ワーロック Warlock (1959) 4.61/5 (31)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

悪党から手を洗い郡保安官補になった男と無法の町に保安官として雇われたガンマン
の、考え方の違いによる対決までを描く、製作、監督エドワード・ドミトリク、主演リチャード・ウィドマークヘンリー・フォンダアンソニー・クインドロシー・マローン他共演による西部劇の秀作。


西部劇


スタッフ キャスト ■

監督:エドワード・ドミトリク
製作:エドワード・ドミトリク
原作:オークレイ・ホールWarlock
脚本:ロバート・アラン・アーサー

撮影:ジョセフ・マクドナルド
編集:ジャック・H・ホームズ
音楽:リー・ハーライン

出演
リチャード・ウィドマーク:ジョニー・ギャノン
ヘンリー・フォンダ:クレイ・ブレイスデール
アンソニー・クイン:トム・モーガン
ドロシー・マローン:リリー・ダラー
ドロレス・マイケルズ:ジェシー・マーロー
トム・ドレイク:エイブ・マキューン
デフォレスト・ケリー:カーリー・バーン
ウォーレス・フォード:ハロウェイ判事
フランク・ゴーシン:ビリー・ギャノン
ウォルター・コイ:ロイ・トンプソン
L・Q・ジョーンズ:フェン・ジッグス
ゲイリー・ロックウッド:ギャングの一員

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1959年製作 121分
公開
北米:1959年4月1日
日本:1959年7月28日


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1881年。
ユタ州の田舎町ワーロックでは、サンパブロ牧場のならず者エイブ・マキューン(トム・ドレイク)一味が、町を牛耳ろうと無法の限りを尽くしていた。

保安官補ロイ・トンプソン(ウォルター・コイ)は、町に現れたマキューンに通りに呼び出されるが、一味に辱められ追い出されてしまう。

一味の中で、ジョニー・ギャノン(リチャード・ウィドマーク)だけは、そんなマキューンのやり方に嫌気がさしていた。

町民は集会を開き、ハロウェイ判事(ウォーレス・フォード)やジェシー・マーロー(ドロレス・マイケルズ)の反対を押し切り、有名なガン・ファイターで請負保安官でもあるクレイ・ブレイスデール(ヘンリー・フォンダ)を雇うことにする。

ブレイスデールには、悪評高いトム・モーガン(アンソニー・クイン)がいつも付き添い、町民はそれを心配する。

町に到着したブレイスデールとモーガンは、ハロウェイ判事に、唯の人殺しだと罵倒されるが、二人は全く意に介さない。

その後ブレイスデールは、自信に満ち溢れた態度で町民に接し、モーガンは酒場に賭博場”フランス宮殿”を開く。

夜となり、酒場で楽しむマキューン一味の前に、おもむろにブレイスデールが姿を現し、一瞬、その場に緊張感が走る。

一味の一人カーリー・バーン(デフォレスト・ケリー)が、ブレイスデールを挑発して銃を抜こうとする。

しかし、ブレイスデールはカーリーより遥かに早く銃を抜き、彼に銃を捨てさせ、マキューンに脅しをかけ、一味を退散させてしまう。

同行していたギャノンは、卑怯な手を使おうとする仲間達を見限り、町に残ることにする。

ジェシーは、ブレイスデールが町に来て以来、批判的な目で見ていたのだが、マキューンを追い払った彼に謝罪し、心を通わせるようになる。

そんな時、モーガンはフェン・ジッグス(L・Q・ジョーンズ)からの情報で、ブレイスデールに恨みを持つ、リリー・ダラー(ドロシー・マローン)が町に近づいていることを知る。

モーガンは、町外れでリリーらを待ち伏せて、彼女に連れ添い、ブレイスデールを始末しに来た男の命を狙う。

リリーらの乗った駅馬車は、途中、マキューンの手下で、ギャノンの弟ビリー(フランク・ゴーシン)達に襲われてしまう。

男を射殺したモーガンだったが、自分のことを人間扱いしてくれる、唯一の友ブレイスデールの敵は必ず仕留めてきたのだ。

町に到着したリリーらは、駅馬車の襲撃と連れが丘の上の何者かに殺されたことを、ブレイスデールに知らせる。

ブレイスデールは、襲撃犯ビリーらを捕らえにサンパブロ牧場に向かい、モーガンは何食わぬ顔でリリーを迎える。

かつて愛し合っていた二人だったが、モーガンがリリーと婚約した男を、ブレイスデールに挑ませるように仕掛けて殺させたのだった。

その後、捕らえられたビリー達をリンチにかけようとする町民を制止し、ブレイスデールは郡保安官を待つ。

ホテルに戻ったブレイスデールは、リリーの婚約者がなぜ自分に挑んだのかをモーガンに尋ね、それを疑問に思う。

町民達は気勢をあげてリンチを強行しようとするが、現れたブレイスデールはそれを許さず騒ぎを鎮める。

ビリーらを連行しに来た郡保安官は、ワーロックに保安官補を置こうとするが、町民から志願者はなく、ギャノンがそれを受ける。

ブレイスデールのやり方に疑問を感じるギャノンは、リリーの連れを殺した男を突き止めようと、彼女から情報を得ようとする。

ギャノンが、ブレイスデールに挑む覚悟だと知ったリリーは、一旦は彼を見くびる。

しかし、町で身寄りの無くなったリリーは、ギャノンの意外な誠実さに心を寄せるようになる。

ブレイスデールに心を許すようになったジェシーは、彼の紳士的な態度に惹かれるようになる。

その頃、裁判で無罪になったビリーらは釈放され、警告を無視して町に姿を現す。

モーガンは、ジェシーとの結婚を決意したブレイスデールが、自分を見捨てるのではないかと考え始め、精神的に不安定になっていく。

そして、ビリーらはブレイスデールに復讐するため、通りで彼を待ち構えるが、ギャノンはそれを止めようとする。

ブレイスデールに立ち向うため、ビリーはギャノンを振り切るが、太刀打ちできるような相手ではなく、あえなく射殺されてしまう。

その後、マキューンが”取締官”を名乗ったため、殺し合いが激化することが必死となる。

その標的となるブレイスデールに、身を引かせようとするモーガンだった。

だが、既にブレイスデールの心の支えはジェシーであり、彼はモーガンの助けを必要としていなかった。

ギャノンは、ブレイスデールやモーガンに、マキューンには手出しをしないよう、法の番人として警告する。

そしてブレイスデールは、自分の役目が終わったかもしれないことをモーガンに告げる。

サンパブロ牧場に向かい、マキューンに町に入ることを禁ずる警告をしたギャノンは袋叩きに遭い、右手をナイフで刺されてしまう。

マキューンの、卑劣な行動を見た一味のカーリーは、ギャノンに同情するようになる。

翌日カーリーは、マキューンに単独で立ち向かおうとするギャノンに、町を出るよう説得する。

ギャノンはそれを拒むが、殺されることが目に見えている彼の無謀な行動をリリーは非難し、ブレイスデールに助けを求める。

ブレイスデールは、ギャノンに、人を殺す場合の自分を納得させる心得を伝授し、町が自立するためにも単独で方をつけようとする彼に、あくまで加勢しようとする。

そしてマキューン一味が町に現れるが、ブレイスデールを失いたくないモーガンは、彼に銃を向けて引き止める。

たった独りで一味に立ち向かったギャノンは、卑怯な手を使おうとするマキューンらを、カーリーと町民の協力で見事に倒す。

ギャノンの気持ちが町民に伝わり、勇気を持って立ち上がったのだ。

ブレイスデールは、自分を利用して、リリーに復讐したモーガンを責めジェシーの元に向かおうとする。

モーガンはブレイスデールが町に必要なくなった状況を見て、町を支配するにはギャノンを殺すしかないと助言する。

しかし、ブレイスデールは、それを聞き入れずにその場を去り、モーガンは酒を煽り正気を失う。

モーガンは銃を乱射し始めて、それを制止しようとしたブレイスデールに町を出るよう言われ、それを見ていた町民は嘲り笑う。

リリーにも軽蔑の目で見られて、絶望したモーガンは、ブレイスデールを挑発し、銃を抜かせ彼に射殺される。

ブレイスデールは、モーガンを侮辱した町民を見限り罵倒し、酒場に火を放ち彼を弔う。

ギャノンは、ブレイスデールに町を出ることを要求するが、彼はそれを拒否し、決闘でけりをつけることをギャノンに告げる。

リリーにそれを告げたギャノンは、逃げるわけにはいかない気持ちを伝え彼女を抱きしめる。

燃え尽きた酒場にたたずむブレイスデールは、ジェシーのために引退を決意していたのだが、再び他の町で保安官に戻ることを彼女に告げて同行を求める。

しかし、ジェシーは、自分はモーガンにはなれないと言って、それに同意できずに立ち去ってしまう。

翌朝、傷の癒えない右手の包帯を振り払い、町の大通りで、ブレイスデールを待ち受けるギャノンは覚悟を決める。

勇者の証”黄金の二丁拳銃”を腰に、颯爽と通りに現れたブレイスデールは、一瞬の隙も見せずに、ギャノンよりも早く銃を抜く。

しかし、ブレイスデールは、二丁の拳銃を捨てて笑みを漏らし、潔く町を去ろうとする。

ブレイスデールを尊敬の眼差しで見つめるギャノンに、安堵の表情を浮かべたリリーが寄り添う。

そして、悲しみにくれるジェシーは、ブレイスデールの後姿を、いつまでも見つめる。


解説 評価 感想 ■

1958年のピューリッツァー賞で、最終選考まで残った、オークレイ・ホールの小説”Warlock”の映画化。

*(簡略ストー リー)

悪党マキューンがのさばり、無法の町と化していたワーロック町民は、名のあるガンマンのクレイ・ブレイスデールを保安官として雇う。
ブレイスデールには、悪名高き男モーガンが付き添っていたが、彼らの登場でマキューンの暴挙は一旦は収まる。
その後、マキューンの行動に嫌気がさしていた一味のギャノンは、町に残り郡保安官補になる。
ギャノンは、高圧的な手法で敵を押さえつけるブレイスデールの考えと対立し、町自身が立ち上がる方法を模索する。
やがて、ブレイスデールに恨みを持つリリーが町に現われ、誠実なギャノンの男らしさに惹かれる。
町の女性ジェシーは、人を寄せ付けない雰囲気はあるが、紳士的なブレイスデールに心を寄せ、やがて二人は結婚を決意するのだが・・・。
__________

社会派監督として評価を得ていたものの、赤狩りの矢面に立たされ、イギリスに逃れていたエドワード・ドミトリクの、ハリウッド復帰後の作品。

正統派西部劇ではあるが、悪に対する考え方や、阻害される人間の苦しみなどを盛り込んだ異色の作品。

男のロマンや正義感、それに絡む女心、さらには、身勝手な町民の心理などの描写も興味深い作品。

強かな雇われ保安官ヘンリー・フォンダが、正義感ではなくビジネスで物事を考え、悪党一味だったリチャード・ウィドマークは、町民の自立心を甦らせていく展開、頑強な用心棒的存在アンソニー・クインが、阻害される自分を哀れんだりする、様々な人間模様もが見事に描かれている。

雇われの身の二人は、ワイアット・アープ
ドク・ホリデイの関係にも似ている。

リー・ハーラインの音楽も素晴らしく、一度聴いたら忘れられない曲に仕上がっている。
特に、クライマックスの盛り上がりは忘れ難い。

西部劇には珍しく特撮も使っている。
丘の上から見下ろすワーロックの町並みはグラスペイントで、まるで、絵画のような美しさだ。

西部劇の大ファンとしても納得する、銃撃のない、クライマックスの決闘シーンもたまらなくいい。

こんな終わり方もあるのだなと、何十回も繰り返し見直したこともあるラストシーンは見事な演出だ。

”出来過ぎ”ているほどに、優雅でスマートなヘンリー・フォンダの、背筋を伸ばし大股で歩く姿には惚れ惚れする。
自信みなぎる体全体から発する貫禄は、強面で巨体のアンソニー・クインをも圧倒する。

最後には絶望してしまうアンソニー・クインの共演は、作品自体のスケールアップに大いに貢献している。

主演のリチャード・ウィドマークの、悪党一味から一転、正義感溢れる保安官補役も、翌年の「アラモ」を凌ぐ好演だ。

また、度々、魅力的な表情を見せるドロシー・マローンの、スクリーン上での美しさは際立っている。

後の「スタートレック」シリーズのレギュラー、Dr.マッコイ役で有名なデフォレスト・ケリーや、テレビ・シリーズ「バットマン」のリドラー(ナゾラー)役を演ずる、俳優の物まねでも知られるフランク・ゴーシンも出演している。

一度は結婚の約束をするものの、生きる世界の違いを悟りブレイスデール(H・フォンダ)の元を去るドロレス・マイケルズ、悪党一味の首領トム・ドレイク、ブレイスデールの手法を正義と認めない判事ウォーレス・フォード、保安官補ウォルター・コイ、他L・Q・ジョーンズゲイリー・ロックウッドなどが共演している。


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