若き日のリンカン Young Mr. Lincoln (1939) 4.15/5 (26)


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スタッフ・キャスト/製作年/製作費/上映時間/興行収入
アカデミー賞
全ストーリー(結末あり)
解説(簡略ストーリー)
★★★★

アメリカ第16代大統領エイブラハム・リンカーンの、青年期から弁護士となり初めての裁判で、ある一家のために弁護を引き受けて勝訴するまでを描く、製作ダリル・F・ザナック、監督ジョン・フォード、主演ヘンリー・フォンダアリス・ブラディ他共演によるヒューマン・ドラマの秀作。


ドラマ(ヒューマン)

ジョン・フォード / John Ford 作品一覧


スタッフ キャスト ■

監督:ジョン・フォード
製作総指揮:ダリル・F・ザナック
脚本:ラマー・トロッティ
撮影:バート・グレノン
編集:ウォルター・トンプソン
音楽:アルフレッド・ニューマン

出演
ヘンリー・フォンダエイブラハム・リンカーン

アリス・ブラディ:アビゲール・クレイ
マージョリー・ウィーヴァーメアリー・トッド

ポーリン・ムーアアン・ラトレッジ
エディ・コリンズ:イフ・ターナー
ドナルド・ミーク:ジョン・フェルダー検事
リチャード・クロムウェル:マット・クレイ
エドウィン・マックスウェルジョン・T・スチュアート

エディ・クィラン:アダム・クレイ
スペンサー・チャーターズ:ハーバート・A・ベル判事
フレッド・コーラーJr.:スクラブ・ホワイト
ミルバーン・ストーン:スティーブン・ダグラス
ウォード・ボンド:ジョン・パーマー・キャス
フランシス・フォード:サム・ブーン
ジャック・ペニック:ビッグ・バック
ラッセル・シンプソン:ウールリッジ


アカデミー賞 ■

第12回アカデミー賞
・ノミネート
原作賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■

1832年、イリノイ州、ニュー・セイラム
雑貨店を経営していたエイブラハム・リンカーン(ヘンリー・フォンダ)は、周囲の人々の勧めで州議会選挙に立候補する。

ある日、旅をする途中のケイン一家から、法律の本を譲り受けたリンカーンは、選挙で落選後、野山で本を読む毎日を過ごしていた。

その後、腸チフスが町を襲い、リンカーンが思いを寄せていたアン・ラトレッジ(ポーリン・ムーア)が22歳の若さで亡くなってしまう。

かねてから弁護士になるのが夢だったリンカーンは、彼女の願いでもあった法律の世界を目指すことを決心する。

1837年4月12日、スプリング・フィールド
郡庁所在地に移り、ジョン・T・スチュアート(エドウィン・マックスウェル)と法律事務所を開いたリンカーンは、マイペースで仕事をこなす。

独立記念日
気さくなリンカーンは、パイの審査員や丸太割り競技に参加して優勝してしまい、さらには、綱引きで違反までして勝ってしまう。

その夜、昼間から、クレイ一家に言いがかりをつけていたスクラブ・ホワイト(フレッド・コーラーJr.)が、マット・クレイとアダム(リチャード・クロムウェル/エディ・クィラン)兄弟と喧嘩になる。

スクラブがナイフを振りかざしたため、アダムとクレイは彼を叩きのめしてしまう。

駆けつけたスクラブの友人ジョン・パーマー・キャス(ウォード・ボンド)は、彼が息絶えたことを確認し、殺人だと叫びながら町民を呼び、保安官にそれを伝える。

マットとアダムの母親アビゲール(アリス・ブラディ)は、唯一の目撃者だったが、どちらが刺したかは言うことが出来ず、2人は逮捕されてしまう。

怒りを抑えきれない人々は、兄弟をリンチにかけようとするが、それを知ったリンカーンが、説得して人々を引き上げさせる。

アビゲールは、リンカーンの説得に感激し、経験は浅いが信用することが出来る彼に息子達を託すことにする。

リンカーンも、亡き母を思い起こさせるアビゲールのためにも、期待に応える決心をする。

その後リンカーンは、彼に興味を持ち、町の暴動を鎮圧させたことに感心した富豪令嬢メアリー・トッド(マージョリー・ウィーヴァー)からダンス・パーティーの招待を受けるが、女性と戯れている場合ではなかった。

クレイ家に出向いたリンカーンは、マットとアダムの弁護のためにアビゲールから話を聞く傍ら、男手の無くなった家族に力を貸し、まき割りなどをして彼女らとの親交を深める。

しかし、スクラブを殺したのはどちらかとのリンカーンの問いかけに、息子を見捨てられないアビゲールは、答えることが出来ない。

2人が自白したのは、お互いをかばう兄弟愛だとアビゲールはリンカーンに伝え、彼はこのままでは、2人とも死刑になってしまうと考え困惑する。

ハーバート・A・ベル判事(スペンサー・チャーターズ)の下、クレイ兄弟の裁判は始まり、小康状態が続く中、検事のジョン・フェルダー(ドナルド・ミーク)は、スクラブの友人であるキャスを証人に呼ぶ。

キャスが、銃声を聞いたという証言にリンカーンは注目し、彼とスクラブが事件前に口論したことを確認する。

その後フェルダーは、殺人現場の目撃者でもある、容疑者兄弟の母親アビゲールを証言台に呼ぶ。

フェルダーは、アビゲールに、どちらが犯人か証言させようとするのだが、真実を知っていても、息子の一人を犠牲にすることなど母親には出来なかった。

リンカーンは、子を思う母親に対し、道義を外れたフェルダーの追求に抗議する。

再びキャスを証言台に座らせたフェルダーは、もう一人の殺人の目撃者の彼に、犯人がマットだと証言させる。

一旦、閉廷となったその夜、リンカーンはマットの刑を軽くする条件で、罪を認め、それを受け入れるようベル判事から説得される。

しかし、アビゲールに最善を尽くすことを約束したリンカーンは、判事の申し入れを断ってしまう。

翌日、裁判は終わるかに見えたが、リンカーンはキャスに反対尋問を始める。

リンカーンは、月明かりで犯行を目撃したというキャスの嘘を暴き、彼がまだ息のあった、揉め事で恨んでいたスクラブを殺したことを自白させ、クレイ兄弟の無実を証明する。

そしてリンカーンは、旅立とうとするアビゲールから、わずかな弁護料をもらい、一家に別れを告げる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)

雑貨店を営むエイブラハム・リンカーンは、州議会選挙に立候補するものの落選してしまう。
思いを寄せる女性アン・ラトレッジが病死してしまい、彼女に励まされた日々を想い起しながらリンカーンは弁護士になることを決意する。
やがて、リンカーンは弁護士となり、事務所を構えた地域の人々との親交も深めながら、マイペースで仕事をこなしていく。
そんな時、旅人のクレイ一家の息子達が、喧嘩の末に殺人を犯す事件が起き、静かな町の騒動を人々は見守る。
亡き母親を想い起させる、兄弟の母親アビゲールやその家族のために、弁護を引き受けることになったリンカーンだったが・・・。
__________

丘を行くリンカーンが、歩き去った後に突然訪れる嵐などで、その後に彼が歩む波乱の人生を案じさせるラストや、ユーモアを交えた法廷シーンなど、ジョン・フォードらしい作風は力強く大胆でもあり、その演出は見応え十分だ。

第12回アカデミー賞では、原作賞にノミネートされた。

2003年、アメリカ議会図書館国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

アルフレッド・ニューマンの民謡をちりばめた美しい音楽、中でも、”アン・ラトレッジのテーマ曲”と言われる詩情溢れる映像にマッチした名曲が度々登場する。
この曲は、同じジョン・フォードの西部劇「リバティ・バランスを射った男」(1962)でも使われる。

温厚で、何にでも夢中になるリンカーンを見事に演じたヘンリー・フォンダは、本人に似せるためにどぎついメイクをしている。
彼の素顔を知っていると、余計それが気になってしまうのだが、当時のメイク技術を考えれば仕方ないところだろう。

リンカーンは、歴代アメリカ大統領の中で最も長身(194cm)だと言われ、ヘンリー・フォンダ(186cm)は、他の俳優と並んだショットを見ると間違いなく背を高く見せるための工夫をしているように思える。

この年の10月に癌で亡くなり、これが遺作となった、息子達への愛情溢れる母を好演したアリス・ブラディ、本作では、リンカーンに興味を持つ女性程度にしか描かれていない、後に夫人となるメアリー・トッドを演じたマージョリー・ウィーヴァー、同年のフォード作品「駅馬車」(1939)にも出演している、いつもは気弱な男性役が似合うのだが、本作では熱が入る検事役のドナルド・ミークフォード一家から、真犯人ウォード・ボンド、相変わらず酔っ払い役のフランシス・フォード、珍しく目立つシーンがある町民役ジャック・ペニック、そして容疑者として捕らえられる兄弟エディ・クィランリチャード・クロムウェルリンカーンの同僚ジョン・T・スチュアートエドウィン・マックスウェル、人間味のある判事スペンサー・チャーターズ、殺人の被害者フレッド・コーラーJr.、敏腕弁護士ミルバーン・ストーンなどが出演している。
また、フォード一家ラッセル・シンプソンも、リンカーンに弁護を依頼する男役でクレジットなしで出演している。


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