタンプ、どちら側につくか決断を渋るフロム上級大将トム・ウィルキンソン国内予備軍局長のオルブリヒト大将ビル・ナイ、彼の部下クウィルンハイム大佐のクリスチャン・ベルケルシュタウフェンベルクの副官で、上官の銃殺を阻止しようとするヘフテン中尉ジェイミー・パーカー、反ナチス活動の政治家ゲルデラーケヴィン・マクナリー、”狼の巣”の通信責任者フェルギーベル大将エディ・イザードシュタウフェンベルクの行動を疑うブラント大佐のトム・ホランダーカイテル元帥ケネス・グラナム予備軍大隊長レーマー少佐のトーマス・クレッチマンシュタウフェンベルク夫人ニーナカリス・ファン・ハウテンアドルフ・ヒトラーデヴィッド・バンバーなどが共演している。


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