ウワサの真相/ワグ・ザ・ドッグ Wag the Dog (1997) 3.04/5 (27)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★☆☆

1993年に発表された、ラリー・バインハートの小説”Wag the Dog”を基に製作された作品。
発覚した大統領のセックス・スキャンダルが選挙に影響を与えないための裏工作を描く、製作、監督バリー・レビンソン、主演ダスティン・ホフマンロバート・デ・ニーロ(製作兼)、アン・ヘッシュウディ・ハレルソン他共演のシニカル・コメディ。


ドラマ(コメディ)


スタッフ キャスト
監督:バリー・レビンソン

製作
ジェーン・ローゼンタール
バリー・レビンソン
ロバート・デニーロ
原作:ラリー・バインハートWag the Dog
脚本
ヒラリー・ヘンキン
デヴィッド・マメット
撮影:ロバート・リチャードソン
編集:ステュー・リンダー
音楽:マーク・ノップラー

出演
スタンリー・モッツ:ダスティン・ホフマン
コンラッド・ブリーン:ロバート・デ・ニーロ
ウィニフレッド・エームス:アン・ヘッシュ
ウィリアム・シューマン軍曹:ウディ・ハレルソン
ファド・キング:デニス・レアリー
ジョニー・グリーン:ウィリー・ネルソン
リズ・バツキー:アンドレア・マーティン
グレース:スージー・プラクソン
トレイシー・ライム:キルスティン・ダンスト
チャールズ・ヤングCIA情報員:ウィリアム・H・メイシー
ジョン・レヴィー:ジョン・マイケル・ヒギンズ
アイミー・ケイン:スザンヌ・クライヤー
本人:ジェームズ・ベルーシ
本人:ジェイ・レノ
大統領:マイケル・ベルソン
ジョン・ニール上院議員:クレイグ・T・ネルソン

アメリカ 映画
配給 ニュ ー・ライ ン・シネマ
1997年製作 97分
公開
北米:1997年12月25日
日本:1998年5月23日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $43,061,950
世界 $64,256,513


アカデミー賞
第70回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優(ダスティン・ホフマン
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ワシントンD.C.ホワイトハウス
大統領の側近ウィニフレッド・エームス(アン・ヘッシュ)は、フィクサー(もみ消し屋)のコンラッド・ブリーン(ロバート・デ・ニーロ)を迎えて地下に向う。

ブリーンとエームスは、報道官のジョン・レヴィー(ジョン・マイケル・ヒギンズ)や広報担当のアイミー・ケイン(スザンヌ・クライヤー)らと共に打ち合わせを始める。

大統領が少女にみだらな行為をしたというスキャンダルが発覚し、その対処に追われるエームスは、中国訪問中の大統領の帰国を1日延ばすようにとブリーンに指示される。

ブリーンは、迫る大統領選の対立候補ジョン・ニール上院議員(クレイグ・T・ネルソン)のテレビCMビデオを手に入れたエームスから、その映像を見せられる。

明後日から放映されるCMにより、更に状況が悪化することを懸念したブリーンは、相手の気をそらす作戦を考えるために時間が必要だとエームスに伝える。

車と2万ドルを用意させたブリーンは、ハリウッドのプロデューサーに会うと言って、空港で落ち合うことをエームスに伝えてその場を去る。

機内で、架空の戦争を起こすと言うブリーンの話を聞いたエームスは不安に思う。

シカゴオヘア空港
殆どの国民が知らずに関心がないアルバニアを相手国として緊張状態を装うことを考えたブリーンは、それを政府側は否定し続けることだとエームスに伝える。

大統領のセックス・スキャンダルはニュースで報じられ、ブリーンはそれをターミナルで確認し、エームスはアルバニアに関しての情報収集と人材確保に追われる。

声明を出したニールは、大統領への攻撃を始めて、事実であれば辞任し、そうでない場合は直ちに帰国して対処するべきだと語る。

ロサンゼルス
映画プロデューサーのスタンリー・モッツ(ダスティン・ホフマン)の豪邸に向かったブリーンとエームスは、大統領が体調不良のため帰国が遅れるという、報道官レヴィーの記者会見の模様を見守る。

選挙までの11日間、何とか持ち堪えたいとブリーンに言われたモッツは、大統領は終わりだと断言する。

アルバニア情勢が大統領の帰国が遅れている原因ではないかと記者から質問されたレヴィーはそれを否定し、思い通りにことが運び始めているためブリーンは満足する。

この会見を操作しているのかとモッツに聞かれたブリーンは、何でもできると言って電話をかける。

エームスに電話を渡したブリーンは、記者会見場のレヴィーに、モッツの指示した言葉を言わせる。

納得したモッツだったが、少女を相手にした大統領を救うことは不可能で、戦争でも起きなければ無理だとブリーンとエームスに伝える。

ブリーンが戦争を本気で起こそうとしていることを知ったモッツは、なぜショービジネス界に生きる自分の元に来たのかを尋ねる。

戦争はショービジネスだと言って、過去の歴史的事実などを照らし合わせて語るブリーンは、話に乗って来たモッツから、アルバニアの核保有を理由にすることを提案される。

大統領からの電話を受けたエームスは、テロリストが行動を起こす話をでっち上げることを伝える。

構想が次々に浮かぶモッツは、ギャラの件などをブリーンに確認し、音楽家のジョニー・グリーン(ウィリー・ネルソン)に連絡して呼び寄せる。

モッツの秘書グレース(スージー・プラクソン)は、脚本家のファド・キング(デニス・レアリー)とリズ・バツキー(アンドレア・マーティン)を呼び、テロによりアルバニアの家を追われる少女役を見つける。

戦争の緊張がメディアの関心事になり、大統領のスキャンダル報道はやや影を潜める。

大統領は、兵士の安全を優先していたため情報を隠していたことを謝罪する声明を出し、アルバニアを非難して交戦状態に入ることが伝えられる。

スタジオ入りしたモッツは、少女役のトレイシー・ライム(キルスティン・ダンスト)に会い、ブリーンは彼女と話をして、エームスは秘密保持の契約書にサインさせる。

今回の仕事を履歴書に加えたいと言うトレイシーだったが、殺し屋が現れるとブリーンに言われ、子猫の代わりにポテトチップスの袋を持たされる。

ブルースクリーンの前でトレイシーに演技をさせたモッツは、技術スタッフに背景を合成し効果音を入れさせて、ポテトチップの袋を猫と入れ替える。

影像をマスコミに流し、アルバニア情勢が伝わるニュースが効果抜群だったことを喜び、ブリーンとエームスと共に祝杯を挙げたモッツは、ナッシュビルで合流すると伝えてリムジンを用意し二人を見送る。

ところが、CIAに電話を盗聴されて車を止められたブリーンとエームスは、あるカフェに連れて行かれる。

現れた局員のチャールズ・ヤング(ウィリアム・H・メイシー)から、カナダ国境とアルバニアに核兵器はないと指摘されたブリーンとエームスは、テロリストの存在や動きも確認できないと言われる。

戦争を否定するヤングに対し、見識の低さと危機管理の欠如を解くブリーンは彼を論破してしまう。

納得したヤングはブリーンとエームスを開放し、二人はナッシュビルに向かう。

帰国した大統領(マイケル・ベルソン)は、アルバニア人少女に迎えられて感謝され、コートを脱ぎ、その母親にそれを着せる。

ナッシュビル
ジョニーが、今回の件を支援するミュージック・ビデオを製作するスタジオでモッツと合流したブリーンとエームスは、アルバニア問題は解決したと発表するニールが、CIAと組んだと考える。

全てを諦めようとしたブリーンとエームスは、まだ第一幕が終わっただけだと言うモッツとキングから、戦争が続いていると見せかける構想を聞かされる。

ブリーンは国防総省に連絡するようモッツに指示され、電話に出たキングは、”靴”(シュー)という名前の戦地に取り残された特殊部隊員を探す。

ジョニーは、”靴”をテーマにした歌を作るようモッツに指示される。

303特殊部隊員のウィリアム・シューマン軍曹(ウディ・ハレルソン)という兵士が取り残され、大統領が救出命令を出すという台本をモッツとキングは考える。

ホワイトハウス
モッツを伴ったブリーンは、ジョニーの歌を1930年代の曲として議会図書館に保管させ、今夜の大統領スピーチで流すよう指示する。

ところが、大統領はスピーチを拒んだためにブリーンは困惑する。

20人の秘書を執務室に集めるよう指示したモッツは、彼女らと大統領を前にスピーチの原稿を読み上げて、全員を感動させる。

大統領は、アルバニアに取り残されたシューマン軍曹が、再び祖国の土を踏むことに全力を傾ける考えを国民に伝える。

”古い靴”(オールド・シュー)作戦は成功し、モッツとブリーンは、使い古された数足の靴を木にかける。

ジョニーの”オールド・シュー”という曲も議会図書館で見つかったということになり反響を呼び、各地で古い靴が木などにかけられる。

モッツの考え通り、ジェームズ・ベルーシがシューマンに呼びかける声明を出し、大統領の支持率は上がる。

その後、モッツ、ブリーンそしてエームスは、シューマンの引き渡しに向かうものの、手違いが起きて、彼が刑務所に収監されていた凶悪犯だと知り驚く。

仕方なくそのままワシントンに戻ることになり、モッツは、拷問を受けた兵士が精神異常者となったことにすると言って、不安を隠せないブリーンとエームスを説得する。

ワシントンでは、シューマンの帰国が遅れていることが伝えられる。

悪天候を押して離陸したため、ジェット機は不時着してしまい、無事だったモッツは、混乱して怒りをぶちまけるエームスと諦めかけるブリーンに、大した事態ではないと言い切る。

付近の農夫に助けられた4人はガソリンスタンドに寄り、ブリーンは情況をワシントンに知らせる。

ニールは約束を守らない大統領の批判を続けるが、レヴィーが記者会見でシューマンの所在確認を伝える。

農夫が不法労働者だと知ったエームスは、問題であることをモッツとブリーンに伝える。

その間、その場にいた女性に目をつけレイプしようとしたシューマンが、彼女の父親であるスタンドの主人に射殺されてしまう。

ショックを受けるブリーンとエームスだったが、モッツは、英雄の帰還として最高の演出ができると二人に語る。

アンドリュース空軍基地
シューマンの棺が到着し、ショーを終えたモッツとブリーンは自分達の仕事に満足し、大統領の再選が確実になったことを喜び合う。

しかし、作り上げたことが、正にリアルな状況で進行している現実を見たモッツは、自分の功績が認められないために憤慨し、真相を話してしまおうとする。

ブリーンに説得されるモッツだったが、命に関わると言われても納得いかずにその場を去る。

警護官に合図をしたブリーンはエームスに呼ばれ、農夫をアメリカ国民と認めさせたことを知る。

ブリーンは、警護官と共に車に乗るモッツを見つめる。

国民に見守られながら、シューマンの葬儀が行われる。

その後、モッツが心臓発作で死亡し、ブリーンは葬儀に出席する。

同じ頃、新たな事態が発生し、アルバニアのテロ組織と思われる集団が戦闘行為を始めたため、アメリカが介入することが伝えられる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ワシントンD.C.ホワイトハウス
大統領が少女にみだらな行為をしたというスキャンダルが発覚し、フィクサー(もみ消し屋)のコンラッド・ブリーンが呼ばれ、選挙が迫る中、大統領の側近エームスらと対策を考える。
スキャンダルは報道され、もみ消しは困難となり、国民の殆どが知らないアルバニアのテロを相手に架空の戦争を起こし、スキャンダルの影響を最小限に食い止めようとするブリーンは、エームスと共に映画プロデューサーのスタンリー・モッツの元に向う。
ブリーンの考えを聞いたモッツは、彼らが実際に追い詰められた政府を動かしていることを知る。
スタッフを集めて構想を練ったモッツは、戦火を逃れるアルバニアの少女役を使い、悲惨な現状を伝える映像を作ってマスコミに流す。
それが見事に成功し、スキャンダルはアルバニアとの緊張状態の陰に隠れる。
ところが、大統領選挙の対立候補ニール上院議員がCIAと組み、そのテロを否定する。
全てを諦めようとしたブリーンとエームスだったが、大統領が、アルバニアに取り残された特殊部隊員救出のための行動を開始するというシナリオをモッツが考える・・・。
__________

冒頭で明記されるように、”ワグ・ザ・ドッグ”というタイトルは、通常、尻尾を振る犬だが、尻尾が賢ければ犬を振る・・・つまり、尻尾の政府側が賢いので犬の国民を振り回し、最高権力者の大統領も操られるという皮肉が込められている。

映画はスキャンダルをもみ消そうとする内容ではなく、それが瞬時に発覚したための対抗策である、巧妙に練られた陽動作戦を描いている。

イラン・アメリカ大使館人質事件”で6人のアメリカ大使館員を救い出す作戦”カナダの策謀”を描いた「アルゴ」(2012)を思い起こした方も多いと思うが、本作は、ほぼ現実味がないコメディとして、シニカルな面を重要視しているため、別な意味で非常に興味深い。

ハリウッドを代表する演技派のダスティン・ホフマンロバート・デ・ニーロの夢のような共演も話題となり、脇を固める実力派スターの個性を生かした、バリー・レビンソンの軽妙な演出も見所の作品。

第70回アカデミー賞では、主演男優(ダスティン・ホフマン)、脚色賞にノミネートされた。

政府と関係する計画をゲームのように楽しむ大物映画プロデューサーを怪演するダスティン・ホフマンと、ベテランのフィクサー(もみ消し屋)を雰囲気を出して演ずるロバート・デ・ニーロの変幻自在の演技が、同じ画面で見られるだけでも満足できる作品。

主人公二人に協力する大統領の側近アン・ヘッシュ、実は凶悪犯だった兵士ウディ・ハレルソン、脚本家のデニス・レアリーアンドレア・マーティン、音楽家ウィリー・ネルソン、主人公の秘書スージー・プラクソンアルバニアの孤児役を演ずる女優キルスティン・ダンストCIAウィリアム・H・メイシーホワイトハウス報道官ジョン・マイケル・ヒギンズ、広報担当スザンヌ・クライヤー、本人役でジェームズ・ベルーシジェイ・レノ、大統領のマイケル・ベルソン、大統領選対立候補の上院議員クレイグ・T・ネルソンなどが共演している。


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