セッション Whiplash (2014) 4.29/5 (28)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

ジャズ・ドラマーを目指し名門音楽院に入学した天才ドラマーと鬼教師の”戦い”を描く、監督、脚本デミアン・チャゼル、主演マイルズ・テラーJ・K・シモンズポール・ライザーメリッサ・ブノワ他共演のドラマ。


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:デミアン・チャゼル
製作
ジェイソン・ブラム
ヘレン・エスタブルック
ミシェル・リトヴァク
デヴィッド・ランカスター
製作総指揮
ジェイソン・ライトマン
コウパー・サミュエルソン
ゲイリー・マイケル・ウォルターズ
脚本:デミアン・チャゼル
撮影:シャロン・メール
編集:トム・クロス
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ

出演
アンドリュー・ニーマン:マイルズ・テラー
テレンス・フレッチャー:J・K・シモンズ
ジム・ニーマン:ポール・ライザー
ニコル:メリッサ・ブノワ
ライアン・コノリー:オースティン・ストウェル
カール・タナー:ネイト・ラング
フランク:クリス・マルケイ
クラマー:デイモン・ガプトン
エマ:スアンヌ・スポーク
寮の隣人:マックス・カッシュ
ダスティン:チャーリー・イアン
トラヴィス:ジェイソン・ブレア
グレッグ:コフィ・シリボー
ソフィー:カヴィタ・パティル

アメリカ 映画
配給 ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
2014年製作 106分
公開
北米:20214年10月10日
日本:2015年4月17日
製作費 $3,300,000
北米興行収入 $13,092,000
世界 $48,982,040


アカデミー賞
第87回アカデミー賞

・受賞
助演男優(J・K・シモンズ
編集・録音賞
・ノミネート
作品・脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク、シェイファー音楽院、秋学期。
ジャズ・ドラマー”バディ・リッチ”に憧れ、全米屈指の名門校に入学した19歳のアンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)は、学内で最高の指揮者テレンス・フレッチャー(J・K・シモンズ)の目に留まる。

バンドマンを探していたフレッチャーだったが、アンドリューの演奏をチェックしただけでその場を去る。

父ジムと映画を観に行ったアンドリューは、厳しいが最高の指導者であるフレッチャーに声をかけられたことを話すものの、相手にされなかったことを伝える。

ジムに慰められたアンドリューだったが、ショックは大きかった。

フレッチャーを意識するアンドリューは、自分達の演奏をチェックしに来た彼から、翌日からバンドに加わるようにと言われる。

希望が見えたことで期待で胸膨らむアンドリューは、気になっていた映画館の売店係ニコル(メリッサ・ブノワ)に声をかける。

ニコルをデートに誘ったアンドリューは、ピザ店に行く約束をして、全てが良い方向に向かい始めたことに満足する。

翌日、フレッチャーに言われた時間に遅れそうになったフレッチャーだったが、レッスンは3時間後だった。

9時前にメンバーが集まり、フレッチャーが時間丁度に現れ、彼を恐れる学生達は緊張する。

アンドリューを紹介したフレッチャーは演奏を始め、音のズレている者を探そうとする。

自己申告するようにと言う指示に従わなかった学生は、フレッチャーに罵倒されて追い出される。

ズレていたのは他の者だと言うフレッチャーは、自覚の無さが命取りだと指摘して休憩にする。

アンドリューに話しかけて演奏させることを伝えたフレッチャーは、父親の職業を訊く。

物書きではあるが高校の教師だと答えたアンドリューは、母は家を出て、身内には音楽家はいないと答え、バディ・リッチら偉人達の演奏を聴き、演奏を楽しむようにとフレッチャーから言われる。

皆が怯えるような人物ではなく、フレッチャーが自分を理解してくれたと思えたアンドリューは、休憩が終り演奏の準備をする。

演奏を始めさせたフレッチャーは、自分のテンポに合わせることができないアンドリューに怒りを示し、椅子を投げる。

フレッチャーに殴られたアンドリューは罵倒されて涙し、父親まで侮辱される。

テンポに合わせられなかったことを認めさせたフレッチャーは、アンドリューを交代させる。

ショックを受けたアンドリューは、ジムからの電話にも出ないまま考えこむ。

悔しさを跳ね返そうとしてひたすらドラムを叩くアンドリューは、スティックを握る手から出血してもそれに耐える。

ニコルとピザ店に行ったアンドリューは、彼女がアリゾナ出身でフォーダム大学に通っていることを知る。

二人は、皆から好かれていない気がすることで意見が一致する。

故郷が恋しいと話すニコルは自分だけだろうかとアンドリューに問い、父と映画を観に行っていると言う彼と心触れ合う。

オーバーブルック・ジャズ・コンペティション。
友人とその幼い娘と話すフレッチャーに人間味も感じたアンドリューだったが、演奏の準備を指示するフレッチャーの言葉は厳しかった。

ドラムの主奏者カール・タナー(ネイト・ラング)から楽譜を預かったアンドリューは、それをなくしてしまう。

アンドリューを非難したカールは、その件をフレッチャーに説明するが、自分の責任だと言われる。

ステージに上がるようフレッチャーから指示されたカールは、暗譜していないので無理だと答える。

記憶障害だと説明してもカールは許されることなく、アンドリューは、自分が演奏するとフレッチャーに伝える。

全て暗譜していることを確認したフレッチャーは、失敗は許されないとアンドリューに伝え、ステージに上がらせる。

演奏は終わり、シェイファー音楽院は優勝する。

翌日、カールは主奏者を降ろされアンドリューが代わる。

認められたことを喜ぶアンドリューは、そのことをジムに話す。

伯父フランク(クリス・マルケイ)の家族と食事をしたアンドリューは、自分の将来を家族が心配することを迷惑に思う。

従兄弟の才能も低レベルだと言うアンドリューは、自分が目指すものとは比較にならないと考え、席を外してしまう。

よき理解者になったように思えたフレッチャーから、前のバンドのドラマー、ライアン・コノリー(オースティン・ストウェル)を試したいと言われたアンドリューは戸惑う。

演奏を比べられたアンドリューは、ライアンを完璧だと言うフレッチャーに意見する。

闘って主奏者を勝ち取れとフレッチャーから言われたアンドリューは、その場を去る。

ニコルに会ったアンドリューは、自分の演奏活動の邪魔になると率直に伝えて、彼女と別れてしまう。

次のレッスンで、ライアンを紹介したフレッチャーは、教え子の”ショーン・ケイシー”が車の事故で亡くなった話をして涙する。

演奏を始めさせたフレッチャーは、ライアン、アンドリュー、カールが思うように叩けないため、他の者を除き三人を徹底的に扱く。

それは何時間も続き、アンドリューの演奏で納得したフレッチャーは、他のメンバーを呼ぶ。

ダネレン・コンペティションの当日。
現地に向かおうとしていたアンドリューは、バスがパンクしてしまい、タクシーもつかまらずにレンタカーを借りる。

その場にスティックを置き忘れたことに気づかず、車を運転しながらメンバーに電話をしたアンドリューは、ライアンが代わりをすると聞き、焦りながら会場に向かう。

何とか間に合うものの、ステイックがないことに気づいたアンドリューは、ライアンを侮辱してまで自分が演奏しようとする。

アンドリューを痛烈に非難したフレッチャーは、時間までに自分のスティックを持ってステージに上がらなければ即刻、切ると伝える。

レンタカー店のオフィスにスティックを取りに戻り、会場に戻ろうとしたアンドリューは、トラックと衝突してしまう。

幸い動けたアンドリューは、血だらけの状態で会場に向かい、ステージに上がり演奏を始める。

力尽きたアンドリューは演奏できなくなり、フレッチャーから、終わりだと言われる。

会場の聴衆に謝罪しようとしたフレッチャーに襲い掛かったアンドリューは取り押さえられ、彼を罵りながら、その場から連れ出される。

その後、ジムと共にショーン・ケイシーの両親の代理人である弁護士と話したアンドリューは、彼が事故ではなく首を吊って自殺したことを知らされる。

自分と何の関係があるのかと弁護士に尋ねたアンドリューは、フレッチャーの指導を受けてからショーンが鬱病を患っていたと言われる。

ショーンの両親は法廷で争う気はなく、再発を防ぐための話し合いだということだった。

退学処分となっていたアンドリューは、フレッチャーの行き過ぎた指導がなかったかを訊かれ、何を話せばいいのかを弁護士に問う。

ドラムを片付けたアンドリューは、音楽を諦めようとする。

夏。
コロンビア大学への進学を考えるアンドリューは、あるクラブのライブに、ゲストとしてフレッチャーが出演していることを知る。

穏やかにピアノを弾き終わったフレッチャーは、その場にいたアンドリューに気づき声をかける。

フレッチャーと話したアンドリューは、学院を辞めことを話す彼から、ショーンの同期の生徒が密告したのだろうと言われる。

自分は、ルイ・アームストロングチャーリー・パーカーのような天才を育てたかっただけだと、フレッチャーはアンドリューに話す。

ジョー・ジョーンズにシンバルを投げられたチャーリー・パーカーが奮起し、天才”バード”が生れた話をしたフレッチャーは、そんなことも難しくなった世の中を嘆く。

やり過ぎて次の天才を潰したとも考えられると意見するアンドリューに対し、”天才は決して挫折しない”とフレッチャーは言い切る。

育てることができなかったと正直に話すフレッチャーは、必至に努力はしたが、自分の指導に対する謝罪はする気はないことをアンドリューに伝える。

店を出たフレッチャーは、アンドリューを新バンドのドラマーに誘う。

ライアンは自分を刺激させるためで、カールは医大に転学したことを知らされたアンドリューは、検討してほしいとフレッチャーから言われる。

しまってあったドラムをセットしたアンドリューは、ニコルに電話をして先日のことを謝罪する。

JVCジャズ・フェスティバル”に出場することをニコルに伝えたアンドリューは彼女を誘うものの、恋人がいることを知り可能であれば行くと言われる。

カーネギー・ホール
ジムが来てくれたことを確認したアンドリューは、スカウトの目に留まる可能性があるとフレッチャーから言われて、メンバーと共に期待に胸を膨らませる。

ステージに上がったアンドリューは、演奏曲”ウィップラッシュ”の楽譜を見て緊張する。

近付いてきたフレッチャーから、密告したことを問い詰められたアンドリューは動揺し、言葉を返すことができない。

客席に向い挨拶したフレッチャーは、フェスティバルの開幕を宣言し、新曲の”アップスウィンギン”を演奏することを伝える。

楽譜がないことに気づき焦るアンドリューは、まともに演奏することができず、居たたまれなくなりその場を去る。

ジムに慰められ、帰ろうと言われたアンドリューだったが、ステージに戻り”キャラバン”を演奏し始める。

指揮をしながら脅しをかけてきたフレッチャーとアンドリューの”戦い”は始る。

演奏を終えてもアンドリューはソロで叩き続け、驚いたフレッチャーは彼を指揮する。

ソロを終えたアンドリューは微笑み、フレッチャーも笑顔で応える。

そして、フレッチャーから合図を送られたアンドリューは、演奏を終える。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
ジャズ・ドラマーを目指し、全米屈指の名門校シェイファー音楽院に入学したアンドリュー・ニーマンは、学内最高の指揮者フレッチャーの目に留まる。
フレッチャーのバンドに加わったアンドリューは、厳しいが指導者として尊敬できるフレッチャーに求められたと考え期待に胸膨らむ。
しかし、フレッチャーから、理不尽なまでの仕打ちや罵声を浴びせられてレッスンを受けるアンドリューの思いは打ち砕かれる。
それにめげず、自分の目指すものに向いひたすら努力するアンドリューだったが・・・。
__________

注目の新星デミアン・チャゼルの、ジャズ・バンドに所属した経験などを基にした脚本が注目されて映画化が実現した作品。

人生経験の浅い、公開当時弱冠29歳のデミアン・チャゼルの演出は、既に円熟の境地に達した演出家を思わせる、演奏シーンの興奮と迫力は衝撃的だ。
ドラマ内の随所で使われるセリフの”天才”とは、彼のことと思えるような、”恐ろしい”才能を持った映画人と言える。

そんな彼や製作者が許可したのだろうか、邦題の”セッション”とはどんな意味でつけたのか理解し難い。
ドラマーの職業病とも言える”Whiplash/むち打ち症”は、狂気の鬼教師の指導に耐える、主人公の”天才的才能”に挑む人間を超越した”闘い”を示す素晴らしい原題であるのに、仲良しムードの”ジャム‐セッション”?ではお話にならない。
この文化レベルの低さ、歴史に残る名作となるだろう本作のことを考えると悔やみきれない邦題には愕然とする。

さて、徹底的に理不尽な仕打ちを受ける主人公は、クライマックスで再起不能状態に追い込まれるものの、”逆襲”に転じ、果たして救われたのか・・・。
終盤で教師が語るセリフ、”天才は何があっても挫折しない”この言葉が心に響くラストも素晴らしい。

主演のマイルズ・テラーは、2か月間の特訓により天才ドラマーを熱演し、実力派若手スターとして大いに期待できる存在となった。

渾身の演技で鬼教師を演じた名バイプレイヤー、J・K・シモンズの演技は絶賛され、第87回アカデミー賞での助演男優賞をはじめ、各映画賞を総なめにした。
第87回アカデミー賞
・受賞
編集・録音賞
・ノミネート
作品・脚色賞

主人公を見守る父親ポール・ライザー、主人公と親交を深めるメリッサ・ブノワ、主人公と競うドラマーのオースティン・ストウェルとネイト・ラング、主人公の伯父クリス・マルケ、その妻スアンヌ・スポーク、その息子チャーリー・イアンとジェイソン・ブレア、主人公の寮の隣人マックス・カッシュ、バンド・メンバーのコフィ・シリボー等が共演している。


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