白熱 White Heat (1949) 5/5 (30)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
5star

ヴァージニア・ケロッグの原案を基にしてアイヴァン・ゴフベン・ロバーツが脚色した、監督ラオール・ウォルシュ、主演ジェームズ・キャグニーヴァージニア・メイヨエドモンド・オブライエン共演による犯罪映画の傑作。


ドラマ(サスペンス/犯罪)


スタッフ キャスト ■

監督:ラオール・ウォルシュ
製作:ルイス・F・エデルマン
原作:ヴァージニア・ケロッグ
脚本
アイヴァン・ゴフ

ベン・ロバーツ
撮影:シドニー・ヒコック
編集:オーウェン・マークス
音楽:マックス・スタイナー

出演
コーディ・ジャレット:ジェームズ・キャグニー

ヴァーナ・ジャレット:ヴァージニア・メイヨ
ハンク・ファロン/ヴィクター・パード:エドモンド・オブライエン
ジャレット夫人:マーガレット・ワイチャリー
“ビッグ・エド”ソマーズ:スティーヴ・コクラン
フィリップ・エヴァンス:ジョン・アーチャー
ボー・クリール:イアン・マクドナルド
”ザ・トラーダー”ウィンストン:フレッド・クラーク
コットン・ヴァレッティ:ウォリー・キャッセル

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ

1949年製作 113分
公開
北米:1949念9月2日
日本:1952年12月25日


アカデミー賞 ■

第22回アカデミー賞
・ノミネート
原作賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

カリフォルニア州境。
凶悪犯コーディ・ジャレット(ジェームズ・キャグニー)一味は、郵便列車を襲い、公金30万ドルの現金奪う。

隠れ家の山小屋に、妻ヴァーナ(ヴァージニア・メイヨ)や母親(マーガレット・ワイチャリー)、そして仲間達と潜んでいたジャレットだった。

しかし、1週間以上も動きが取れないことに、ジャレットの手下“ビッグ・エド”ソマーズ(スティーヴ・コクラン)は苛立ちを見せ始める。

時折、持病の発作が起きてしまうジャレットだったが、母は、仲間達に弱味を見せないよう彼に忠告する。

やがて嵐が近づき、それを利用して逃亡することにした一味は、山小屋を引き上げようとする。

ジャレットは、負傷していた仲間を口封じのために殺すようコットン・ヴァレッティ(ウォリー・キャッセル)に命ずる。

しかし、コットンは負傷者を生かしてしまい、その後、彼は山中で凍死して発見される。

財務省ロサンゼルス支局の捜査官フィリップ・エヴァンス(ジョン・アーチャー)は、蒸気で火傷を負ったその死体を確認して、死体の男が現金強奪現場にいた証拠を見つける。

男は前科がなかったものの、彼にタバコを渡したコットンの指紋が確認される。

そのことがジャレットにも知られるが、エヴァンスは彼の母親の尾行に成功する。

しかし、ジャレットもそれに気づき、現れたエヴァンスを銃撃して逃亡する。

ドライブイン・シアターに逃げ込んだジャレットは、現金強奪事件の日のアリバイを作るために、イリノイ州の、ある軽犯罪事件の犯行を自供し自首することをヴァーナと母親に伝える。

そしてジャレットは逮捕されるのだが、彼の企みを承知のエヴァンスは、潜入捜査官ハンク・ファロン(エドモンド・オブライエン)を刑務所に送り込み、奪われた30万ドルについてを探らせようとする。

”ヴィクター・パード”という名で囚人となったファロンだったが、出所するはずだった囚人で、かつて彼が挙げたボー・クリール(イアン・マクドナルド)が所内にいることに気づく。

ファロンは、自分の存在がクリールにばれないように、わざとトラブルを起こし、懲罰を受けてジャレットと同じ監房に戻る。

一味の仕事振りは、刑務所のジャレットにも伝えられ、その分け前の分配は母親が仕切る。

既にビッグ・エドと深い仲になっていたヴァーナは、母親の存在を不満に思うが、彼女は二人の関係を知る。

ビッグ・エドは、刑務所の息のかかった者に、ジャレットを始末させる計画をヴァーナに知らせる。

殺されかけたところをファロンに助けられたジャレットは、その後、面会に来た母親から、ヴァーナとビッグ・エドが逃げたことを知らされる。

そしてジャレットは、事故もビッグ・エドの差し金だと気づき警戒するが、作業場で発作が出て倒れてしまう。

それを見つけたファロンがジャレットを介抱し、その後、母親の危険を察知したジャレットは、ファロンと共に脱獄を企む。

ファロンは、妻役の面会人に脱獄計画を伝え、それをエヴァンスに知らせるよう手はずを整える。

そして、脱獄が実行される日、ジャレットに母親の死が知らされ、誰よりも母を愛する彼は取り乱して暴れ始めて拘束されてしまう。

その報せを受けたエヴァンスは、この件から手を引くことになり、ファロンを出所させる手配をする。

しかし、脱獄に賛同した囚人に拳銃を渡されたジャレットは、ファロンらと共に、診察にきた精神科医の車で刑務所から逃亡する。

作業場で自分を殺そうとした囚人も、刑務所から連れ出したジャレットは、彼を車のトランクに詰め込み射殺する。

ジャレットの怖さを知るヴァーナは逃げようとするのだが、ビッグ・エドに母親殺しをばらすと脅され、仕方なくその場に留まる。

その夜、密かに逃げようとしたヴァーナだったが、ガレージで待ち構えていたジャレットに捕まってしまう。

ヴァーナは必死に弁解するが、彼女がビッグ・エドに強要され、母親を背後から射殺したことをジャレットに話す。

ショックを受けたジャレットは、ヴァーナを連れて家に向かい、ビッグ・エドを油断させて背中を撃ち抜く。

一味のリーダーに復帰したジャレットは、故買屋ウィンストン(フレッド・クラーク)と手を組み、ロング・ビーチの化学工場を
襲い、社員の給料を奪う計画を立てる。

そして犯行当日、一味の重要人物になっていたファロンは、ラジオを改造した発信機を、犯行に使うタンクローリーに取り付ける。

途中ファロンは、ガソリンスタンドのトイレの鏡にエヴァンスへのメッセージを残す。

ジャレットは、刑務所仲間だった運転手役のクリールと合流し、改造したタンクローリーの中に潜んで工場に向かう。

クリールを逮捕した事のあるファロンはそれに気づかず、タンクの中に潜む。

その頃、エヴァンスがファロンのメッセージに気づき、発信電波を追い犯行現場を突き止めて急行する。

工場に到着し、金庫室に侵入した一味だったが、クリールがファロンに気づき、それをジャレットに知らせる。

ファロンはジャレットらに銃を向けるが、逆に人質に取られ、一味は警察に包囲された工場から逃げようとする。

警察に捕らえられたヴァーナは、保身を考えエヴァンスと取引しようとするが、それを断られ連行される。

催涙弾を撃たれた隙に、建物から逃れたファロンは、エヴァンスに故買屋ウィンストンを追うよう伝える。

工場内を逃げる、ジャレットら一味は次々と警官隊に倒され、彼は投降した仲間を射殺して一人生き残る。

そして、タンクの上に逃げたジャレットは、ファロンに狙撃され、タンクに火を放ち自爆する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

凶悪犯罪を繰り返す一味のリーダー、コーディ・ジャレットは、誰よりも母親を愛し、彼女と共に犯行と逃亡生活を続けていた。
郵便列車の公金、30万ドルを奪ったジャレット一味は、財務省の捜査官であるエヴァンスに追われる。
ジャレットはそれを逃れるために、アリバイ作りとして、他の軽犯罪を犯したことにして自首し、刑務所に入れられる。
それに気づいたエヴァンスは、潜入捜査官のファロンを、ジャレットと同じ監房に送り込み、30万ドルの行方を探ろうとする。
その頃、ジャレットの妻ヴァーナと、彼の右腕ビッグ・エドが関係を持ち、母親を殺害してしまう。
ヴァーナらの裏切りに気づいていたジャレットは、ファロンと共に脱獄を計画するが、母親が死んだことを知り半狂乱となる・・・。
___________

戦前からの、No.1ギャングスターとも言えるジェームズ・キャグニーの、迫真の演技が話題になった作品。

凶悪犯達の無慈悲な犯行の残虐性、捜査官達の綿密な計画、ドキュメンタリー映画のようなリアルな捜査体制の描写など、スピーディで柔軟性のあるラオール・ウォルシュ演出は秀逸だ。

ありがちな、悪党ヒーロー列伝のように終わらない、”異常者”と化した、主人公の狂気の行動が炸裂するクライマックスは、圧巻と言うより痛快さも感じてしまう。

第22回アカデミー賞では、原作賞にノミネートされている。

2003年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

当時としては最先端と思われる、発信機探知技術や、主人公が凄絶な死を遂げるラストに象徴される凄まじいアクションなど、その時代の作品の中では群を抜いた、画期的でもある仕上がりを見せている。

ドラマに重みを加える、マックス・スタイナーの音楽も素晴らしい。

また、ジェームズ・キャグニー自身が提案したと言われる、極悪人でありながらマザコンだという主人公の異常性、母親の死を知り発狂する彼の演技は、映画史上に残る演技としても有名である。

キャグニーは本作で燃え尽きたのか、その後、この手のギャング映画にはほとんど出演していない。

不貞な悪党の妻という、派手な役柄が良く似合うヴァージニア・メイヨではあるが、実は彼女自身は生真面目な性格であり、離婚歴のない数少ない女優でもある。

エドモンド・オブライエンは、綿密に練られた捜査側の計画と、悪党、犯人達の両方の立場で、見事に任務を遂行する、ベテランの潜入捜査官を熱演している。

犯罪集団をまとめ、息子を溺愛する主人公の母親マーガレット・ワイチャリー、主人公の右腕でもあるが、彼を裏切るスティーヴ・コクラン、堅実な捜査官ジョン・アーチャー、一味の仲間ウォリー・キャッセル、それに加わるイアン・マクドナルド、故買屋フレッド・クラークなどが共演している。


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