少年は残酷な弓を射る We Need to Talk About Kevin (2011) 4/5 (1)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
・アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

2003年に発表された、ライオネル・シュライヴァーの小説”We Need to Talk About Kevin”を基に製作された作品。
自分に対して悪意を持つ息子への対応に苦悩する母親、彼女の全てが崩れ去る恐ろしい事件の真相が明らかになるまでを描く、製作総指揮スティーブン・ソダーバーグ、製作、監督、脚本リン・ラムジー、主演ティルダ・スウィントンジョン・C・ライリーエズラ・ミラー他共演のサスペンス・スリラー。


スリラー/ホラー


スタッフ キャスト ■

監督:リン・ラムジー
製作総指揮
スティーブン・ソダーバーグ

リン・ラムジー
ティルダ・スウィントン
製作
リュック・ローグ

ジェニファー・フォックス
ロバート・サレルノ
原作:ライオネル・シュライヴァーWe Need to Talk About Kevin
脚本
リン・ラムジー

ローリー・キニア
撮影:シェイマス・マクガーヴェイ
編集:ジョー・ビニ
音楽:ジョニー・グリーンウッド

出演
エヴァ・カチャドリアン:ティルダ・スウィントン

フランクリン・プラスケット:ジョン・C・ライリー
ケヴィン・カチャドリアン:エズラ・ミラー
ケヴィン・カチャドリアン(少年期):ジャスパー・ニューウェル
セリア・カチャドリアン:アシュリー・ガーラシモヴィッチ
ワンダ:シオバン・ファロン・ホーガン
コリン:アレックス・マネット

イギリス/アメリカ 映画
配給 Artificial Eye

2011年製作 112分
公開
イギリス:2011年10月21日
北米:2011年12月9日
日本:2012年6月30日
製作費 $7,000,000
北米興行収入 $1,738,692
世界 $6,038,942


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

ある朝、独り暮らしの女性エヴァ・カチャドリアン(ティルダ・スウィントン)は、家の入り口や車に、赤いペンキがかけられていることに気づく。

身支度をしたエヴァは、事務員を募集している旅行代理店に向かう。

事務員らの視線を感じながら、支店長のワンダ(シオバン・ファロン・ホーガン)と面接したエヴァは、採用されることになる。

その後、通りで婦人に声をかけられたエヴァは、殴られて罵られる。

帰宅したエヴァは、夫フランクリン・プラスケット(ジョン・C・ライリー)と愛し合い、妊娠した時のことを思い出す。

翌週から働き始めたエヴァは、ある事件を思い出しながら午後は早退して少年刑務所に向かう。

息子のケヴィン(エズラ・ミラー)と面会したエヴァだったが、お互い何も語らず彼女は席を立つ。
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エヴァは男の子ケヴィンを出産するのだが、自分の前では泣き止まないその子の扱いに彼女は苦悩する。

しかし、フランクリンに抱かれたケヴィンは大人しい子供だった。

成長したケヴィンは話そうとせずに、エヴァは自閉症を疑い医師に診せる。

異常なしと診断されたケヴィンだったが、彼はその後も母エヴァに全く懐かない。
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エヴァは、住民や子供達からも嫌がらせを受けるが、彼女はそれに耐えるしかなかった。
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6歳に成長したケヴィン(ジャスパー・ニューウェル)だったが、エヴァとまともに口をきこうとせずに、彼女も息子を嫌うようになる。

しかし、ケヴィンは父フランクリンとは、普通の子供として接していた。

旅行作家としての、満ち足りた日々を思い起こすことだけが楽しみなエヴァだったが、ケヴィンはそれを理解せず、壁に貼られた地図を絵の具で汚してしまう。

憤慨したエヴァだったが、フランクリンがケヴィンから事情を聞き、彼女をなだめる。

頭のいい子なのだが、未だにオムツが取れないケヴィンは、エヴァのすることを完全に否定し反抗し続ける。

我慢の限界に達したエヴァはケヴィンに怪我をさせてしまうが、それをきっかけにして彼はトイレを覚える。

やがて、エヴァは女の子を出産し、病気をしたケヴィンはエヴァに甘えるようになる。

しかし、それも長くは続かずに、ケヴィンは再びエヴァを嫌うようになる。

その後ケヴィンは、ロビン・フッドに憧れて、アーチェリーに興味を持つようになり、フランクリンに裏庭でそれを教わる。

ティーンに成長したケヴィン(エズラ・ミラー)は、妹のセリア(アシュリー・ガーラシモヴィッチ)も嫌い彼女をからかいいじめる。
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当初は、エヴァを奇異な目で見ていた同僚のコリン(アレックス・マネット)は、代理店のクリスマス・パーティーで彼女をダンスに誘う。

エヴァは、それを断った瞬間に、コリンが態度を急変させたため、その場を立ち去る。
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ある日エヴァは、ケヴィンを誘い、パターゴルフとディナーに出かける。

ケヴィンは一応それに付き合うが、楽しもうともせずに、エヴァがしようとすることを語り嫌味を言うだけだった。

翌日、ケヴィンの部屋を調べたエヴァは、あるCDを見つけてパソコンでチャックをするが、それにはウィルスが仕掛けられていた。

その後、セリアが飼っていたペットのモルモットがいなくなるが、それをケヴィンが殺したことにエヴァは気づく。

しかしエヴァは、それを家族には知らせなかった。

排水管の洗浄剤を目に入れてしまったセリアは、救急車で病院に運ばれるが、眼球を摘出して義眼を入れることになる。

しまってあった洗浄剤を、ケヴィンが出したと確信しているエヴァに、フランクリンは、カウンセリングを受けるよう伝える。

エヴァは、妹の事故に関心も示さないケヴィンと話す気にもなれなくなる。

ケヴィンのことを気にし過ぎだと言うフランクリンも悩み、限界に達した彼は、離婚を考えそれをエヴァに伝える。

その後ケヴィンは、ネットで大量の鍵を購入し、学校中のドアをロックし、アーチェリーの用意をする。

学校からの連絡を受けたエヴァは、父兄らが集まる中、校内から出てきたケヴィンが、警官に逮捕される姿を目撃する。

ケヴィンは、弓を使い生徒達を何人も殺害したのだった。

帰宅したエヴァは、ケヴィンに弓で殺害された裏庭に倒れているフランクリンとセリアを発見して絶望する。
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事件から二年、ケヴィンのシャツなどにアイロンをかけて丁寧にしまったエヴァは、ようやくペンキが落ちた家を後にして、息子と面会するため刑務所に向かう。

ケヴィンは、成人刑務所に移ることになっていたためさすがに動揺していた。

エヴァに、犯行の理由を尋ねられたケヴィンは、知っているつもりだったが今は違うと答える。

面会時間は終わり、エヴァは、いつもとは違う表情のケヴィンを抱きしめてその場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

旅行作家のエヴァ・カチャドリアンは、世界中を旅している途中、フランクリンと恋に落ちて結婚した。
やがて、息子のケヴィンが生まれるのだが、その子供はエヴァに全く懐かない。
数年後、エヴァを受け入れないケヴィンだったが、父親フランクリンとは普通の息子として接するのだった。
苦悩するエヴァは、ケヴィンを傷つけてしまうことなどもあり、彼女自身も息子を嫌い始める。
やがてティーンに成長したケヴィンは、母親エヴァのほかに、妹のセリアも嫌いいじめ始める。
その後、セリアが片目を失う事故が起きて、それをケヴィンのせいにするエヴァを批判するフランクリンは離婚を考える。
そして、全てが崩れ去ることになる、忌まわしい事件が起きてしまう・・・。
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母子の信じ難いような複雑な関係を、緊迫感溢れる展開と、色彩を多用した細やかな映像表現で、リン・ラムジーが描く異色サスペンスとして、各映画賞などで絶賛された作品。

受賞は逃すものの、カンヌ国際映画祭パルムドールにノミネートされた。

事件の全容が知らされぬままフラッシュバックが挿入され進行する序盤の異様な映像や、主人公の生活の描き方に引き込まれる。

”赤色”の使い方が、やがて明らかになる衝撃的事件を暗示し、随所に登場する鮮やかな色彩の”物質”が、物語の内容とはミスマッチであり、崩壊する家庭内の混乱を表現している。

主演のティルダ・スウィントンは、虐殺の加害者の母親として、全てを失いながらも、息子を見守るしかない苦しい立場の女性を演じ、その迫真の演技は絶賛された。

妻を理解し支えることができない夫ジョン・C・ライリー、人間には思えない、恐ろしいの一言、正に”悪魔の子”を演ずるエズラ・ミラー、その少年期ジャスパー・ニューウェル、妹アシュリー・ガーラシモヴィッチ、旅行代理店店長役のシオバン・ファロン・ホーガン、事務員アレックス・マネットなどが共演している。


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